家性婦
06話*「パートナー」
「っああ……あっ、ああぁン……」
「ほら、ハレンチ女。感想は?」
「ああぁ……っと……あのっ……ふあああぁぁっ!」
「遅い」
カチッという音に刺激が増し、嬌声と蜜が噴き出した。
その様子を三弥さんは楽しそうに携帯動画で撮っている。
はじめさんが退出し、三弥さんに捕まった私はベッドに座っていた。
手には大人の玩具という名のバイブがあり、大きく両脚を広げた自分の秘部に男のモノを模った物を挿しては抜いてを繰り返している。
なんでも女の子がバイブで自慰しているのを描きたいが良い構図が浮かばず、実演させられているのだ。が、はじめて使う玩具に私は悪戦苦闘し、短気な三弥さんに威力を上げられている。
「家性婦が自分で汚してるってのもおかしな話だよな。シーツ、ちゃんと洗えよ」
くすくす笑う声と、シーツが蜜池になりつつある現状に顔を赤める。と、ベッドの前で膝立ちになっていた三弥さんにバイブを奪われ、ぐっと奥まで挿し込まれた。
「ああぁあ!」
「他の機能も試せって。で、感想は?」
「あぁうああぁ……せ、先端が……くねくね動……て……っあ……イいとこ……突くうぅぅ」
「なーる……じゃあ、ナカはどうなってかな」
そう言って三弥さんは反対の手に持つ携帯を近付けた。バイブを突っ込み、ドロドロの蜜を零す秘部に。
「や、やめてください! そんなとこ撮っても使わないでしょ!?」
「残念。女向け(TL)にはないだろうが、男向けには必須なんだよ」
「そんああああぁああぁぁっ!」
口角が上がるとバイブの威力が最大になり、激しい律動に蜜が噴き出す。シーツに倒れ込み、大量の汗と息を零す私に三弥さんは抜いたバイブに付いた蜜を舐める。
「だらしねぇな。今までの家性婦なら悦んで受け入れたのに……それとも、俺のを挿入(いれ)てもらいてぇのか?」
「……っ!」
呆れながら曝け出している自身のモノを持ち上げる。
勃ってないはずなのに、充分すぎるほど長く太いモノから顔をそらした。
「い、いりません……そんなの挿入(いれ)たら死んじゃいます!」
「へぇー……」
咄嗟に目を瞑り、シーツを握る。
一瞬だけ空気が変わった気がすると、両脚を持ち上げられた。
「きゃっ!」
「なるほど……確かにお前、今までの家性婦と違うな」
私の股間に座った三弥さんは自身のモノを手に取ると、蜜を零し続ける秘部に亀頭を擦りつけた。
「やぁー……」
「ズボンに入れてるだけでキツいから家じゃ出してんだが、今までの家性婦は見るなり目を輝かせて『欲しい』『イれて』って善(よ)がるんだよ。なのにお前はいらない……ねぇ」
「ひゃうっ!」
亀頭が入っただけで腰が浮いた。
その腰を掴んだ三弥さんの顔が頭上にあり、眼鏡のレンズと細められた目に震えている自分が映る。口元に弧を描いた彼は舌舐めずりした。
「そんなの……逆に挿入(いれ)て啼かしたくなるじゃねぇか」
「……っ!」
腰を引き寄せられると巨大な肉棒が──挿入された。
「ああ゛あ゛っあああぁぁっ!」
バイブやはじめさんたちのとは比べモノにならない衝撃と痛みが駆け上る。蜜池を作るほどナカが濡れていても苦しい。否、引き千切られそうだ。
「あああぁ……ムリぃっ……はいっらなあああぁあンンっ!」
「キッツ……けど、余計……広げたくなる……だろっ!」
「んんんん゛ん゛っ!」
楽しそうな声と一緒に腰の半分以上を持ち上げられると、宙でM字に大きく開脚させられる。膝立ちになった三弥さんは真上から突き刺すように肉棒を押し込んだ。
「ひゃあぁあああああっ!」
