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小さな黄色い花
白い花
ピンクのデイジー2

小説*秘密ハロウィン

 放課後。昇降口で靴に履き替えていると、バタバタ駆けてくる音と声が聞こえた。

 

「白鳥嬢白鳥嬢!」
「はひはひ、ハロウィン!」
「トリックオアトリート!」

 

 振り向くと、荒澤さん、牛島くん、安心院くんが両手を広げていた。
 三人は黒いトンガリ帽子にマント、小さなカボチャが付いたステッキを持っている。小首を傾げていた私は、三人の言葉をリピートして気付いた。

 

「あ、今日ハロウィンなんですね! ご、ごめんなさい、私お菓子持ってなくて……あ、カフェテリアで何か「「「イタズラ決定~~~~!!!」」」

 

 買ってきます。は、遮られ、キラキラと怪しさを含んだ笑顔の三人に連行された。

 ええええぇぇぇーーーーっっ!!?

 


* * *

 


「執事執事!」
「はひはひ、ハロウィン!」
「トリックオアトリート!」
「はいはい、並んでくださいね」

 

 生徒もまばらになった頃。迎えに来ていた真咲にも三人は両手を広げる。
 私と違って列を促した執事は懐からお菓子を取り出し、ひとつひとつ手渡していった。ちゃんと準備していることに感心していると、渡し終えた真咲の視線が私に移る。

 

「お嬢様もですか?」
「え!? えーと……」

 

 咄嗟に木の後ろに隠れると、黒マントを胸元まで引き寄せる。
 お菓子を持っていなかった私はイタズラ(?)によって衣装チェンジされてしまった。三人と同じ黒のトンガリ帽子にマント。そしてカボチャが付いたステッキ……なのだが、マントの下はなぜか制服の三人とは違って肩だしのレオタードドレス。親指を立てた三人の意図がわからない!

 

「お嬢様?」
「きゃっ!?」

 

 思い返している間に三人は消え、目の前にいた真咲に後退りする。けれど、咄嗟のことで足がもつれてしまい、よろけてしまった。また小さな悲鳴と一緒に目を瞑るが痛みはない。むしろ良く知る両腕に抱き留められていた。

 

「あ、ありがとう……」
「どういたしまして。ところで寒くないんですか?」

 

 くすりと笑う真咲の視線が、はだけたマントから露になったレオタードに移る。それだけで全身が熱くなり、ぎゅっと彼を抱きしめた。

 

「ま、真咲にくっついてれば……あったかいもの」

 

 苦し紛れだったが、実際暖かくてほっとする。
 頬ずりしていると頭上からくすりと笑うのが聞こえ、背中に両腕が回ると同じように抱きしめられた。とてもぽかぽかして頬が緩む。

 

「あったかーい……」
「よございました。でも、こちらは……」
「ひゃっ!」

 

 背中にあった両手がマントの中に入ってきたかと思えば、お尻をゆっくりゆっくり撫でられる。

 

「あっ、あ……」
「やはり冷たい……すぐ暖めて差し上げますね」

 

 最初はショーツ越しに、次第にショーツの中に潜って直に撫で回される。手袋のおかげかせいか、暖かいというより熱くなってくると、後ろから秘芽を擦られた。

 

「やっ、あ……真咲、そこはいい……の」
「確かに暖かい蜜が零れて……ああ、これが“お菓子”ですね?」
「え……きゃっ!」

 

 突然しゃがみ込んだ真咲は私の両脚に腕を回すとドレスを捲くし上げる。次いでショーツを口で下ろしはじめたため、慌てて制止をかけた。

 

「ま、待って! 何」
「お嬢様、トリックオアトリート」
「え?」
「でも、“お菓子”をお持ちのようなので、早速いただきますね」

 

 顔を上げた真咲は意地悪く笑っている。
 ショーツが下ろされ、秘部が冷気に晒されていることに気付かないほど全身が熱くなっていると、顔を近付けた真咲の舌が蜜を舐めた。

 

「ひゃあっ!」
「んっ、熱くて甘くて……ああ、こんなにたくさんいただけるんですか?」

 

 さらに秘部に顔を埋めた真咲は激しく舌を動かす。
 あまりの刺激に背を木に預け、彼の頭に両手を置くが、いっそう舐めやすくするだけで気持ち良さから蜜がとめどなく溢れた。

 

「っあ、はっ……まさ……きんんん!」

 

 じゅっと音を立てながら吸われると同時に頭が真っ白になる。
 力の抜けた身体はまた暖かい腕に抱き留められ、地面に座る彼の膝に乗せられた。向かい合ったまま息を乱しながら見上げると、額に頬に唇に口付けられる。唾液とは違う蜜が口内に広がった。

 

「っん……美味しかったですよ、お嬢様」
「ん……真咲ばっかりずるい……私もトリックオア……トリート」

 

 不貞腐れていうと、真咲は苦笑しながら私の手を取る。

 

「申し訳ありません。お嬢様の分は用意してなくて……でも、お嬢様のと同じ“お菓子”ならすぐ差し上げますよ?」

 

 そう言って自身の股間にあるモノの上に私の手を乗せる。
 自分と同じぐらい熱いモノに笑みが零れると、自然とズボンチャックを下ろした手が彼のモノを取り出し、亀頭を撫でた。一瞬だけ呻いた真咲の両肩に手を置いた私は中腰になると、秘部の下に白濁を滲ませる肉棒を持ってくる。

 

「んっ、じゃあ真咲……ちょうだい?」
「ええ……どうぞ好きなだけ食べてください、お嬢様」

 

 微笑む執事に口付けると、躊躇うことなく腰を落とす。

 

「っあ、ああぁんっ!」
「あぁ……早くも締め付けてますね。でも、お嬢様が好きなのはこっちだと思いますよ」
「あぁあっ!」

 

 腰を掴まれると、私が好む場所を責め立てられる。
 ぱちゅんぱちゅんっと音を鳴らしながら蜜と白濁が秘部から溢れ、大きく揺れていた胸も掬い出されると、揉み込まれてはピンッと尖った乳首に吸い付かれた。

 

「ふあああぁぁっ!」

 

 自分が貰うはずなのに、また貰われていく気分になる。
 でも、さっき以上の快楽に何も考えられなくなってしまって、甘い口付けと共に絶頂を迎えた──。

 

 

 


「昨日の夕方、正門近くで女子生徒の悲鳴が聞こえたらしいんだけど真意がわかんないんだって」
「はひー。しかも、カボチャのオモチャだけ落ちてて、幽霊がハロウィンに紛れてたんじゃないかとか」
「どうせ噂じゃねーの」

 

 

 淡々と話す三人を横目に、借りていた衣装とカボチャがないステッキをそっと袋に閉まった────。

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