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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*もしも世界~会社編~

もしも姉御達が会社員だったら?

そんな、パラレルワールド

 暑い夏が終わり、実りある秋に移り変わった九月。
 パンツスーツの私はとある一室の前に立つと、閉じられた両扉の上に書かれた表札を確認した。ここは今日から私が働く──アーポアク社の社長室。

 

 元は系列のトルリット社で働いていたのだが、本社(ここ)に異動を命じられたのだ。
 可愛いユフィ社長は泣いてくれたが、本社命令では仕方あるまい。ルーファス部長が安堵していたのが気になるが、深呼吸するとノック。返事なし。再ノック。返事なし。再々ノック! 返事なし!! コンニャロー!!!

「失礼します!!!」

 短気すぎて勢いよく扉を開いた。が、誰もいない。マジか?
 

 約束の時間十分前のはずなのに先方がいないとはどういうことだ。疑問半分、呆れ半分で室内に入ると、テーブル、ソファ、カーペット、絵画など置かれている物はすべて真っ黒。でも高級品。
 なんの儀式会場だと後退りすると、背後から胸を鷲掴みにされた。

 

「っ!!!」
「や~ん、想像以上にデカくて柔いなり~」

 

 呑気な声に振り向くと、黒のスーツを着た男。漆黒の髪と瞳の端正顔アップに頬が熱くなるが、大きな両手が胸を揉みしだく。

 

「な、何をする……離せ……この、変態っ」
「や~ん、俺様誰様社長様に命令出来んのは俺だけな~り」
「き、貴様が社長だと!?」
「おう、その名も高田西本工藤有沢香月一太郎だ」
「なんだって!?」
「社長~その辺にしときなよ~~」

 

 長すぎる名にツッコミを入れると、後ろからミントグリーンの髪にスーツと眼鏡を掛けた笑顔男が現れた。ここはホストクラブか?
 だが社長の手は止まないどころかシャツのボタンを外し、必死に押し込めた胸とブラを露にさせた。暴れる私を余所に社長は楽しそうにブラの端と端を握って上下に揺するが、隣の眼鏡は止める気ゼロで話す。

 

「えっと~銀竜社長の~とこから~きた~ヒナタちゃん~だね~ようこそ~アーポアク社へ~僕は~秘書の~ヒューゲバロン~そっちが~社長の~イヴァレリズ~~」
「秘書なら……あん、こいつ……なんとか……ああっ」
「社長だから~無理だよ~ええとね~ヒナタちゃんの~配属先は~四聖宝課だね~」

 

 四聖宝課ってなんだ! というか止めろ!! セクハラを通り越して犯罪だぞ!!!
 そんな叫びを上げたいのに両胸の先端を引っ張られ、喘ぎしか出ない。すると秘書男はソファに置いていたらしい服を持ってくる。

 

「胸フェチな~せいも~あるけど~着替えて~もらいたい~だけだよ~~」
「口で言えああっ!」

 

 上着もブラウスも脱がされると、ブラから零れた乳房に、腋下から顔を潜らせた社長が先端に吸い付く。卑猥な水音に下腹部が疼きはじめると、社長は秘書に目を向けた。

 

「んっ……バロンは下……しろ……ん」
「はいは~い……了解」
「ちょっ、何をっ……!?」

 

 のんびりとした声を消した秘書が『ごめんね』と言いながら私のズボンを脱がしていく。笑顔で。
 羞恥と怒りで声を上げようとしたが社長の唇に吸い込まれ目を瞠った。それは一瞬で離れたが、すぐ耳元で囁かれる。

 

「俺からの口付けはレアだぜ。特別なお前にだからこそやってやる」
「特……っひゃああ!」

 

 甘美な声に酔いしれていると、下腹部から突然の刺激。
 見下ろせば秘書が膝を折り、両手を片足に絡ませながら太腿に舌を這わせていた。何をしているという疑問よりも先に舌が上り、ショーツ越しに秘部を舐められる。

 

「ああっ!」
「ん、やっぱり良い声……もっと諦かせたくなる……蜜も」
「な……何を……ああっダメだ……っ!!」

 