「っは、すっげ……イいナカしてんじゃねぇか……!」
「ああぁっ……ひゃめ……死んじゃうううぅぅンンっ!」
「こんぐらいでっ……死ぬかよっ」
嬉しそうに繰り返される抽迭は子宮の奥をも突き、ベッドのスプリング音、腰を打つ音、噴き出す蜜の音、嬌声。多種多様な卑猥音を聞きながら咽び泣くが、挿入(はい)らないと思っていたモノが根本まで食い込んでいるのを捉えると不思議とはにかんでしまった。
「──っ!」
瞬間、勢いよく肉棒が抜かれ、亀頭から白濁が噴き出す。
「ふぁあああんっ!」
びゅるびゅると飛んでくる白濁はTシャツどころか顔に掛かるが、笑顔で受け止める自分が三弥さんの眼鏡に映っていた。同じ表情をした彼の額や頬からも汗が落ち、息を切らしている。
「お前っ……くそったれなほどドMな家性婦だな……けどまあ、仕事のパートナーとしてはちょうどいいや」
「どう……い……意味でんっ!」
問う前に唇が重なる。
それは一瞬で、眼鏡を外した三弥さんは汗を拭いながら舌舐めずりした。
「せいぜい役に立てよ……ハレンチ女」
「……はいぃ」
文句を言うべきなのに、カーテンの隙間から差し込む光を受ける彼に魅入ってしまい、つい頷いてしまった。が、バイブの続きどころか、さっきのセックスを撮りたいと言われた時は回し蹴りを食らわしていた。
* * *
「まったく……はじめ兄さんといい、ゴムを付けないとは」
「はいはい、すみませんね。ケイ兄と違って巨根なもんだから、ゴムが入らなくて」
「巨根ミツくんに……挿入されたレイちゃん……描きたかったなぁ」
「~っ! 食事中にそういう話はやめてくださいっ!! あと、せめてタオルを巻いて!!!」
「「「なんで?」」」
勢いよくテーブルを叩いて立ち上がるが、晩御飯の肉じゃがを食べていた三人は綺麗なハモりを返すだけ。というのも、はじめさんは当然ながら大学帰りの慶二さんも、稿を終えた三弥さんもお風呂上がりで全裸のまま食事している。
食卓を囲めるのは嬉しいが、フルチ○で食べてもらいたくはない。三弥さんに借りたTシャツとショーツの私の方がまだマシだ。
「そう言われましても家ですし」
「好きな格好して何が悪いって話だな」
「昼……着たから……もうヤだ」
「~っ、わかりました。 私が出て行くので、みなさんはゆっくり食べてください。ただし、お米を残すことは許しませんよ!」
「「「なぜ米……」」」
怒りよりも羞恥で顔が真っ赤な私は洗い場に食器を置くとリビングを出ようとする。が、慶二さんの手に腕を捕まれた。
「こらこら、雇い主を置いてどこに行くんです」
「僕たちが……食べ終わるの待たなきゃ……ダメだよ」
「お前、家『性』婦だろ?」
「そ、そんなぁ~」
涙目で振り向くが、三人は笑みを浮かべるだけ。
それはとても愉しそうで、私だけを捉える目には欲情が見えた。それだけで犯されている気分になっていると慶二さんの手に引っ張られ、隣に座るはじめさんが指した。テーブルの下を。
すると、兄たちの向かいに座っていた三弥さんが立ち上がる。かと思えば、慶二さん側に椅子を置いて座った。まだ残っている食器も自身の前に持ってくると、意地の悪い笑みを浮かべながら下を指す。
動悸が早鐘を打ちながら唾を呑み込んだ私は怯えながらテーブルの下に潜り込んだ。
「っひ!」
悲鳴は当然。
目の前には大きさも太さも異なる肉棒が三本、私に向かって勃っている。さすがに後ずるが、覚えのある手招きをされると、恐る恐る持ち主の肉棒に食いついた。
「っ!」
「お、珍しくケイ兄の顔が歪んだ」
「ふふっ、レイちゃんのフェラ……大好きだもんね……っあぁ」
