top of page
破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*ご奉仕

*アズフィロラ&イヴァレリズと

「ヒナ~、これ着てなり~」

 0時を過ぎた深夜、ルベライトにあるフィーラの屋敷に呑気な声が響く。
 ベッドに寝転がる私と跨るフィーラが振り向けば、蝋燭の灯りの影から袋を掲げるイズが現れた。その
口角が上がる。

「や~ん、もしかしてラブちっっ!?」

 ニヤニヤ顔をした瞬間、鋭い切っ先がイズを狙うが間一髪で避けた。が、すぐさま裸足フィーラの片足が顔面に大ヒット。床に倒れ込む良い音が響いた。
 さすが、付き合いが長いと綺麗に決まるな、うむ。

 

 感心しながら上体を起こした私は既に全裸だったためタオルを巻く。黒のズボンに上半身裸のフィーラもベッドから下りると、仰向けに転がるイズの腹を容赦なく踏んだ。赤の双眸を細めた彼は手に持つ剣を向ける。

「斬られたくなければ去れ。俺は休暇中なんだ」
「残念~、もう0時過ぎたから休暇終わ「なら、死ね」

 

 ドスの利いた声と同時にイズの悲鳴が響くが、影に潜っては逃げて追い駆けるの繰り返し。
 そう、フィーラは今日『騎士団長』お休みの日。さあ、ここで思い出してみようか。彼が休みの日、私と何を約束したか……なんだが、今日は色々面倒があったらしく、さっき帰ってきたのだ。

 その顔は今と同じ大変不機嫌で、いつもは優しい口付けも荒く『騎士への命令』を取ることなく脱がされた。とこに現れたイズ。切っ先を避けながら持っていた袋を私に投げる。

「ヒナ~、お疲れアズにそれ着てご奉仕してやれ」
「奉仕?」

 

 片眉を上げると袋を開く。
 出てきたのは黒のノースリーブのワンピースタイプのスカートで、ふんわりとしたマイクロミニ。Uネック字で開いた胸元には白のレースが付けられ、他にも白のミニエプロンと黒のネクタイとニーハイとレース付きカチューシャ……これって。

 

「メイド服?」
「ピンポンピンポ「何を持ってきてるんだ!!!」

 

 不機嫌顔でも頬を赤くしたフィーラの切っ先がイズを狙う。
 避けた男は私に抱き付くと胸元に顔を埋め、両手で揉みだした。痛くもなければ慣れたのもあり、平然とする私にイズも気にせず話を続ける。

「南のユナカイト行った土産なり」
「メイド服が?」
「ユナカイトは結婚すると妻がメイド服を着て夫に尽くすんだよ」
「なんだと!?」
「ヒナタ、ウソだ」

 

 脳内でメイド服妻がキラキラ笑顔で旦那様を迎える素敵図を浮かべていたのに、白のシャツを着るフィーラに遮られた。というかウソ……だと?
 両手に拳を作り、胸を“もみもみ”する男の頭をグリグリ回す。悲鳴に構わず隣に座ったフィーラはメイド服を広げた。

「えらく丈が短いな」
「や~ん、アズが興味津っだ!」

 

 グリグリ攻撃の上にフィーラの拳骨が落ちる。
 屋敷にいるメイドさんも含め、城勤めのリディカ達も袖と丈が長い服を着ていたせいかミニスカははじめて。私はコスプレ好きな友人がいたため見慣れているがな。コスプレは最高だ、うむ。

 

「てなわけで、ヒナも着てみようぜ」
「な、なぜ私が!? こういうのはサティとか眼鏡女子とかユフィが似合うだろ!」
「最後の御方は外してくれ」

 

 三人の可愛いメイド姿に鼻血を出しそうになったが、イズに『着て~』とせがまれる。
 た、確かに可愛いと思うが自分が着るとなると恥ずかしい。しかし、イズがニヤニヤするのは百歩譲っていいとして、フィーラが珍しく止めないのが気になった。

「いや……考えれば、あまり短いのを履いたヒナタを見たことがないと思ってな」
「そ、それは動きやすさ重視だからで……」
「そんでも、スパッツとか履くのは邪道だろ。せめて絶対領域なり」

 

 頷き合う二人の頭にハリセンを落としたいが、視線に耐え兼ね渋々了承した。ベルとスティではないが、利害が一致してる時だけ仲が良いな……うー……。


 

 

 

 


 十分後、私が出てくると二人は目を見開く。
 ノースリーブワンピに腰にはミニエプロン。スカートとニーハイには数センチの絶対領域が生まれ、黒のネクタイは胸の谷間に埋まっている。そして、髪を下ろした頭にはカチューシャ。

 

「どうだ!!!」

 

 仁王立ちで背景にキラキラを背負った私を二人は白い目で見る。恥を忍んで着たのになぜだ!?