 わからないことを話しながらショーツを脱がされると、直に秘部を舐められ身体が跳ねた。同時に零れる愛液も吸い取られ視界が揺れる。必死に身体を動かすが上半身は社長に、下半身は秘書に捕らわれ攻められ、快楽だけが駆け上ってきた。
 息を上げる私に漆黒と金色の双眸、そして笑みが向けられると同時に口が開く。

 


「「──イけ」」
「ひゃああああーーーーんんっ!!!」

 


 許可ではない命令に、私は達した──。


 

* * *

 


 腰の痛みに耐えながら、胸元が開いた白のシャツと黒のタイトスカートに着替えた私は社長と共にエレベーターを降りる。
 いや、明らかに警察に届け出る域なのだが『やれるもんならなり~』と満面の笑みを浮かべる社長に黙ってしまった。ともかく大事な初日を乗り切らねばならん。たとえ当に昼食時間になり、未だ配属先に着いていなくとも。

 

「それで、四聖宝課とは何をする課だ?」
「ん~、簡単に言えば『なんでも課』なり。んで、お前の仕事はヤツらのお守り」
「保育士を雇え」
「や~ん、その園児からのご要……お、早速きたか」
「は……うわああっ!!!」

 

 ニヤリ社長に眉を顰めると、前からミサイルのような速さで突撃、抱きしめられた。
 ガッチリとコアラのようにしがみ付くのは藍色のスーツに左下で結った青髪の小柄な男。長い前髪の間から藍色の瞳を覗かせると満面の笑み。

 

「ヒナさん、ヒナさん!」
「おお、スティではないか!」

 

 見覚えのある綺麗な顔と年下に私も抱き返す。
 頬ずりしているスティはトルリット社で何回か会ったことがあるのだ。最初は就活の学生かと思ったのだが、まさかの本社の社員。だが、懐いてくれた可愛い可愛い子だ。ちょっとアハンなこともしたことあるが……と、頬を赤くしていると、早速両手を私の首に回し端正な顔を近付けた。

 

「ヒナさん……やっときてくれた」
「うむうむ、今日から同じ社員だ。あ、でも部署が……」
「同じですよ……ヒュー様を脅したから」
「脅……んっ!」

 

 物騒な台詞に聞き返す前に口付けられる。
 小さい、けれど舌で上と下唇を舐めると口内に侵入して舌を絡ませた。刺激に抑えていた快楽の錠が開けられるのがわかり慌てて離れようとするが、後ろに回った手で頭を固定される。

 

「んっ、ステ……ィっ」
「ヒナさ……っぐぇ!!!」

 

 快楽に膝から崩れそうになる手前でスティが離れる。いや、剥がされた。
 息を整えると、片手だけでスティを持ち上げ下ろす男。白のシャツの両腕を捲り、ネクタイもヨレヨレ。茶髪に紫の双眸を向ける彼は不機嫌そうに眉を上げているが、見慣れた顔に私は手を挙げた。

 

「よう、アウィン……」
「おう。じゃねーよ! 何やってんだ!! 黒社長も止めろよ!!!」

 

 社長はニヤニヤ、スティは鋭い目で先輩であるアウィンを睨む。
 スティと同じで私も面識があるのだが、変わらない声量に不思議と安心する。しかし、それよりも疼く下半身の方がマズイ気がして控えめに訊ねた。

 

「すまんが……手洗いはどこだ?」
「んとね『魔王の居城』ドア開けてツっちゃんで下り「黒社長、コレやっから先に課に行っててくれ」

 

 説明を遮ったアウィンはスティと共にポケットから何かを取り出すと社長に手渡した。チ○ルチョコの山と『ナオ』ケーキバイキングの券を。数秒沈黙。

 

「ごゆっくりなり~」
「「はーい」」
「賄賂っ!!?」

 

 揃って手を振る姿にツッコミを入れるが、左右の手を年下二人に握られる。
 花畑となった私の頭からは早々に疑問が消え、数メートル先の手洗い場に案内された。が、なぜかスティもついてくる。

 

「こらこら、スティくん何してるのかな? ここは女子トイレですよ。アウィンくんのようにお待ちなさい」
「エジェ先輩は……ピュア男(お)2ですから……ボクはウサギ……一人になると死んじゃいます」
「うおおーーいっ! 誰がピュア男で誰が一人じゃ死ぬだ!! 部長みたいな嘘吐くんじゃねーよ!!!」
「ちょちょちょアウィンまで!!!」

