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花のフィールド

​15話*「最悪で最高」

 静まる室内を照らすのは廊下とパソコンの明かりだけ。
 それでも三弥さんの顔が赤いのがわかる。いつかのシロウさんと同じ表情に、やっぱり兄弟だと足を進めた。

「ちょ、待っ……!」
「台詞まで一緒ですか……でも、待ちませんよ」

 

 キャスター付きの椅子に座る彼の前で膝立ちになると、ポロリしている肉棒を握る。そして、単行本の問題ページを見せた。

 

「ほら、大きさが違うで……あ、これじゃない」
「おい……っ!?」

 

 “まだ”小さい肉棒(モデル)にしゃぶりつく。
 口内で先端を舐め回しながら扱けば、次第に硬く、大きくなった。が。

 

「っはあ……まだ小さい」
「小さいとか……はじめてっ、言われたぞ……っあ゛!」

 

 汗を落としながら見下ろす三弥さんは眉を顰めているが頬は赤いまま。皮から顔を出した亀頭を指先で摘まみ、舌先で棒を舐める。

 

「だっへ、シた時はもっと大きかった……んんっ。今だったら、慶二ひゃんのが大ひい」
「なんだよそれっ!」

 

 予想外だったのか三弥さんは天井を仰ぎ、私は舐めながら思い出す。

 

「もひろん、一番大きいのは三弥ひゃんのですけど、勃ってない時は慶二ひゃんのが大ひいです。シロウひゃんのは小さめだけど長くて、はじめひゃんのはフィット感が「だあああ゛あ゛ぁっ! んなのは聞いてねぇ!! しかも兄弟のとか聞きたくねぇ!!!」

 

 嫌々と頭を振っているが、散々見せびらかしてるくせにと不満が募る私は本を置くと上着を捲る。さらにブラホックを外せば解放された乳房が椅子に乗り、胸と肉棒の先端同士を擦りつけた。

 

「っあ゛……」
 

「聞きたくないなら自分のが一番大きいって証明してくださいね……“お兄ちゃん”?」
 

「てっめ……っが!」

 

 意地悪く笑うと、耳まで真っ赤にした三弥さんは声を荒げる。が、胸に挟まれた肉棒を扱かれると、大きくのけ反った。谷間で脈を打つモノからは先走りが滲み、乳房で包んで揉み込む。

 

「どうですか? 零花のおっぱいは気持ち良いですか?」
「っ……最悪で最高だよ」

 

 どっちですかと思うも、舌舐めずりしている。
 愉しい時の癖だと知っている私は笑みを浮かべると、先走りの汁を舐めた。美味しいと舌を這わせ、乳房で扱く。と、肉棒を咥え込まされた。

 

「ふゅんんん゛ん゛っ!」
「どうだ、零花……美味いか?」

 

 名前を呼ばれると下腹部が疼く。
 でもこれは設定だとしゃぶり続け、勢いよく吸い上げながら肉棒を離した。

 

「っあ゛ぁ……!」

 

 呻きと同時に亀頭から白濁が噴き出し、顔に掛かる。
 べっとり付いたモノを手で掬うと、舐めながら恍然の目を向けた。

 

「っはあ……お兄ちゃんのっせーえき……美味ひぃ」
「…………てめぇ、ホント男向けヒロインだよ……女向けじゃねぇよ」
「みなさんのせいでしょ」

 

 ガックシと上体を丸めた三弥さんの頭を額でコツコツ叩く。
 顔を上げた彼はなんとも言えない表情だが、一息吐くと唇に口付けた。

 

「んっ……」
「っは……よっぽど兄貴やノッポに調教されてるわけか」
「家性婦ですから……昼には慶二さんと車内、しかも運転席でシましたよ」

 

 暴露すると三弥さんの目が丸くなる。
 私の頬も赤くなるが、彼の胸板を押し、座椅子に背中を落とした。

 

「慶二さんとは大学でシたことありますし、シロウさんとは撮影現場の備品庫でシました」
「はあっ!? ノッポ、なに考えてんだ」
「今みたいに私が責めたんですけどね」
「お前かよっ!」

 

 ツッコミに恥ずかしくなりながら、彼を跨いだ私は膝立ちで椅子に乗る。ぐらりと揺れる椅子を支えるように三弥さんは両手を肘掛けに乗せ、両足に力を入れた。
 指摘に好都合で、ゆっくりと自分のショーツを下ろす。

 

「はじめさんには編み戸越しに胸を舐められたり、筆で掻き回されたこともあります……ココを」

 

 ショーツと糸を繋ぐ秘部に指を挿し込む。
 小さな蜜音を鳴らしながら持ち上げた自分の片胸を舐める私に、三弥さんは顔を赤めたまま固まった。それが妙に面白くて、自分の蜜が付いた指で肉棒の先端に触れると、指先で回す。

 

