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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*4月5日*イズ誕生日

*イヴァレリズ視点

 今日は四月五日。ヒナと俺の誕生日。
 ヒナと違って覚えている俺、えっら~い。と、言いつつ、0時を過ぎて『お互いおめでとう』祝いもしなければ、アーポアクにもいない俺には、ハリセンと斬撃が飛んでくるだろう。

 

 しかし、残念。俺は今、アーポアクがある世界にすらいない。
 つまり飛んでこない、怒られない、やっほ~いなここは──。


 

「え~、やきとり~美味しい豚バラは~いかがなりか~」

「豚バラ! まきたん食べよう!! 海雲さんとお秘書さんにもお土産で!!!」
「いや……魔王はいらないだろうから、ボクがヤツの分まで食べる」

 

 他にも魔王がいんのと思わせる双子姉妹に豚バラを売る売り子。

 

「海雲様、これを一時間以内にお願いします。絶対しろ」
「粗茶ですなり~」
「ままままま待てっ寺置……と、誰だ!?」

 

 ウチの魔王より魔王な男にイジめられている残念な社長さんに、お茶出しするOL。

 

「帝王様、ご指名ありがとうございま……そっちの、誰?」
「なりー社長だ」
「ヨロなり☆」

 

 IT社長と一緒に、ツンデレなホステス嬢のとこに遊びにきた社長。

 

「ま、真咲……こんなとこでその」
「ええ、もちろんですお嬢様。そこの怪しい男がいなくなるまではお預けですよ」
「や~ん、バレたなり~」

 

 イチャラブ突入前の令嬢と執事の激写を狙うカメラマン。

 

「あ、Mrなりん。待ってたよー!」
「待たせたなりな、ベイベ☆」
「え……笙子さん、それ誰?」

 

 唖然とする男を通りすぎて相方をこなす、コスプレイヤー。

 

「うわあああぁぁん! この軟体動物みたいなの何~っ!?」
「なりなりなりいいいぃ!!!」

 

 ドMに柔道技を教える指導者。
 

 などなど、才能と手腕を生かし、ヒナの故郷である地球=日本を満喫していた。

 時間差が激しいため半日で戻るが、楽しいことがいっぱいある地球には何度も足を運びたくなる。もっとも、ヒナのようなムッチリナイスバディでドストライクの女はいないし、好き放題できないため、異世界が良いところもある。
 

 戻ったら西のフルオライトでペチャパイと遊び、東のトルリットで銀竜とチンチロリンしながら総騎士団長をからかう予定だ。

 おっと、いけねぇ。その前にアズに美味いチョコレートを届けるのが先だったぜと、最高級チョコや他面子への土産を選ぶ。地球品を持ち込みすぎるのは世界に悪影響を及ぼすため、基本は食べ物。

 

「アズにはチョっコ~、ラガーベルッカにはお餅~、スティには成長を祈って牛乳~、エジェアウィンとヒューゲバロンには饅頭~、魔王には……やきとりでいっか」

 

 ぽぽいと唐草模様の風呂敷に土産を詰め込む。
 そこに、ひらひらと花弁が落ちてきた。顔を上げた先には見事な桜が咲き、ピンク色の世界が広がっている。

 

「春だねー……」

 

 立ち尽くす俺など構わず、人々が通りすぎていく。
 これがアズやスティだったら写真を撮られ、SNSとやらに晒されているだろうが俺は違う。ただ髪と瞳が同じ色というだけで溶け込んでいた。異世界で味わっている気持ちと真逆の今、嬉しいと思う時もあれば嫌になる時もある。
 何より内側にある何かが囁く。俺は“この世界の人間ではない”と。

 

「……んじゃま、還るなりかね」

 

 考えを打ち消すように背伸びをすると歩きだす。前に一旦止まると、しばし考え込む。それから振り向くと、もうひとつ寄り道をした。


 

 

 

 


「たっだいまな~り!」
「ぎいやああああぁぁ!!!」
「や~ん!」


 昼過ぎ。アーポアク城の屋上に帰還してすぐ真下にあったおっぱいに飛びつく。が、悲鳴と一緒にハリセンを食らった。反射とはいえ、ハリセンはマジで痛い。容赦ない。さすがヒナ。ちょっと泣いちまうぜ。
 そんな俺に若干の申し訳なさがあるのか、隣に座ったヒナがバツの悪そうな顔をしているため、先に渡した。

 

「ほい、土産という名の誕生日プレゼント」
「プレゼント? ……て、桜の苗木じゃないか」
「相変わらず詳しいね~」

 

 ほんの少しの蕾と枝しかない鉢を言い当てられ、拍手を送る。
 手に取ったヒナは、ちょっと匂いを嗅ぐと笑みを浮かべた。俺の匂いしかないと思うんだけどというツッコミを飲み込んでいると顔を合わせられる。

 

「ありがとう、イズ。あとでルベライトに植えに行こう」
「一番育つとこだからな~」

 

 もち、アズの家に、と、二人で親指を立てる。
 文句言いながらも育ててくれる幼馴染に笑いが零れていると、ヒナは何かを思い出すように言った。

 

「あ、そうだ。私も貴様に誕生日プレゼントをやらねばな」
「や~ん、チョコ? チョコなり?」
「それしか言わんだろ。持ってくるから待っ……!」

 

 立ち上ろうとしたヒナの腕を引っ張る。
 反動で落ちる苗木は手でキャッチし、倒れてきたヒナを抱き留めた。顔を上げたヒナは眉を寄せるが、構わず苗木を置くと、両手で胸を揉む。