 怒声を上げながら入ってきたアウィンに慌てるが、スティの手に捕まれると下腹部に持っていかれた。ピクリと身体が跳ね、小さな笑みを浮かべたスティは私を抱きしめる。そのままスカートの中に手を入れ、指でショーツを撫でた。

 

「っあ……」
「すっごい濡れてる……ヒナさん……我慢出来なかったんですか?」
「それとも、先に誰かヤられたか?」
「そ、それんっ!」

 

 気付けばアウィンも後ろへと回り、私の顔を横に向けると口付ける。
 片方の手は開いた胸の間に入れ、片方を掬い上げては揉んで指で先端を挟む。喘ぎを漏らしたくとも唇と舌に吸い込まれ身じろぐことしか出来ない。

 

「んっあ……アウィン」
「また……ん……エロい格好してんな」
「? これが制……っああ!」

 

 引っ掛かりに問いかけようとしたが、スカートを捲くし上げたスティの手がショーツを半分下ろすと、さらに濡れた秘部を撫でた。先ほど社長と秘書にイかされたばかりなせいか、擦るだけで簡単に愛液が零れる。

 

「ああっ……スティ……やめ」
「ヒナさん……我慢無理なら……止めるの手伝いましょうか……?」
「と、止めっ……ととと」

 

 また引っ掛かりながらアウィンと口付けるが、腕を引っ張られると洋式便器に座らされる。アウィンは呆れているがスティは満面の笑み。嫌な予感しかしない。

 

「ス、スティくん……?」
「気持ち良く……止めてあげますね」
「え、ちょっ……ひゃっ!」

 

 開脚させられると零れる愛液が丸見えになる。
 アウィンと共に頬が赤くなるが、スティは変わらない様子でベルトを外すと勃起した肉棒を取り出した。それだけで愛液を零す私にスティは笑いながら指で秘部を混ぜる。

 

「ああっ……あ」
「舐めたいけど……今は……早く挿入《はいり》たい」
「お前どんだけだよ……ま、わからなくはねーがな」

 

 スティは私の両脚を持ち、アウィンは私の横にくると同じようにズボンから肉棒を取りだす。同時に先端を秘部とロに宛がった。

 

「あんっ、しゅてい……あふい……ん」

 

 スティの肉棒を手で握り、アウィンの肉棒を舐めながら呼ぶと、二人の顔は真っ赤になった。

 

「っ、その顔反則だろ……ただでさえ……やっと……っあ!」
「ヒナさん……手はダーメ……もう、ボクが無理……っ!!」
「それは……わたああああーーーーああんーっっ!!!」

 

 秘部と口内の肉棒を咥えては戻し咥えての繰り返し。
 だが私よりも二人の絶頂が早く、止めるどころか白液を噴き出された。また、着替えか──。


 

* * *

 


「言いたいことはあるか?」
「「ありませんんんんーーーーっ!!!」」

 

 紅色のスーツを着た赤髪の拳がスティとアウィンの頬を貫き宙を飛ぶ。
 落ちた先はソファだったが、堅い素材な上に顔面からで痛そうだ。すると、ソファ近くの席に座る白緑のスーツを着た銀髪の男が微笑みながら二人に紙を渡す。

 

「楽しんだ分、仕事はしてくださいね」
「……おっさんの残りなんだっっ!!!」

 

 銀髪が黒ウサギでスティの頭を思いっ切り叩く。
 アウィンは慌てて紙を受け取るとスティと黒ウサギを回収して『四聖宝課』を後にした。私は抗議するように詰めかける。

 

「罰なら叩く以外にしろ! パワハラだぞ!! 」
「彼のことが嫌いなのでいいんですよ」
「うおおいーーーーいっ!!!」
「罰というならキミにも受けてもらうぞ。入社早々大遅刻を犯したんだからな」

 

 赤髪の冷たい声に口篭る。現在の時刻──午後四時半。
 青い空は消えはじめ、オレンジ色を輝かせる夕陽が現れていた。その光に輝く二人の髪色に笑みを浮かべると、赤髪に両頬を引っ張られる。おっと、現実逃避をしてしまった。美形は怒っててもカッコイイな。しかしこの顔どこかで……あ。

 

「ルーファス部長の親戚か?」
「キミも飛びたいのか?」

 

