top of page
花のフィールド

​08話*「合格祝い」

 ずっと夢だと、セックスし続けたせいだと思っていた。
 身体を撫でる手も、胸を弄る指先も、背中に当たる胸板も、汗を舐める舌も、重なる唇も、ナカを満たすモノも、すべて快楽が視せる淫夢だと。

「あっ、あうっ、ああぁ……」
「Wow。敏感だね、家性婦ちゃん……カワイイ」
「ひゃうっ!」

 

 くすくす笑いながら耳朶を舐められる。
 同時に胸の両先端を引っ張られ、ショーツ越しに素股で腰を振られた。よろけた身体を支えるように両手を付ける鏡には三弥さんの精液が付き、喘ぐ自分と愉しそうに犯す時任家の四男=シロウさんが映る。

 

「家性婦ちゃん、布団の中より感度がイいね」
「ば、場所を考えン……て……いうか、昨日一昨日も……シましたよ……ねンっ」
「Yes。オレ、寝込みを襲うの大好き!」
「ホントに十代ああンンっ!」

 

 満面笑顔にツッコむも、前のめりになったシロウさんは持ち上げた胸に吸い付く。卑猥な吸引音に嬌声が零れるが、反対の手で口を塞がれた。

 

「こちらの着衣室が空いてるなり~」
「ほんがどうぞ~」

 

 外の声に強張るのは私だけ。
 狭い着衣室で躊躇いもなく犯す度胸は間違いなく時任家の人間だが、三弥さん同様ここはショッピングモールで休日。メンズ服売り場の着衣室があまり使われないとはいえ行き交いする人は多く、足音がする度に蜜が零れた。
 そもそも、三弥さんの弄りも受けていたショーツは使い物にならないほど濡れている。

 

「ショーツは外して、ナマでシようか」
「ああぁダメで……あんっ!」

 

 聞く耳を持たないのも同じ。
 手早くショーツを下ろされると片脚を持ち上げられ、露になった秘部に肉棒を擦られる。

 

「Wow、ぐちょぐちょ……誰かとシた?」
「聞かないで……というか、ちょいちょい英語混ぜるのなんです?」
「Oh、聞いてない? オレたちのDad(父さん)は日本人だけど、Mom(母さん)はアメリカ人だよ」
「え……じゃあ、ハーフ?」

 

 初耳に目を丸くする。
 だが、はじめさんとシロウさんの髪は染めている自分とは違うし、眼鏡で隠している慶二さんと三弥さんの瞳も灰色だったのを思い出す。咄嗟に英語が出ていたことも。

 

「特にオレは十五まで両親と三人でアメリカに住んでたから抜けないんだ。セックスも毎週シてたしね」
「それか!」

 

 躊躇いも羞恥もなく、何度もセックスする兄弟の線と線が繋がる。
 三弥さんから聞いたお母様もイケイケ感があったし、兄弟ではなく家系が根源だと脱力した。

 

「Oh、急にテンション下がらないで」
「おぞいぃ……」
「? Ok、遅かったならもっと激しくシてあげる」
「え、あ、違っああっ!」

 

 三弥さんとは違い、中断どころか張り切るシロウさんは亀頭を秘部に食い込ませた。ゆっくりと焦らすように押し入ってくるモノに身体を捩らせる。

 

「もうっ……シたいなら……追っかけの子たちと……シてくださいよ」
「No way(ありえないね)」

 耳元で囁かれた拒否は冷たかった。
 鏡に映る目も同じで寒気がするが、すぐ笑顔に変わる。

 

「羞恥でいっぱいの家性婦ちゃんの方がすっごいゾクゾクしてイいっ!」
「変態いぃぃンンっ!」

 

 鏡越しに叫ぶが、勢いよく挿入された。
 夢だと思っていた感覚は現実だと植えつけるように熱い肉棒がナカに埋まっていく。場所やゴムについて言いたいことはあるのに、三弥さんと中途半端に終わっていたせいか、すぐ快楽が上ってきた。

 

「ああぁっ……!」
「Wow、もうイっちゃっ……あ、サン兄からだ」
「ぇ……?」

 

 軽くイった私は涎を落としながら振り向く。
 彼の手には落とした自分の携帯があり、着信音と一緒に三弥さんの名が表示されていた。すると、平然と通話にしたシロウさんに手渡される。戸惑うも笑顔に何も言えず、震える口を開いた。

 

「もっ……もしもし?」
『あ、お前どんぐらいかかる? 俺はケイ兄と合流するけど』
「あ、あと……ひゃうっ!」
『? どうした』

 

 弄られていた胸の両先端を引っ張られ、携帯を床に落としてしまった。慌てて拾おうと屈むが、いっそう深く腰を打ちつけられ、何も考えられなくなる。

 