「っあぁ……!」
「これより速い玩具に回されたこともありましたね」
「っ……俺らへの恨みか?」
「いえ、漫画のネタになるかと思って」
「っ!?」

 

 息を呑んだ三弥さんは目を瞠った。
 私は頬を赤めながらも濡れた秘部に亀頭を擦り付ける。

 

「これだけセックス大好きで、場所も何も気にしない兄弟が揃っているんですからネタにし放題ですし、していいんですよ? 誰も怒りませんから」
「…………お前も?」

 

 視線を上げると、三弥さんは両腕で顔を隠している。
 でも、耳まで真っ赤。恥ずかしがっているのがわかるのはシロウさんと重なるからか、くすりと笑う私は額と額を合わせると囁いた。

 

「……ちょっとだけYes」
「ハッキリ言いやがれ」
「ひゃうっ!」

 

 ぐっと両手で腰を下ろされ、挿入された。
 さらに抱きしめられると揺すぶられ、長さも太さもある肉棒がナカを犯していく。

 

「あああぁぁっ……おっきぃ……おっきぃの好きいぃぃっンン」
「そりゃ良かった……遠慮なく突いてやるよ」
「ひゃああぁぁっ!」

 

 抱き返すと、谷間に顔を埋めた三弥さんは胸をしゃぶりながら腰を突き上げる。次第にナカで大きくなる肉棒が収まらなくなり、痛みが増してきた。

 

「ああ゛ぁダメえぇ……ナカ壊れちゃ……っああぁイっちゃあぁぁ」
「おう、イけ……大好きなチ○ポで……っ!」
「あああ゛あ゛ぁぁっ!!!」

 

 グリグリと押し込まれたモノに壊されたナカから蜜が溢れる。同時に引っこ抜かれた肉棒からも噴き出した白濁が胸やお腹に散った。
 互いに息を荒げるが、身体を起こした三弥さんは私を抱き上げるとベッドに転がす。と、愉しそうに携帯を向けた。

 

「はい、兄に犯されて嬉しそうな妹デス」
「ひゃい……大好きなお兄ちゃんに……もっと犯されたい……零花デス」

 

 持ち上げた胸に付いた白濁を舐めながら股間を広げる。
 三弥さんは呆れ半分で動画を撮るが、思い付いたように電動バイブを持つと蜜を零す秘部に宛がった。

 

「ああぁ、これじゃなくてえぇ……」
「その割りに、いっぱい出てんぞ」

 

 起動したバイブに秘芽を刺激され、身体が跳ねる。合わせて蜜が出るが、犯された後。特に目前のモノには敵わず唸った。

 

「ゃああぁ……お兄ちゃんのチ〇ポじゃないと……イけないいっ」
「はじめての時は死んじゃうとか言ってたくせに」
「あああぁうぅ……」

 

 蜜が付いたバイブで胸を犯す三弥さんは鼻で笑う。
 だが、息は上がっていて、脚に当たるモノも最初より断然大きい。それこそ漫画以上。入らないと咽び泣いたのに、壊れると喘いだのに、疼きや蜜は増すばかりで躊躇いもなく両脚を持ち上げた。

 

「お兄ちゃんのチ〇ポで死ね(イけ)るなら本望です」

 

 笑顔と一緒に大きく広げた股間をカメラに見せる。
 その先にある三弥さんの顔は同じように赤く、少しだけ視線をそらした。けれど、大きな息を吐くとジャージを脱ぎ捨てる。

 

「なら……お望み通り……にっ!」
「ああ……っああ゛あ゛あぁんんんンンっ!」

 

 待ちわびていたモノが容赦なく挿入され、早くも蜜が噴き出す。
 それでも腰は動かされ、揺れる胸の谷間にはバイブを挟まれた。異なる刺激に喘ぐ頭上では、汗を落とす三弥さんが携帯で撮っている。咄嗟に携帯を奪った私は彼にカメラを向けた。

 

「あ、おいっ!」
「だって……あんっ、お兄ちゃんも気持ち良さあああぁぁ!」

 

 両脚を掴まれ引っ張られると達する。
 あまりの衝撃に携帯もバイブもシーツに落ち、挿入したまま三弥さんに四つん這いにされた。膝立ちになった彼の腰が先ほど以上に速くなる。

 

「ふああぁっ……イったばかりなのにいぃっ」
「死ね(イけ)るなら……本望……なんだろっ!」
「あああぁあぁぁあ゛あ゛!」

 

 容赦ない突きに嬌声を響かせると潮を噴く。
 シーツにも床にも蜜溜まりができ、三弥さんのシャツも濡らした。それすら構わずまた挿入され、垂れ下がった乳房を片方揉みながら片方はバイブで突かれる。

 

「ああぁ……だめぇ……気持ひぃ……おかしくなっちゃうぅンン!」
「おう、なれ……そして認めろ……俺のが一番大きくて好きって」

 

