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​モん!

      16話*「カモン」
*R18です(これ以降注意書きはしません)

 最初の(ファースト)キスを通り越して、何度も何度もキスを交わした。私がくしゃみをするまで。

 数秒の沈黙が漂うが、すぐ抱き抱えられると海雲さんは走り出した。

 

「わわわわ、危な……て言うか恥ずかしいです!」

「悪いが……もう我慢できないんだ」

 

 何が!?、と聞く前に信号で止まり、口付けられる。

 歩行者どころか運転手の人達まで仰天の目で見てますよ! こんな往来で唇って!!

 そんな羞恥に彼の肩に顔を埋めると、耳元で囁かれた。

「みきを抱きたい」

 

 官能的な声は、全身を何かがゾクリと駆け抜けるほど強烈だった。

 でも言葉にされるともっと恥ずかしくて、顔を埋めたまま私は叫ぶ。

 

「もう抱いてるじゃないですか!」

「その“抱く”じゃないんだがな……」

 

 くすくす笑う彼はとても楽しそうで、胸のドキドキは爆発寸前。りんちゃんのドッキューンで爆発ってこれですか!!?

 そんなことを考えている内に海雲さんが泊まるホテルへ到着し、早歩きでエレベーターへ乗り込む。が。

 

「んっ……ぅんっ」

 

 口付けは止まらない。

 私を抱き上げたままガラスに背を預けた彼は、何度も角度を変えては深く口付ける。

 

「まっ……誰か……乗ってきた……らんっ」

「大丈夫……んっ、この基はスイート客用……だ」

 

 うえええっ!? VIPすごい!!!

 そんな考えは口付け攻撃で消え去り、部屋に辿り着いた時には既にHPが0。息を荒げていた。あ、お部屋さんお久しぶりですと、お辞儀する以前に電気も点けず寝室へと直行。あれ?

 

「ああああのっ! 海に行きましたからお風呂……に!!」

「これから汗をかく……それにこれ以上は本気でマズい」

 

 海雲さんも同じように荒い息を吐いているが苦しそう。

 重い私を抱えて走ったからでしょうか。ごめんなさいと言う前にポフンとキングベッドに沈む。気持ちいい手触りに前回のことを思い出していると海雲さんが私の服を脱がしはじめた。

 

「ひゃあっ! なななな何を!?」

「脱がしていたら前回のように寝ない……だろ?」

 

 “だろ”と一緒に、薄暗~いものが背景に見えた気がします。なぜ!?

 ワタワタしている間に結んでいた髪を下ろされると『包帯取っても大丈夫か?』と遠慮がちに問われる。それがなんだか可愛く見えるが、大丈夫だと言うように頷くと、服と一緒に床に落ちていった。

 でも、気付けば纏っているのは下着だけで、慌てて俯せになる。

 

「恥ずかしい……!」

「……いきなり後ろからとか煽ぐことをするな……包帯で縛りたくなるぞ」

 

 何か物騒なこと言いませんでした!?

 冷や汗をかく私を余所に、頭上からは楽しそうに笑う声と一緒に服が落ちる音。そしてベッドも深く沈んだ。

 いまさらながら俯せだと相手がどんな風になってるかわからず、動悸が激しくなる。すると耳元で囁かれた。

「抱くって意味を……今から教えてやる……身体にな」

 甘美な声に身体が疼きはじめると、パクリと耳朶を食べられた。

 

「はうっんっ……!」

「みき……耳だけで感じるのは早いぞ」

 

 耳元で話さないで……それも名前呼びなんて反則すぎます。

 横目で見ると、月明かりだけでも上半身裸の海雲さんが見えて頬が赤くなった。間近で見たことあるけど状況が違いすぎます。首元、肩、背中へと舌を這わされ、以前感じた以上の刺激と声が漏れた。

 

「あぁんっ……ああっ……」

「いい声だ……」

 

 褒められるとプチンと、ブラのホックが外れた。

 後ろから海雲さんの大きな両手が、私の小さな二つの膨らみを優しく愛撫する。

 

「やぁん……胸……小さい……からああんっ!」

「大きさは関係ない……“みきの”ってだけが重要だ……ツンと尖って硬くなってるな」

 

 優しく愛撫していた手は徐々に荒さを増し、先端を摘み上げては捻って押し、揉みしだく。はじめての感覚に身体が跳ね、両膝を折ると前屈みになってしまった。そんな羞恥な姿を海雲さんは『エロイな……』と呟き、横から垂れた乳首を口に含む。

 

「ひゃう……んん」

 

 片方吸っては舐めてを繰り返す厭らしい音が響く。

 恥ずかしさと愛撫の刺激に気付けば仰向けになってしまい、海雲さんと顔を寄せ合った。

 

「やっと顔……見れたな」

「海雲さ……んんっ」

 

 月明かりだけでも微笑んでいるのがわかると口付けを交わす。そのままショーツの中に手を入れられた。

 

「あうっ……そこは……だめぇ」

「それこそダメだ……こんなに濡らしておきながら……」

 