 いや、ホントにソックリなんだ。あの可愛い部長に。さらに頬を引っ張られる。

 

「態度といい思考といい格好といい、いくつ俺の堪忍袋の緒を切らす気だ!?」
「にゃんにょことにゃ!」
「おや、可愛らしいお声ですね。アズフィロラ課長、猫耳持って……ませんよね。ピュア男大統領ですから」
「持ってませんし、変なあだ名を付けないでください! ラガーベルッカ部長!!」
「うむ、頑張れ課長! ピュア男など関係ない!! 部長の座を奪ってやれ!!!」
「キミも何を言っている!?」

 

 ガッカリする部長とは反対に顔を真っ赤にさせて怒る課長の頭を撫でる。いや~、どこかの私が彼を応援している気がしてな、うむ。
 すると突然課長は私の顎を持ち上げ、綺麗な顔を近付けると指で唇をなぞった。

 

「罰が……必要なようだな」
「え、ちょ……んんっ!!

 

 鼻と鼻がくっつくと唇も重なる。
 優しく緩やかな舌に歯列を閉じることなく招き入れた自分に驚きながらも、舌を最奥まで伸ばされると下腹部から快楽が駆け上る。

 

「んっ、気持ち良いのか……ヒナタ」
「ああっ……ん」

 

 快楽が速すぎるとわかっていても、口付けに抗うことは出来ず優しさに包まれる……はずだったのに、後ろから大きな手がお尻を撫でた。

 

「ひゃっ!」
「二人だけなんてズルいですね。私もお待ちしてたんですから……相手していただかないと困ります」
「ま、待って……た?」
「それにしてもこの手触り、もしかして……」
「っ!?」

 

 聞き返したかったが、スカートを捲る手を止めようと慌てて両手を後ろにする。が、間に合わなかった。課長は顔を真っ赤にさせ、部長はニコニコ笑顔でお尻を撫でる。

 

「やはり、ノーパンでしたか」
「~~~~っっ!!!」

 

 羞恥で課長のように顔が真っ赤になる。
 社長と秘書、スティとアウィンの連続で一枚しかないショーツは御臨終してしまった。問題だろと思ったがもう帰宅時間だし大丈夫か。と、呑気に思った私が間違いでした。すみません。

 

 反省するかのように両手で顔を覆うが、スカートを腰の上まで上げられたことに振り向く。膝を折った部長が腰を持ち、股に顔を埋めていた。声を上げようとしたが、舌が愛液ごと秘部を舐める。

 

「ああんっ!」
「感度が良すぎますね……ん……まさか今までずっと誰かと?」

 

 細められたら翡翠の双眸に顔を赤くすると肯定と取られたのか、舌の動きが速くなった。秘書の時とは違う後ろからの刺激に喘ぎを響かせると、課長に両手をソファに付けられ、座った彼の赤の目と合う。

 

「なるほど……道理でティージ逹どころか、イヴァレリズも機嫌が良いと思った。そういうことなら……加減も何もいらないな」
「なに……んっ」

 

 静かに淡々と話していた男の唇がまた重なった。
 けれど先ほどより荒い。そのまま両手がシャツのボタンを外すと同時に部長がブラホックを外し、解放された乳房が大きく揺れた。唇から離れた課長が片方の胸の先端に吸い付くと片方は後ろから部長に揉まれる。

 

「ああっ……あっ」
「イヴァレリズで……ん……慣れたんじゃないのか?」
「幼馴染も大変ですね……んっ、とても柔らかい……後ろも前も」
「っあああ……あぁン!」

 

 前後から攻められる刺激はいっそう快楽を募らせ、課長の耳元に口を寄せると願った。

 

「イ……きたいいンんっ!」
「っ……本当に普段とシている時は違うなキミは……ラガーベルッカ部長」
「残念ですが交代なんてしませんよ……ヒナタさん」
「ああっ!」

 

 立ち上がり、背後から抱きしめる部長が耳元で囁くと愛液が零れだす。耳朶を舐めながら濡れた膣内に指を入れる部長はさらに囁いた。

 

「これだけ感じていればナカには滑るように入れるでしょうね。私のはウサギのとは比べ物にならないほど大きいので、気持ち良くイかせてあげますよ」
「まったく……ウチは困った連中しかいないな」

 