 

「俺、あんなエネルギッシュなメイドさん、やーん」
「珍しく意見があったな、俺もだ。不合格」
「なんの審査だ!!!」

 

 揃って両腕にバツを作られ、ハリセンを出す。が、避けられ、ベッドを叩いてしまった。その隙にイズの片腕が懐に潜り、仰向けで彼の膝に寝転がされる。真上には意地の悪い笑みを向ける黒髪の御主人様A。

「その御主人様に手を上げる悪いメイドがいるなりね~」
「ご、御主人様方が失礼だったので冥土に送ってやろうと……あっ!」

 

 大きな両手で服越しに胸を揉まれると、ツンと尖った乳首を摘まれた。
 刺激に身体が跳ね、スカートが捲れる。シャツの隙間から均等な胸板を見せる赤髪の御主人様Bが露わになった太腿を撫でるが、その頬は若干赤い。

「ヒナタ……ノーパンか」
「そ、それはさっき貴様が剥ぎ取ったかあぁっ!」
「ノーブラノーパンの厭らしいメイドさんなら俺は歓迎するぜ」

 

 視線を逸らすと、先ほど不機嫌フィーラに脱がされた下着がベッドの隅に落ちている。大きく胸の形を変えるように揉みしだく御主人様Aの刺激に両足が動くが、御主人様Bの片手に捕らわれた。
 空いた手で太腿を撫でると、長い指先で秘部を擦られる。

 

「ひゃっ!」
「そうだな……ベッドの上でどう変わるかも見てやらないとな」
「フィ、フィーラ……今日変じゃないかんんっ!」

 

 今は騎士ではないフィーラはイズのように意地の悪い笑みを浮かべると、長い指を一本、膣内に挿し込んだ。一本だけでも水音が鳴るのが恥ずかしい私を二人は楽しそうに見ている。

 御主人様AはUネックになった白のレースを広げ、掬い出した乳房を揺らして遊ぶ。
 ぷるぷる揺れる自分の胸を見ていると、片方の胸を持ち上げた御主人様Aが肩越しに吸い付いた。小さな息を零すと、同じように御主人様Bも指を挿し込んだまま片方の胸に吸い付く。

「はあんっ、あ……あっ」
「んっ……ツンツン具合と大きさは良し、なり」
「感度も……ん、良さそうだな」

 

 吸っては舌で転がす御主人様Aと、先端を噛んでは引っ張る御主人様B。違う刺激を与えられ喘ぎも愛液も零すと、膣内の指が増やされる。

 

「ふああぁぁっ……フィーラぁ……」
「ん、呼んだか?」

 胸の先端から口を離した御主人様Bは顔を近付けると口付ける。荒々しさなどない、いつもの優しく甘い舌が私を包むが、膣内の指を御主人様Bが抜くと御主人様Aの指が激しく回される。

「ひゃああぁあっ!」
「おい、イヴァレリズ……」
「だって俺ら今“御主人様”なのに、呼ばれてしたらいつもと変わんねぇじゃん。だからお仕置き」

 ニヤニヤしながら片手で胸を掴んでは舐め、膣内の指を激しく回す男に御主人様Bは考え込む。おい、頼むから同意するなと言いたいが、指を抜いた御主人様Aに上体を起こされる。

 そのままベッドに寝転がった彼の上に四つん這いになって跨るよう言われた。いつもなら反論するだろうが、先ほどの会話を聞くに言うことを聞いていた方が言い気がして素直に応じる。当然胸フェチ御主人様Aなので、垂れた胸の谷間に顔を埋めた。

「あんっ……あ」
「ん、柔いなり」
「ヒナタ、手はこっちだ」

 

 両手で胸を揉む御主人様Aに荒い息を吐いていると、御主人様Bのズボンの上に手を乗せられる。そこは膨れ上がっているようにも感じ、頬が熱くなってきた。

「ほら、取り出して咥えてくれ」
「わ、私がやるのか……ああっ」
「キミは今“メイド”だからな。真下の男は圧死させて構わない」
「や~んぐっ!?」

 

 いつもとは反対の“命令”に逆らうことは出来ず、支えていた両手を離すと谷間に御主人様Aの顔が埋まる。『ふんがふんが』と何やら動いているが、気にせず震える両手を伸ばし、御主人様Bのズボンチャックを開いた。出てきた肉棒は大きく、先端を私に向けていることに唾を呑み込む。戸惑う私の頬を優しい手が撫でた。

「ヒナタ?」
「は、はい………んんっ」

 つい返事をしてしまい、御主人様Bは苦笑いする。
 だが、すぐ肉棒を咥えると小さな呻きを零した。先端からはヌルヌルと白液が垂れ、舌で舐め取っては吸う。それを繰り返していると口内に零れる白液の量が増え、御主人様Bの息も荒くなっていることから、もう少しかと舌を早くする。と、胸元で『ふんがふんが』言っていた男の手がお尻に回り、膣内に勢いよく指を挿し込まれた。

