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番外編​19*白昼ハロウィン

※微エロ&複数有

 今日は十月三十一日。ハロウィン。
 なのですが、残念ながら異世界にはないようです。でも、キラさんにお話しすると大きな真っ黒トンガリ帽子にワンピースとマントを貰いました。
 ふんきゃ、ありがとうございます!

 


「ルアさーん! トリックオアトリート!! お菓子くれなきゃイタズラしちゃいますよ!!!」

 

 食堂から戻ってきたルアさんに笑顔で両手を広げる。が、怪訝な顔をされた。その目が怖い方に見えるのは真っ黒衣装のせいだと気付き、慌てて両手を横に振る。

 

「ごごごごめんなさい! そういうつもりじゃああ「はい……どうぞ」

 

 淡々とした遮りに、冷や汗をかくわたしは目を瞬かせる。
 いつも通りに見えるルアさんはお皿を差し出し、咄嗟に受け取った。それはアップルパイ……の、上に、なぜかクリームシチューが乗っている。

 

「お……菓子?」
「? どうか……した?」
「貴様、モモを困らせるな」

 

 ふんきゃと首を傾げていると、グレイお義兄ちゃんがやってきた。
 我に返ったわたしはルアさんにしたように両手を広げる。

 

「お義兄ちゃん、トリックオアトリート! お菓子くれなきゃイタズラしちゃいますよ!!」
「持ってないな」

 

 ルアさんとは違い、キッパリと言ったお義兄ちゃん。
 出会った年にわたしが教えたのもあって当然ハロウィンを知っています。つまりお菓子を持ってない=イタズラしてOKということ。ふふふと、ちょっと意地悪な笑みを浮かべていると、ルアさんが割って入ってきた。

 

「えーと……つまり、お菓子あげないとイタズラされるってことだよね? ならこいつ、ウソついてるよ」
「ふんきゃ?」

 

 イタズラを考えていたわたしは目を瞬かせる。
 すると、顔を顰めたルアさんは勢いよくお義兄ちゃんのローブを捲った。小学生のスカート捲りではないが、大きな風と一緒に捲られたローブの先にはパンツ。ではなく、お菓子がはみ出ているポーチが見えた。
 ローブが落ちるとポーチも見えなくなり、静寂が庭園を包む。

 

「お義兄ちゃん……」
「なんだ」
「お菓子……」
「なんだ」

 

 眼鏡を上げるお義兄ちゃんに問うも、明らかに視線は別を向いている。困っていると、ルアさんがアップルパイ+シチューを食べながら言った。

 

「『風』で匂いバレバレなんだよ……どうせ、あげた時とイタズラする時のモモカの反応を見たかったんだろ」
「当然、二度美味しいイベントだからな!」
「言い切るんじゃねぇよ、シスコン」

 

 辛辣なルアさんも合わさって余計困ってしまうが、いつの間にかアップルシチューを完食していることに気付く。

 

「ふんきゃ! ルアさん、食べちゃったんですか!?」
「へ……だってモモカ、微妙な顔してたから……欲しかったの?」

 

 首を傾げられ、また困る。
 ハロウィン的には貰っていた方が良かったかもしれませんが、欲しいかと問われれば躊躇ってしまう。すると、中腰になったルアさんと目が合った。

 

「じゃあ……あげる」
「ふん……!」

 

 気付いた時には柔らかな唇が唇に重なっていた。
 でもすぐに離れ、舌先でペロリと唇を舐められる。反射的に手で口元を隠すと、ルアさんは笑みを浮かべた。

 

「味……した?」
「ふん……きゃ!」

 

 違う味なら、と、言おうとするも、お義兄ちゃんに頭を引っ張られる。目の前には、お義兄ちゃんの不機嫌顔。冷や汗を流していると、ポーチから取り出したチョコレートの包みを剥がした。

 

「モモ……約束のお菓子をやろう」
「ふんきゃ~」

 

 棒読みにも聞こえるが、口元に美味しそうなチョコレートが運ばれてくると自然とかぶりついた。すると、その上にお義兄ちゃんの唇が重なる。

 

「ふっん!?」

 

 ルアさん以上に驚くも、差し込まれた舌がチョコレートを溶かし、口内に甘さを広げる。

 

「んんっ……お義兄ちゃ……美味し……です」
「それは良かった……なら、もっと甘くしてやろう」

 

 不機嫌が和らいだお義兄ちゃんは、わたしの顎を持ち上げると口付けを深くする。と、反対側からうなじをペロリと舐められた。

 

「んっきゃ!」
「モモカー……トリックオアトリート」
「え、あ、んんっ!」

 

 突然の刺激に振り向こうとしたが、お義兄ちゃんにまた口付けられる。視線だけ移すと、ルアさんが耳元で囁いた。

 

「モモカはお菓子……くれないの?」

 

 ゆっくりとした囁きに下腹部が疼くが、お義兄ちゃんに唇を塞がれているため返事が出来ない。くすりと笑ったルアさんは耳を舐めた。

 

「じゃ……イタズラね」
「ひゃう……!」
「ならば私もイタズラさせてもらおうか、モモ」
「ああぁ……!」

 

 反対の耳からお義兄ちゃんの声も響くと、いっそうゾクゾクしてきた。
 息を乱すわたしを他所に、二人は頬を首筋を肩を舐める。チロチロとくすぐったい舌触りに腰をくねらせるが、逞しい二人に挟まれていて身動きが取れない。さらにワンピースの紐が落とされ、キャミソールが露になった。

 

「ああっ……二人と……ダメです……」
「そう? お菓子の代わりになりそうなのがあるけど」
「え……?」
「ああ、美味しそうだ」

 

 わたしはお菓子を持ってる。
 でも、あるのはワンピースのポケットの中。対して二人が見ているのは、ちょっこりと膨らみがある胸──を、キャミソール越しにしゃぶられた。

 

「ふあああぁぁん!」
「ん、甘い……て、おい変態」

 

 湿ったキャミソールを食むルアさんの視線が鋭くなるのは、お義兄ちゃんがキャミソールを捲っているから。露になるのは、いつもより尖って見える胸の先端。
 それをチロリと舐めたお義兄ちゃんは、パクリとしゃぶった。

 

「ああぁ! お、お義兄ちゃ……ダメえぇ!!」
「モモこそダメじゃないか……こんな美味しい物を隠して……もっとも、モモはすべてが甘いが」
「ああ……それは言えてる……ココとかも」
「ああぁルアさ……っ!」

 

 優しく厭らしく脚を撫でていたルアさんの手がワンピースの中に潜り、ショーツ越しに秘部を擦る。ぐっちょりと湿っているのがわかり、羞恥で顔が真っ赤になるが、擦るルアさんも、ペロペロと胸を舐めるお義兄ちゃんもやめてくれない。そればかりか指も舌先も速くなり、お腹の奥にあったゾクゾクが駆け上ってきた。

 

「あ、ああ……ふあぁぁぁあ!」

 

 感じたことのない気持ち良さに頭の中で何かが弾け、真っ白になる。
 それでもどこか愉しそうに残念そうに笑う二人が見えた気がした──。

 

 


 気付けば夕方で、起きたわたしの目の前にはお菓子がたくさん詰まれていた。
 何があったか思い出そうとしても始終お菓子やジュースが運ばれ世話を焼かれ『白昼夢だろ』と言われる始末────ふんきゃ?

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