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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*キスシリーズ「腰」

*ヒューゲバロン視点

「ん~ん~んん~……こりゃ、無理だ」

 

 しばらく唸っていたが、溜め息と共に腰を上げる。
 目の前にあるのは書類。それは机だけでなく、床を覆い隠すほど山積みになっていた。月末近くになると各街から運ばれ確認、判を押す。それが宰相である自分の仕事。だが……飽きた。

 

「さ~ドラバイト行って~魔物で発散~いなくても~アウィンを~縛り上げて~ああ~マッチョ全員~門に~逆さ吊りして~並ばせようかな~~」

 

 慣れた足取りで書類の山=宰相室から出ると、エレベーターに乗り込む。
 下降している間にローブを抜ぎ、髪をひとつ結びにすると、階に着く音と共に剣を握った。ドアが開く。

 

「おいっちにーさんしーにいにっーさんしーっ!」

 

 出てすぐ、元気な声が響いた。
 当然聞き覚えがあるが、その姿はなく、ホールを周る。と、ちょうど真後ろにある螺旋階段付近で案の定ヒナタちゃんが準備体操していた。
 後ろを向いている上、体操に夢中なのか僕に気付く気配はない。しばらく様子を窺っていると、体操を終え、両腕を上げた。

 

「よーしっ、行くぞー!」

 

 どこに。と、聞かなくても、その場でクラウチングの姿勢を取ったため、一気に『四宝の扉』まで駆けるつもりらしい。出たらすぐ下り階段なのにね。

 

「相変わらずバカというか……自由だね~」

 

 くすくす笑いながら懐を漁ると、出てきたのは縄。なぜ持っているか聞くのは野暮というものだ。それに輪っかを作ると大きく振り回し、ヒナタちゃんがスタートダッシュすると同時に投げた。

 

「へぶしっ!!!」

 

 見事片足に縄が掛かり、盛大に顔面転けした。
 動かない彼女を縄で引き寄せると、肩を震わせながら勢いよく振り向かれる。

 

「何するんだ! 危ないだろっ!!」
「いや~だって~あそこまで~上手く~いくなんて~綺麗に~転けたね~~……あっははは!」
「やっかましい!」

 

 大笑いする僕を、ヒナタちゃんはハリセンで叩きまくる。
 だが、構わず中腰になると訊ねた。

 

「ところで~どこ~行くの~~?」
「ん? 子供達のとこに遊び行こうとしてたんだ」
「そっか~じゃあ~……暇なんだね?」

 

 緩やかな語尾を解き、くすりと微笑む。と、真っ青な顔したヒナタちゃんは猛スピードで逃げて行った。当然、縄に掛かったままなので、引っ張ればすぐ転がって戻ってくる。

 

「嫌だあああぁぁーー! 私は暇じゃないんだあああぁぁーー!! 子供達とウハウハキャッキャッするんだぁぁーー!!!」
「うんうん、子供達のためにも捕獲しといた方がいいね~」

 

 泣きながら動き回るヒナタちゃんの両手と足を後ろで縛ると、キッと睨まれた。

 

「こんなとこでも縛るとは……この縄好きめ!」
「失礼だな~確かに~縛るのは~好きだけど~……好きな子を縛るのが一番愉しいに決まってるじゃないか」

 

 細めた目を向けると口角を上げる。
 そして、上着を捲り露になった腰に──『束縛』のキスを落とした。

 ピクリと反応した彼女は動きを止める。
 その一瞬を突くように上着と一緒に下着も捲ると、大きく揺れる胸の上。そして、ズボンどころかショーツも脱がした股間に縄を通すと、ぎゅっと引っ張った。

「ああぁン!」

 

 擦る乳首と秘部に、ヒナタちゃんは嬌声を上げる。
 必死に逃れようと身体を揺するも余計擦る結果となり、手伝うように手を、縄を動かした。

 

「ああぁ……やめ……ろんんっ!」
「ええ~気持ち良いの~間違い~でしょ~トロトロって~おもらし~してさ~~」
「言うなあ、はあ、ああぁっ!」

 

 意地悪く言いながら引っ張った縄が秘部に食い込むと、感じている、気持ち良いと、ドMのような証をポタポタ零す。
 くすくす笑いながら股縄、乳房縛りにし、T字になっている股縄を引っ張っりながら、赤くビンビンに尖っている乳首に吸い付いた。

 

「ああぁぁぁ! 同時に責めるなンンンっ!!」
「ええ~同時が~……好きだろ?」

 

 視線を上げたまま勃起している乳首をしゃぶる。
 涙目で見下ろす彼女は何か言いたそうだが、腰を抱くと、股縄を動かした。

 

「あああぁぁダメええェ……それ出るううぅっ!」
「出していいんだよ……恥ずかしい声も潮も、ホールいっぱいに響かせて……誰か聞いてても見てても、ドMなヒナタちゃんは悦ぶんだから」
「ドS~~~~っっ!!!」

 

 恨めしい目を向けられるが、胸も股も激しく動かせば嬌声に変わる。

 

「はあんん、んああぁぁあああ゛あ゛ーーーーっっ!!!」

 

 高らかな声がホール中に響き渡り、噴き出した潮が床を濡らす。
 力を失くしたようにヒナタちゃんは俯けで倒れるが、股間の縄をズラした僕は未だ蜜を噴き出している秘部に栓をするように肉棒の先端を宛がった。

 

「ああっ、バロ……待って」
「待つ~? 僕が~? ……誰に向かって言ってるの?」

 

 口角を上げる僕に、ヒナタちゃんはガックシと肩を落とした。
 だが頬を膨らませると、自ら腰を振り、先端を食い込ませてくる。応じるように、ぐっと勢いよく挿入した。

 

「はあああ゛あ゛ぁぁっっ!!!」

 

 余裕で受け入れ、締めてくる膣内。
 こっちが持っていかれるほどの刺激に汗と呻きを零すと舌なめずりした。ホント、調教のしがいがあるなあぁ──。

 

 

「結界~張ってたのに~決まってるじゃ~ない~ラーくんも~書庫に~いないの~知ってたし~~……良かったね?」
「うるさあああぁぁいっっ!!!」


 悲鳴と同じぐらいのハリセン音が響く。
 今度はホールの上で吊り上げてみようかな────。

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