 溜め息を吐く課長だったが、部長同様ベルトを外すとズボンから肉棒を取り出す。スティともアウィンとも違う二つの肉棒に狼狽していると課長に肩を押され、彼の肉棒を胸で挟む形となった。

 

「後で入れてやるから……こっちで我慢してくれ」
「課ちょ「フィーラだ」

 

 思考が揺れる中で聞こえてきた優しい声に頬を熱くさせると、両手で持った胸で上下に擦る。呻きが頭上から聞こえたが、飛び出ている先端に吸い付くと彼を見上げた。

 

「フィー……ラんんんっ!!!」

 

 瞬間、口の中で大きく硬くなる肉棒を咥える後ろで部長が膣内に挿入をはじめた。スティとは違う大きさに悲鳴を上げたいが、頭をフィーラに押さえられ喉奥まで肉棒を咥える。部長は汗を流しながらも笑みを浮かべたまま言った。

 

「私の方もベルと呼んでくださいね……っ……ヒナタさん」
「むっ……んんっ……ふぇ……るんんっ」
「ヒナタ……あまり他を呼ぶな……嫉妬する……っ!」
「同感……ですねっ!」
「──ンンン゛ン゛ン゛っっ!!!!」

 

 奥まで沈んだ肉棒達が一斉に熱い白液を噴き出すと世界が真っ白になる。
 ぐったりと倒れる私に二人は頬に額に背中に身体に口付けを落とした。その姿は他の四人と同じ。口付けも好きなものを愛でるような優しい口付け。

 

 この課はなんなんだ──。

 


~~~~*~~~~*~~~~*~~~~

 


 ヒナタが沈んだ頃。アーポアク社系列のひとつ、トルリット社では社長のユーフェルティアとヒナタの元上司ルーファスが対面ソファに座ってお茶を飲んでいた。ユーフェルティアはカップを置くと、ライオンのヌイグルミを抱きしめる。

 

「まさかヒナタさんが『四聖宝課』の四人だけでなく、黒竜社長と秘書にまで気に入られるなんて思いませんでした。せっかく良いお友達になれましたのに」
「あの上から女を気に入るとは物好き揃いですね。本社の人間でなければストーカー行為で捕まえていたところです」

 

 苛立つルーファスの頭に浮かぶのは、数週間前からヒナタを付けていた男達。
 最初はカレスティージだけだったのだが日に増すごとにエジェアウィン、ラガーベルッカ、ヒューゲバロン、イヴァレリズと、電車ごっこのようなストーカー組が出来ていた。しかも、電車には加わってないが木の影にアズフィロラがいたのも確認済。

 

 いつの間に連中に気に入られたのかは定かではないが、ついに『ヒナタちょうだい』の命令が下されたのだ。ユーフェルティアであろうと本社に文句など言えない。黒竜社長もそうだが、一人だけで大企業の社長ほどの手腕を持つ『四聖宝課』が相手となると尚のこと無理だった。

 

「……ヒナタさんに週末お茶しましょうとメールしておきましょう」
「逃げられるといいですけどね」

 

 溜め息をつくルーファスに、ユーフェルティアは頬を膨らませながらヒナタにメールを送った。大事な元社員に──。

 


~~~~*~~~~*~~~~*~~~~

 


 メール音に、携帯へと手を伸ばすとユフィ社長からのお誘いメールに歓喜する。が。

「おや、ヒナタさん余裕ですね」
「……暴れちゃダーメ」
「ヒナタちゃん、手はこっち」
「明日はメイド服着てなり~」
「結局は裸にすんじゃねーのか?」
「言えてるな……っ!」
「ひゃあああーーーーっっ!!!」

 

 楽しそうな声と同時にフィーラの肉棒が挿入され声を上げる。
 手にあった携帯は肉棒に変わり、反対の手には別の肉棒、胸元にも頬にも口にも。ベッドの外でも上でも何度交わったかわからないが、快楽の悦びだけが包んでいく。
 そんな私の仕事は昼夜を問わないようで、日を跨いでも抱き明かされる事実に心の中で叫びを上げた。

 


 こんな会社辞めてやるーーーーーーっっ!!!

 


「「「「「「無理」だ」ですね」ですよ」だぜ」だね」なり」
「コンニャローーーーっっああああんん!!!!」

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