 

「やっわらか~い」
「やっぱりか! このっおっぱい星人め!! ひゃっ!!!」
「男も女も、こんだけ大きいおっぱいは見逃さねぇし、揉んでみたいって思うだろ」

 

 くすくす笑いながら服越しに大きく胸を揉み込むと、ぎゅっと握る。

 

「ああぁ……!」

 

 ビクリと身体が跳ねたヒナは頬を赤める。
 だが、腰をくねらせているのを見るに、既に他の男に犯され敏感になっているのがわかった。さすがと口笛を吹くと、首筋を舐めながら上着を捲くし上げる。

 

「ちょ、やめんか!」
「誕生日におっぱいくれてもいいじゃねぇの」
「意味わからんっ!!!」

 

 怒り叫びながら身体を揺するが、ブラのホックを外すと同時に開放された胸が大きく揺れた。それを両手で捕まえると揉み込む。服越しとは違う柔らかさ、弾力、ツンと尖った乳首の感触に身体は疼き、指先できゅっと乳首を摘み上げた。

 

「ああぁんっ!」
「ん~、今日も良い大きさ、ツン具合。あとは味かね」
「味って……ひゃっ!」

 吐息を漏らすヒナを仰向けで寝転がすと跨る。
 指先でツンと尖っている乳首を捏ねては引っ張ると、反対の乳首にしゃぶり付いた。

 

「あ、あぁぁ……」
「ん~、ちょっと味が足りない……んじゃ、足そう」

 

 ちゅくちゅくと甘噛みしながら指を鳴らすと、動いた影が風呂敷からスティのお土産である牛乳を持ってくる。当然ヒナは驚くが、構わず蓋を開くと、胸に白い牛乳をかけた。

 

「あぁぁ……バっカああぁぁ」

 

 顔を真っ赤にさせたまま身体をよじるが、両手で胸を掴むと中央に寄せる。
 谷間には牛乳の湖ができ、ペロペロ舐めては飲み、乳首と一緒に吸い上げた。

 

「ああああぁんっ!」
「ん、美味しい……ヒナにもお裾分け」
「ふんんんっ!」

 

 牛乳を含んだ唇で口付けると、ヒナへと流し込む。
 こきゅこきゅと飲む姿は最高に厭らしく高ぶる。痺れを切らすように、膨れ上がった肉棒を取り出すと、大きな双丘を横から突いた。揺れる度に湖から牛乳が零れ、肉棒にかかる。
 次第にヒナの目も潤んでいるのがわかると、牛乳まみれの肉棒を谷間に差し込み、上下に揺すった。

 

「あっ、あんっ、ああぁっ」
「ヒナ……しゃぶってもいいん……っ!」

 

 言い切る前に肉棒に食いつくヒナ。
 じゅっ、じゅるっと吸い上げる音がさらに身体を悦ばせ、土産のやきとりから具を退けた串ニ本に、チョコを刺した物を影で運ばせる。それを、牛乳まみれの胸に付けた。

 

「んんっ、何して……」
「チョコフォンデュもどき」

 

 意地悪く笑いながら、チョコを滑らせる。
 次第に溶けると、牛乳に絡ませ食べた。うまうまと口を動かしているとジと目に気付き、もうひとつをヒナにあげた。

 

「まったく……変な遊びばかり……もぐ……浮かんで」
「地球以上にヒナが楽しいのに決まってんだろ」

 

 小声でも聞こえていたようだが『ん?』といった顔に笑うと、串の尖ってない方で乳首の先端をグリグリと押し込んだ。

 

「あああぁ! ホント変なことばっかんんんっ!!」
「はいはい、気持ち良いこともシてやるよ」

 

 両乳首を串で弄りながら、影に命じてヒナのズボン、口でショーツを下ろす。
 当然のように濡れている秘部に息をかけるだけで身体が跳ね、何度か舐めると蜜が溢れ出た。くすくす笑う俺を羞恥の目で睨むヒナが見えるが、両脚を持ち上げると肉棒を宛がった。当然、焦らすなんてことはせず、一気に挿入する。

 

「ひゃあああぁぁン!!!」
「んんっ、良い濡れ具合……けど、もうちょい深くか……っ!」
「ぁああああ!」

 

 腰をさらに持ち上げると、奥まで肉棒を挿し込む。
 打ちつけるほど結合部からは蜜が噴出し、揺れる胸に顔を埋めると舌先で舐めては噛んだ。


「あ、ぁあぁ゛ああっ……イズ……だめぇ……イっくうぅんっ!!!」


 強くなる締め付けと声、何より絶頂顔に笑みを浮かべると口付ける。
 すべてを噴出した世界は真っ白。だが、色褪せず笑うヒナが浮かんだ。世界が違えど、国にいなくとも、思い浮かぶのは愛する女。俺を俺だと認めてくれる姫君。
 だからこそ、苗木が育つ何年何十年、生まれ変わっても愛すに決まっている──。

 


「屋敷に植えるのは構わないが、この苗木、やけに白くないか?」
「ああ、それね。ヒナのおっぱ「やっかましいいいいいぃぃぃ!!!」


 拝啓、生まれ変わった俺へ。
 ルベライトのセレンティヤ家にある、ちょっと白くて凹んだ桜へ向かうなり。きっと運命の女に会えるなりよ。もち、ボインな女……────。

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