 何がダメなのかわからずいると、ショーツを外され秘部を触られる。ビクリと身体が揺れるのは、手を入れられているせいもあるけど、なんで……なんでこんなに……。

 

「濡れてるぅ……」

「ああ……胸を触られ弄られて感じたんだろ……やらしいな」

 

 はじめてなせいか、感じただけで濡れたかなんてわからない。すると、長い指が一本“くちゅり”と音を立てながらナカに入ってきた。

 

「やあぁん……入って……」

「入って……どうなってる……みき?」

「……入って……んっ、ぐちゅ……ぐちゅ……なってる」

「良い子だ……もう一本……増やすぞ」

 

 言葉通り、指がもう一本入ってくる。

 二本交互に動かされるだけで蜜が溢れ出し、その度に変な気持ち……否、湧き上がるのは快楽。

 

「やあああんっ!」

「イけ……」

 

 プツンと頭が真っ白になると指が抜かれ、ベッドに沈む。

 荒い息を吐いていると、私の足を広げた海雲さんが秘部に顔を埋めた。

 

「な、何を……やんっ、汚いです……あんっ!」

「……んっ、この味だ」

 

 なんだか嬉しそうに聞こえるのは気のせい?

 そんな考えは蜜を舐められ、指を一本入れられては掻き混ぜられる刺激に持っていかれてしまう。でもゾクゾクするところはいかず、遊ばれているように思えた。

 

「あぅん……もう」

「ん、俺ももう……挿れたい」

 

 いれる? 今、指いれてません? ああ、まさか三本とか!?

 そんな予想は見当違いというように、海雲さんはズボンを脱ぎ捨て……何か……大きなモノが見えますよ?

 

「ええ……と……それって……」

「ん? ああ……いつの日かみきの膝で……イきそうになったヤツだな」

 

 苦笑混じりに説明する海雲さんは何か準備している。

 えっと、はい。以前膝に何か当たったのは覚えてますよ。それがその子って……え、つまり。

 急に正体がわかったせいか顔が真っ赤になるが、海雲さんはお構いなしに私の膝を持ち上げた。

「わ、ま、待って……!」

「ダメだ。本当は全部出したいが、一応避妊はしておく……」

 

 一応って!? 避妊って!!?

 無知だったのか、ただ混乱しているのかわからない中でもソレを凝視する。見たことない形で上を向いていて大きい。ゴクリと喉を鳴らすと、膝を持ち上げられたまま上体を屈めた彼の口付けが落ちた。

「“俺のものになれ”って言っただろ……?」

「っ!」

 

 海雲さんは微笑んでいるが、どこか心配しているようにも映る。

 私がイヤって言ったら……ううん、私も海雲さんの全部が欲しい。好きの言葉もキスも心も身体も全部。そんな心を、胸の鼓動を言葉で言う。

「はいっ……私は海雲さんのものです……いつでもカモンでウェルカムですよ……」

「…………ここでそれを出すな」

 微笑む私に海雲さんは苦笑すると先端部分を宛がう。それが徐々に奥へと入って来ると、痛みに悲鳴を上げてしまった。

「ああ……っん、痛いっ……!」

「くっ、だいぶん濡らしたのに……やっぱり狭いか……みき……息吸え」

「は、ん……あああんっっ!」

 指とは比べものにならないモノを息を吸って吐いては膣内へと招く。

 あんな大きいものが自分の中にと考えると急に恥ずかしくなって“ぎゅっ”と締め付けると、海雲さんの顔が苦しくなった。

「だ、大丈……夫ですか?」

「んああ……最高に……気持ち……」

 

 それを聞いて嬉しくなる。

 痛くて痛くて意識が飛びそうで涙も出てくるけど、でも、私も今までで一番気持ち良い。荒い息を吐いていると海雲さんが小さく呟いた。

「ん……全部……入った」

「海雲……さん……気持ちいい……よぉ」

「っ!」

「ひゃんっ!」

 急に膣内に入ってるモノが大きくなったように感じて私はまた締め付ける。連動するように彼の顔も苦しくなるが、口元には笑みがあった。

 

「そんな顔で煽いで……締め付けるな……っ!」

 

 するなと言われても、私は気持ち良すぎて解けない。

 そのまま彼の首に手を回し、口付けを何度も交わした。舌を絡め、白い糸を引かせ、音を鳴らしながら愛を注ぐ。口付けながら腰を突き動かされ、振動でまた奥を突かれては快楽の嵐が巻き起こり、絶頂が押し寄せてきた。

 

 

「もう……イくっ!」

「あぁぁぁーーーーんっ!!!」

 

 何かが弾けると、虚ろな瞳と頭のまま海雲さんの腕の中に倒れる。

 荒い息を吐きながらベッドを見ると、赤い血と汗と蜜が溢れていた。それは海雲さんと繋がった証拠で、とても嬉しくなる。そんな私の髪に額に頬に瞼に小さく口付けた彼は囁いた。

 

 

「みき……愛してる」

「……私も……です」

 

 互いに微笑むと、心地良い温かさの中で私は意識を手放した────。

                    本編 / 次​

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