 呂律が回らないほど何度も達していると、後ろから抱きしめられる。
 振り向けば有無を言わせない、自信しかない笑みと私だけを映す目と目が合った。下腹部と一緒に胸の奥がゾクゾクし、震える口を開く。

 

「ああぁ……好きぃ……三弥さん……が、一番んっ……大きくて好きぃいんんっ!」

 

 思考が蕩けていても、ウソのない気持ちが言葉になると口付けられる。
 挿し込まれた舌に舌を絡ませば口付けも深くなり、いっそう身体も心も蕩けると抽迭も速くなった。次第に快楽の波が迫ってくる。

 

「──っ!」

 

 頭が真っ白になり、何度目かわからない蜜が噴き出た。
 力を失くした身体はシーツに沈むが、虚ろな目が彼を捉える。息を乱し、大粒の汗をかきながら眼鏡を外した三弥さんを。

 

「みつ……や……さ」

 

 か細く呼んだ声に、シャツを脱いだ手が頭を撫でてくれる。
 とても荒々しいが優しさもあって、笑みが零れると手が止まった。でも、大きな溜め息と共にまた撫でられる。

 

「ったく……ドM女め……けど」

 

 前屈みになった彼の胸板が過ぎると、耳に口付けと囁きが落ちた。


 

「Thank you……零花」

 


 優しい声に身体が疼くが、それ以上に嬉しくてまた笑みを零すと快楽という名の睡魔で眠りについた。くすくすと笑う隣で。


 

 

 

 


「──……い、はい。どうも」

 

 ぼんやり聞こえる声と動く影。
 重い瞼をなんとか開くと見慣れたジャージが映る。

 

「はい、じゃあ……よう、起きたか」

 

 ベッドに横たわる私に、通話を切った三弥さんが椅子を回転させる。
 変わらず上着ジャージにポロリだが、解いた髪はボサボサで、眼鏡をしていない目は眠た気。でも、不思議とスッキリしているように見える。

 

「お前のおかげでネーム通ったぜ」
「はい……?」

 

 まだ思考がハッキリしていないせいか首を傾げると、三弥さんは頭を掻いた。

 

「ああー……次回作が決まったってこと」
「へー、おめでとうござ……て、まさかさっきのったた!」

 

 咄嗟に起き上がるが腰が痛く、ベッドに逆戻り。唸る私とは違い、三弥さんは楽しそうに笑う。

 

「役に立ってくれた分、原稿料入ったらなんか美味いの食わせて……の前に今夜のか。カップ麺で良いなら用意してやるぜ」

 

 提案に時計を見ると、0時を回っていた。
 シすぎたせいでお腹が鳴る上に腰も痛いのでお願いすると三弥さんが立ち上がる。が、ふとカーテンに目を移した。

 

「あー……お前、食えねぇかもよ」
「え?」
『サン兄ーっ!』

 

 意地悪い笑みに瞬きすると、玄関を開く音と大声が響いた。しかも一人ではない。

 

『こら、シロウくん。もう少し静かに……はじめ兄さんも服は籠に入れないと』
『あ……ケイくん、入れといて』

 

 覚えのある声が階下から聞こえる。いないはずの声が。
 戸惑う私に三弥さんは携帯を見せる。それは兄弟内で交わすメッセージ欄で、三弥さんが動画を添付していた。再生すると。

 

「いた、サン兄! なに兄妹ごっことか楽しいことしてるのさ!! オレも家性婦ちゃんに『お兄ちゃん』て言われたい!!!」
「シロくん年下……て、あれ。またドアが壊れてる」
「もう、直さない方が良いかもしれませんね」
「な、なんで……」

 

 静かだった部屋に兄弟が揃う。その顔は不満気、笑顔、呆れと様々で、顔を青褪める私に三弥さんは苦笑した。

 

「撮影したのを送ったらなんか帰ってくるとか言ってさ……お前、人気あるな」
「そ、それはっきゃ!」

 

 反論する前にシロウさんに抱きつかれる。
 既に上半身裸の彼は頬ずりすると、ブラのない乳房を揉んだ。犯されすぎたせいか、大袈裟なほど身体が跳ねる。

 

「Wow、敏感。オレ、朝までしか居られないし、我慢できないからもう挿入(いれ)るね」
「私は昼間シてもらえなかったフェラを」
「じゃあ僕……レイちゃんと一緒におっぱい舐める」
「それ、撮影して漫画に使ってもいい?」

 

 勝手に話していた三人が振り向くと、三弥さんは意地悪く笑いながら携帯を見せた。少しの間を置いて兄弟が口を開く。

 


「「「Ok」」」
「Nooooooっ!!!」

 


 アッサリ承諾した声に抗議するも、シロウさんに挿入され、慶二さんの肉棒を咥え込まされ、はじめさんに胸を舐められる。感度が高まっている身体は簡単に受け入れ、私は涙目で撮影者を睨んだ。

 

 犯していた時のように、愉しそうで嬉しそうな時任家の三男を────。

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