 

「ああっ!」
「ふはーっ! マジで圧死するかっだ!!」

 

 突然の刺激に咥えていた肉棒から口を離し、上体を浮き上がらせると御主人様Aが顔を出す。が、容赦ない御主人様Bが頭を叩いた。その顔はとても不機嫌。

 

「もう少しで……イけるとこを……!」
「や~ん、それは残念だったなりっだだだ! 悪かったって!! 先に挿入していいから!!!」
「おい、こら……」

 

 どういう交換条件だしとんだと息を荒くするが、何気にイズは苛立ったフィーラに弱いのかもしれないと考える。が、本当にフィーラが後ろに回った。交渉成立!?
 慌てて上体を起こそうとするが、逆にイズが上体を起こし、私の手を握る。すると、フィーラと同じように膨らんだズボンの上に乗せた。

「はい、次は俺。あ、パイズリしながらしゃぶってな」
「ちょっ、待っああぁんっ!」

 

 反論中に下腹部から駆け上がる刺激。
 それは脚に垂れた蜜を舐めるご主人様Bの舌だ。優しく舐め取りながら徐々に秘部へ近付く。隠したいのに、御主人様Aに両手を取られて出来ない。

「ヒ~ナ~」
「わわわわ、はいっ!」

 

 呼び方が一瞬不機嫌スティに似ていて肩が跳ねる。
 慌てて彼のズボンチャックを開き、雄雄しい肉棒を取り出すが、その間に舌が秘部に到達してしまった。愛液を舐める音に身じろぐが、御主人様Aの肉棒の先端が乳首を擦り『早く』と促せる。肉棒を胸の谷間に挟むと舌を出し、数度舐めると先端を咥えた。

 

「んんっ……どう……だ……イズ、ん」
「あぁ……そのトロンとした顔も合わせれば合格か……んっ」
「ヒナタ、もう挿れるぞ」

 

 御主人様Aの気持ち良さそうな声に安堵したが、御主人様Bの肉棒が秘部を擦る。その刺激がもっと欲しくなり、肉棒を咥えながら無意識に両脚を開くと二人が笑った気がした。
 同時に後ろから腰を持たれると大きな肉棒が挿入される。

 

「んんんんーーーーんっあ、あ゛あ゛ぁぁ!」
「ヒーナ、口から離すなって」
「俺の方が気持ち良い……からだろ……ヒナタ、動かすぞ」
「ああぁっ……んはあ、んんんんっ」
「ん……ヒナ、その調子」

 

 大きく腰を動かす御主人様Bの刺激に意識を持っていかれないよう、御主人様Aの肉棒を咥える。私の頭を荒く撫でる御主人様Aの先端からは白液が飛び出すが、膣内に挿入されたモノも脈を打ちながら膨れ上がった。

「出す……ぞ」
「や~ん、俺が先……っ!」
「んんんーーーーぅぅぅんっ!!!」

 

 瞬間、口と膣内両方から白液が噴出し、世界が真っ白になった。
 咳き込みながらシーツに顔を埋めると、肉棒を抜いた二人は服を脱ぎはじめる。虚ろな目でも逞しい身体が映り、イズと数度口付けると二人は場所を交替した。両者の肉棒からは白液が零れ、私の身体に落ちていく。

 

 力ない私を仰向けにしたフィーラとも口付けるが、イズだけだった口内に白液を出したフィーラの肉棒が入る。屈曲した脚を持つイズの先端は、ぐっちょりと濡れた秘部と膣内に容赦なく挿入った。

 

「あああぁぁーーーーんんっっ!!!」
「やーん……滑るように挿れる……でもアズには負けれね」
「だが……ん、“王”ではないお前では……勝てないだろ」
「言いやがったな……っ!」
「ひゃぁあああーーンンっ!!!」

 

 “王”の時とは違い、小さい肉棒が膣内を行き来してはフィーラの以上に激しく膣内を掻き乱していく。口に咥えた肉棒からも射精され、胸も服も白の液体に染まると二人の手で脱がされるどころか破かれる。
 その後も競うように挿入を繰り返しては舐める二人の戦いは朝日が昇っても止まらなかった。

 貴様ら、奉仕も服もどうでもいいんだろ──。


 

* * *

 


 翌日の正午。
 腰も落ち着いたところでベッドから出ようとすると、イズとフィーラが何かを持って言い合っていた。

 

「ぜってぇ裸エプロンだって」
「全身を覆ったヤツがいいだろ」

 

 イズの手にはふりふりミニエプロン。フィーラの手には割烹着。白い目で言い合う二人を見ていた私はハリセンを取り出すと怒声と一緒に頭を叩いた。


「とっとと仕事に行ってこんかーーーーい!!!」


 御主人様方に渇を入れた私を見た屋敷のメイドさん方が『メイド長!』と、なぜか慕われることになるのは別の話だ────。

bottom of page