異世界を駆ける
姉御
番外編*ヒナタ保育園
夕刻近いアーポアク城一階ホール。
そこには床に座り込んだまま微笑む私とジェビィさんがいた。
「それじゃヒナちゃん。お守り、よろしくね」
「はい~、お任せくださ~い」
「ジェ、ジェビィさま! ちょっ、わわわっ!!」
「いいですね、これ」
「……ぐる……しい」
「定員オーバーだろっ! おいっおんあぁあっ!!」
螺旋階段を下りて行くジェビィさんを見送りながら、腕でモガモガ動く子達をぎゅーぎゅー抱きしめる。そんな愛に文句を言っているのは『四聖宝』。もとい今は──『小四聖宝』。
そう、現在四人は身長百センチちょっとしかない子供サイズ。
私が来る前にジェビィさんの『実験』に巻き込まれたらしく、五、六歳児に戻ってしまったのだ。髪の長さが違う以外は団服も剣もサイズに合ってて何も変わらないように見える。
しかし、それがどっこい。本当に『子供』になっているのだ。
知っての通り私には年齢レーダーがある。それが年上のベルを見ても『年下』と鳴るため、構うことなく抱きしめていた。すると、ベリーショートの毛先が跳ねた小ベルが胸元から顔を出しだ。
「めでるヒナタさん、かわいいですね」
「うむうむ、可愛いな~!」
「ヒナタ……あきらかに頭のネジが飛んでいるぞ……」
同じように胸元から青褪めた顔を出す小フィーラ。その髪は両方とも同じサイズに切り揃えられていて、外側には黒ウサギを抱きしめる小スティと暴れる小アウィン。
すると、何かに気付いたように小アウィンが動きを止めると、小スティに言った。
「てめー、貞●みたいになってんっ!」
茶髪が耳下までしかない小アウィンの顔面に、小スティは勢いよく黒ウサギをブチ込む。おかげで抱きしめていた手が解かれ、小フィーラが逃げてしまった。そんな小スティは綺麗な青髪が腰下まであり、前髪も長いせいか儚げな幼女にも見える。が、ウサギで殴られそうなので言わない。すると突然四人が床に倒れ込んだ。
「ど、どうした!?」
「なん……だ」
「おかしい……ですね」
「力……が」
「でねー……」
「『宝輝』なりね~」
慌てていると淡々とした声が響き、私の影が浮き上がると人の形を取る。漆黒の髪と赤の瞳、十字架のネックレスを揺らすイズが姿を現した。最初の被験者は見事『四聖宝』を身代わりに仕立て、今はニヤニヤと意地の悪い笑みを描いている。
「脳以外がガキの頃に戻ってんだから魔力も当時のまんまだ。そんな頃に『宝輝』なんてバカ魔力吸うのに耐えれるわけないだろ」
「なっ!? じゃ、じゃあこのまま放っておいたら……」
「おう、魔力消失死する。波阿弥陀仏っだ!!!」
縁起でもない合掌に、ハリセンで叩く。
「とっとと『宝輝』を抜け!」
「や~ん、抜いたら魔物が寄ってくる~」
「その時は貴様一人が狙われるだけだろ。魔王にも言っておいてやる」
「……よくわかってんじゃねぇか」
魔物の狙いは魔力を持つ人間。そして桁違いの魔力を持つ『宝輝』。
だが、絶大な魔力を持つ“王”も揃っていれば当然そっちに向かい、世界(自分)を滅ぼしたい魔王もイズを狙うだろう。
威張る私にイズは面白そうな笑みを向けると『宝輝解放』と呟く。
虹色の光が包むと『小四聖宝』から『宝輝』が抜かれ、見る見るイズの髪、身長、肩幅が大きくなり、瞳が漆黒の“王”に変わる。
「んじゃま、各二重門にデカイ魔力の残量残して魔物を誘(おび)き寄せるかね」
「貴様……そう言うシャレにもならんことするっちょお!」
低い声になっても変わらず他人任せな王に呆れていると、背後から大きくなった両手に胸を鷲掴みにされる。息を整えていた『小四聖宝』が慌てて起き上がるが、片方は服越しに、片方は上着に潜り、ブラ越しに揉みはじめた。
「あっ、ちょっ……イズ!」
「普通の俺と胸フェチは一緒だけどな違うとこもあるんだぜ」
「違うとこ……っ!?」
「そ、ココの大きさとかな」
楽しそうに耳元で囁きながら私の手を取ると、自身の膨れ上がったところに置く。二十歳の時とは違う大きさに顔が熱くなり、同じ漆黒の双眸を合わせる。が、綺麗な顔は黒い物体に殴られた。
「っだ!」
その勢いに腕が離され、私の前に小スティが着地する。
以前どこかでやったように『解放』もしていない黒ウサギを武器にした頼もしい男……の子。左右には小フィーラ、小ベル、小アウィンが武器を構えている。
「コイツに手ーだすな黒王!」
「それ以上なにかをするなら、おとします」
「お父さんでも……ようしゃ……しない」
「さっさとされ、イヴァレリズ。でなければきるぞ」
「平仮名で言っても全っ然説得力ねぇぞ」
さほどダメージはなかったのか、頬をかきながらイズがツッコむ。