「ああぁ……無理ぃ……もぅ、ひゃんっ……もたないンンっ!」
『は? なに言って「Hallo、サン兄」

 

 割って入った声に電話越しでも三弥さんが息を呑む気配がした。そんな兄にシロウさんは笑いながら腰を打ち続ける。わざと聞こえるように激しく、矯声を吐かせた。

 

「あああぁぁっだめぇっ……イっちゃ……出ちゃうぅ!」
『っ!?』
「だって、サン兄。家性婦ちゃんのショーツを買っておいてね」
『っ、Where are |you(どこにいる)!? あ、ケイ兄! シロウが「Bye」

 

 慌てる三弥さんとの通話を長い指先で切ったシロウさんは、涙目で喘ぐ私の顎を持ち上げると口付ける。味わうように挿し込んだ舌先を口内で回し、リップ音を鳴らしながら離した。

 

「んっ……今回の家性婦ちゃんはオレじゃなくて性に溺れててイいね……これなら家も愉しそう」
「性……あっ!」

 

 ぐっと腰を掴まれると、最奥まで肉棒を押し込まれる。
 鏡には抱きしめられたまま結合部から蜜を零す姿が映っていた。腰を振りながら艶やかな囁きが耳をくすぐる。

 

「家でも外でもいっぱい犯してあげるから受け止めてね、家性婦ちゃん」
「……外はぁ……契約外ン、ですっ」

 

 不満を漏らすとシロウさんは目を丸くした。が、すぐ笑顔になる。

 

「Amazing!」
「あああぁぁんっ!」

 

 何が素晴らしいのか当然のごとく聞かず、何度もイかされては蜜を噴き出し、白濁を掛けられた。が、鬼の形相でカーテンを開いた慶二さんと三弥さんに見られたことの方が恥ずかしかった不思議。

 

 そして、好みの服をまとめ買いしてくれたシロウさんを怒るに怒れない悔しさでまた泣いた。

 


 

 

 


「なんだ……てっきりシロくんが行くの……知ってるかと思った」
「コイツの休みなんざ知るか! しかも朝から家にいたのかよ!?」
「Ya。みんなが行った後、イチ兄に聞いて向かった」
「まったく……大丈夫ですか、零花さん」

 

 夜。時任家のリビングソファには全員が揃っていた。
 当然はじめさんは全裸、三弥さんも下半身丸出し、シロウさんも家に入るなり上半身裸。唯一、全部着ている慶二さんにパジャマの私はしがみついていた。泣きながら。

 

「もう~、脱皮の過程を見てるみたいでヤだ~」
「Wow、面白い例えだね。犯したいよ」
「つーか、ケイ兄だって脱ぎ癖あるだろ」
「廊下やリビングに……脱ぎ捨てるの……シロくんとケイくんだよね」

 

 言われてみればYシャツが多かったし、大学の部屋も散らかっていたなと慶二さんにジと目を向ける。が、気にした様子もなく眼鏡を上げた。

 

「それより、零花さん。全関門クリア、おめでとうございます」
「はいンンっ!」

 

 一瞬なんのことかわからず呆けると口付けられる。 
 優しい唇が角度を変えては重なり、挿し込まれた舌に舌が絡まると気持ち良くなってきた。

 

「Oh、ズルい~」
「お前は黙……って、はじ兄!」

 

 シロウさんの頭を掴む三弥さんを通り過ぎたはじめさんが後ろから私を抱きしめる。

 

「だね……僕ら全員を受け止めたんだから……お祝いシなきゃ」
「なんか字が違うぅンンっ!」

 

 ツッコミは、はじめさんの唇に塞がれた。
 ちょっと荒くて挿し込まれた舌が奥を突く。その間にパジャマボタンを外され、下着をしていない乳房が露になった。ふるりと揺れる片胸を横から掴んだ三弥さんが溜め息まじりに揉む。

 

「確かに……お前、俺たちの脱ぎ癖や裸がイヤであって、犯されるのは嫌いじゃねぇよな」
「そ、そういうわけンンっ!」

 

 顔を赤めた瞬間、三弥さんに口付けられた。
 噛み付くような荒々しさがあり涎が零れると、パジャマズボンを下ろされる。すかさずシロウさんがショーツに手を潜らせるどころか、秘部に指を沈めた。

 

「ああっ!」
「Wow、もう濡れてる。家性婦ちゃんはセックス大好きだね」
「それはみなさンンっ……」

 

 指を抜き挿しするシロウさんに口付けられる。
 最初は深く、次第に短いリップ音を繰り返す。気付けばパジャマを脱がされ、ショーツだけになっていた。けれど、同じように肌を見せ、愉しそうに見下ろす兄弟に動悸は怒りよりも欲を鳴らす。

 