くすくす笑うはじめさんの声に艶が増すのは慶二さんのをしゃぶりながら、はじめさんと三弥さんの肉棒を扱いているから。サイズは違ってもヌメっているのは同じで、滑らせるように扱いては指先で亀頭を摘まむ。
「っあぁ……レイちゃん……イい」
「もっと……強く、っはあ、あ……吸ってくださ……っ!」
「兄貴たちまでMか……っぐぅ!」
「んふっ、んんんんっ……っぷあ、はあはあ……んむっ」
希望通り慶二さんのを吸い上げて離すと、今度は三弥さんの肉棒に食いつく。巨根は亀頭と少しを咥え込むので精一杯。それでも必死に舐め回しては吸っていると、はじめさんと慶二さんのを扱く手にも力が入った。
「あぐっ……レイちゃん……しゃぶられる前に僕……イっちゃうよ」
「どうぞイってください……兄さんの分までっ、っはあ……私が……しゃぶってもらうので……て、こら、三弥くん」
「んぐぐぐっ!」
呻いていた兄たちを他所に立ち上がった三弥さんが、しゃぶる私の頭を押さえ込む。ナカ同様、口内も広げてやると言うように巨根を押し込まれた。
はしたない涎と汁が落ちるが、腰を振られる度に三弥さんと共に上擦る。
「イいじゃね……っがぁあ!」
「んんんんん゛ん゛ん゛ん゛──っぷはあ!」
ぐっと押さえ込まれると白濁が噴き出す。
それは引っこ抜かれても止まらず、また顔に掛かった。咳き込む私同様に三弥さんも汗を落とすが、私の両腕を引っ張るとテーブルから出す。終わりかと思うも、横を見れば違うと悟った。不満気に見上げる兄二人に三弥さんは苦笑する。
「恨めしそうな顔すんなよ。選んだのはハレンチ女だろ」
「射精したのは三弥くんです。イラマもシて」
「僕……また待ちぼうけ」
「はいはい、わかった──よっと!」
「きゃ!」
抱え上げられたと思ったら放り投げられる。
うつ伏せで落ちた先は、ちょうど不平を並べる兄たちの膝上。しかも頬にははじめさんの肉棒が当たり、慶二さんの肉棒を胸で挟んでいた。
「ミツくん……乱暴はダメだよ」
「しかも自分はまた美味しいところを」
「早いもん勝ちだろっ……と」
「はぁうっ!」
腰を掴まれると、亀頭が秘部に挿し込まれる。
それだけで軽くイってしまったが、はじめさんと慶二さんに頭を撫でられた。とても優しく笑っているが、昨日も見た笑顔に私の顔は引き攣る。けれど、咥え込まされては谷間を突かれ、ナカを支配された頃には三本の亀頭から飛んでくる白濁をシャワーのように喜々として浴びていた。
床拭きが増えるなど考える暇もない。
*
*
*
「んっあ、あっ……ひゃうっ!」
また暗闇の中で声を漏らす。
やっと気持ち良い布団に一人だと思ったのに、背後から乳房を弄(まさぐ)られるどころか既に何かが入っていた。しばらくして、聞き慣れた声が届く。
「Wow……さっすが、サン兄の巨根を入れただけあるね……広いや」
「あっああぁ……」
両胸の先端を指で挟んで引っ張りながら腰を振られる。
三人の愛撫が残っている身体は敏感に反応し、水音を響かせながら何かを奥へ招いては締めた。
「──っ!」
息を呑むのが聞こえると何かが抜かれ、背中を濡らす。さっきも浴びた気がして、息を乱しながら振り向いた。
「もうっ……誰ですかンンっ!」
口付けで遮られると、長い舌先が口内を蹂躙する。
やっと離れた時には涎が零れるが舐め取られ、ヌメった何かを脚に擦りつけられた。
「See you later(また後で会えるよ)……家性婦ちゃん」
そう笑いながらまたぬくもりが消える。
冷える身体と室内に、御祓いを頼もうかと思案しながら瞼を閉じた────。