 セックス好きとは思っていない。思っていなかったのに、数日だけで仕込まれた身体は熱く疼いてしまう。
 息を零しながら震える両手で最後のショーツを下ろすと、両脚を持ち上げ、ドロドロに濡れ切った秘部を広げた。頬を赤めた笑顔で。

 


「どうか……家性婦(私)めに……合格祝いをください」


 羞恥を羞恥と思えないほど高揚している。
 見下ろす四人も同じなのか、いっそう笑みを深くすると身体に肯定のキスを落とした。


 

 

 

 


「っあ……思った通り、零花さんはパイズリフェラもお上手ですね」
「ケイ兄、俺のも舐めさせろって」
「シロくん……ちょっと抜いて……繋がってるの見たい」
「っあ……Ok」
「んふっ、んんんっ……ンンっ!」

 

 ソファに仰向けで寝転がる私は馬乗りになった慶二さんの肉棒を胸で挟み、頭の横に座る三弥さんの肉棒と交互にしゃぶる。手で扱くのははじめさんの肉棒、シロウさんには挿入されていた。
 四人分はキツい。でも必死になればなるほど快楽も四人の愛撫も増す。噴き出すモノも。

 

「んふうううぅぅっ!」

 

 口とお腹に白濁が吐かれると、秘部から蜜が噴き出す。
 息を切らしながら慶二さんの肉棒を離すが、すぐ頭を掴んだ三弥さんに巨根を咥え込まされ、蜜を舐めていたはじめさんに挿入された。

 

「んぐぅぅ!」
「ほらっ……お祝いの巨根は美味ぇだろ」
「あ……レイちゃんのナカ……広くなってる……また描き直さなきゃ」

 

 慶二さんに塞がれていてわからないが、腰を振りながら悦ぶはじめさんの声が聞こえた。横には白濁が付いた肉棒で胸を突いたり擦るシロウさんがいる。が、くすぐったさや気持ち良さよりも、喉奥を突く巨根に苦しくなった。

 

「ふゅうううぅンンンっぷはぁ……!」
「Wow! 家性婦ちゃん、精液ダラダラ~」
「三弥くん、イラマは私の特権です」
「っはあ、すりゃイいだろ……はじ兄、替わって」
「んっ……もうちょっ……!」
「ああぁンンン゛ン゛っ!」

 

 膣内で膨張していたモノが引っこ抜かれるのとは反対に、顔に跨った慶二さんに頭を掴まれると肉棒を咥え込まされる。さらに三弥さんの巨根が挿入され、共に激しい抽迭が繰り返された。

 

「んふっ、んぐっ、んんん゛ん゛っ!」
「Awesome(すごい)! 挿入(はい)ってる」
「ケイくんもミツくんも……嬉しそうだね」

 

 はじめさんとシロウさんは呑気に笑いながら乳房を舐めるが、さすがに苦しすぎて表情を窺う前に涙が出る。ついには嘔吐(えず)き、最奥まで押し込まれたモノが引っこ抜かれると白濁と唾液を吐出し、蜜を噴き出した。

 

「っは、げほっ、げほっ……ぅえっ」
「Oh、家性婦ちゃん、涙目」
「よしよし……」

 

 起き上がる力もない私の顔と身体は液にまみれ汚いのに、シロウさんは平然と舐め取り、はじめさんには頭を撫でられる。虚ろな目には息を切らす慶二さんと三弥さんが映るが口角が上がっていた。
 そしてすぐ二人も私に掛けた自身のモノを舐める。

 

 両脚を広げた股間も、乳房も、顔も、全身舐められてはまた肉棒を持たされ咥える。
 大きさも容も味も違う。でも夢中になってしまうのはセックスが好きなのではなく、彼らに犯されるからイいのだ。次第に新しい蜜と白濁が散り、彼らに染まりつつある。

 

 それを完全にするかのように覚えのある手招きに手を伸ばすと、慶二さんに抱きしめられた。頬を撫でられながら口付け、挿入される。

 

「ああぁ……慶二さ……!」
「ゴムなしははじめてですね……っあ、確かにイい……私の目に狂いはなかったわけです」

 

 嬉しそうに腰を振られ、ドロドロになったナカを、奥を突く。散らされたばかりの白濁と敏感なところを舐める舌も合わされば限界はすぐだった。

 

「あっ、あう……イく……イっちゃうぅ」
「何度イってもいいですよ」
「今日も……明日も……明後日も」
「俺たちが満足するまで」
「Ya。それが家性婦ちゃんの仕事だしね」

 

 四つの欲情の目に身体も心も昂り頬が緩むと、はにかんだ。


 

「はいいぃぃ……っ!」


 

 ビクビク唸るナカを締め付けながら応えると、たくさんの愛撫と白濁を受ける。

 

 佐々木 零花。
 無事(?)、時任四兄弟の家性婦になりました────。

bottom of page