実際私を囲い、イズに剣を向ける騎士達はカッコイイと思うが、オモチャの兵隊みたいで両手で顔を覆った。
そんな私には気付かず、勇敢と言うかアホと言うか、小アウィンが突込む。だがイズは足で蹴り飛ばし、黒ウサギで殴る小スティを掴むと、小ベルが撃った数本の小さい矢を黒ウサギで防いだ。
無残にも黒ウサギには複数の穴が開き、小スティが悲鳴を上げる。
「ボクのウサギーーっ! ラガーさまっ!!」
「なぜ私のせいなんですか。あなたのお父さまのせいでしょ」
「子の物は親の物なり」
「燃え死せっ──煉獄鳥!!!」
瞬間、炎が辺りを包み、赤く熱い竜が現れると勢いよくイズに突撃する。その歳で『宝輝解放』する魔力があるとはすごいではないかフィーラ!、と感動する。が、小さい。
魔王戦とは違い、黒ウサギサイズしかない煉獄鳥は最早ただの赤い鳥。ハエ叩きするかのように跳ね除けたイズに、鳥は無情にも剣に戻り、床に転がる音が木響いた。
「ピュルガトワールっっ!!!」
慌てて取りに走る小フィーラを見送ると、イズに挑む小アウィンと喧嘩する小ベルと小スティを見つめる。溜め息を吐いた私はハリセンで──王(悪)をブッ叩いた。
平和が訪れる──。
* * *
日が暮れ、空が藍色に染まる。
靴を脱いだ小フィーラがベッドに乗るとカーテンを閉めるが、跳ねて遊ぶ小アウィンにマントを掴まれ落ちた。それが丁度本を読んでいた小ベルの上だったため怖い笑みを向けられ土下座。
カーペットに座る私は糸を結び終えると、空と同じ藍色の瞳を向ける小スティに手渡した。
「ほら、これでウサギは大丈夫だろ」
「わー……ヒナさん……ありがとうございます……!」
「うむ!」
黒ウサギを持ったまま抱き付くスティを抱きしめ返し頬ずりする。ああ~可愛い! 癒される~~!!
だが、変わることなく小スティはチョーカー下の首筋に吸い付いた。
「あんっ……!」
「おいっ、カレスティージ!」
「あい変わらず抜け目ないガキですね」
小アウィンと小ベルに両足を引っ張られた小スティはズリ落ち、代わるようにニ人に抱きつかれる。そんな二人を早速直った黒ウサギで殴ろうとする小スティを止めると、頬を膨らませながら左腕に抱きついてきた。溜め息をつく小フィーラと目が合う。
「ほら、フィーラもこい」
「な、なぜ俺まで!」
「右、空いてるぞ」
手招きすると、小フィーラは迷う素振りを見せたが頬を赤くすると右腕に寄り掛かった。ああ~可愛い~~っっ!
右腕で抱きしめるとジタバタと小フィーラが動くが、ふと思い出す。
「そう言えば貴様ら、街(家)に帰らなくていいのか?」
「完全にオレらをガキだと思ってんだろ。ひとばん泊まっても心配する連中じゃねーよ」
「そりゃ泊まるのは構わんが、ちゃんと保護者には言わないとダメだろ」
小フィーラと小アウィンは副団長、小ベルは弟、小スティはチェリーさんと言う名の保護者が心配するはずだ。小さくなったことも知らんだろうしな。
四人は顔を見合わせると小アウィンから順に言った。
「はんっ! あんなうるさいヤツのとこなんか帰るもんか!!」
「おい、その歳で家出はやめておけ」
「お母さん……今から夜のお仕事で……」
「スティ君、夜のお仕事とか言わないで」
「弟なんていましたっけ?」
「いるだろ! 大事な肉親が!! 可愛い弟が!!!」
「俺に……家族などいない……」
「フィーラーーーーーッッ!!!」
物悲しいことを言う子供達を叱りながら『泊まる』と連絡させると立ち上がって背伸びをする。さて。
「風呂に入るか」
「「「「え?」」」」
* * *
「うっわ~ホント~小っこ~いね~~」
「可愛いだろ~」
「いつ~戻るの~~?」
「時間が経てば~とか~言ってたが~どうだろうな~」
「デッレデレ……だね」
ルンルンで小アウィンと小ベルと手を繋ぎ、背中には小スティが掴まり、小フィーラは変わらず宰相であるバロンに頭を下げている。今日は風呂の清掃日のため宰相室の風呂を借りに来たのだ。
するとバロンは物珍しい目で四人を見ると私に視線を戻す。
「で~この子達と~風呂に~入るって~?」
「うむ、このサイズなら狭くないしな」
「まあね~じゃ~四人~お湯~溜めてきて~~」
「んでだよ? ヒューゲが行けよ」
「貸すのは~僕~それに~そのサイズだと~四人で~しないと~お湯~早く~溜まらないよ~~」
指摘に黙り込んだ四人は渋々お風呂場へと向かう。
フィーラもさっき無駄に『宝輝解放』とかしてしまったからな、うむ。すると椅子に座るバロンに手招きされ近付くと、伸びた両腕に抱きしめられた。
「うわっ! バロんっ!?」
胸板に倒れると、顎を持ち上げられ口付けられた。
同時に風呂だからとタンクトップとショーパンだったせいか、スルリと手がショーパンに潜る。ショーツ越しに秘部を撫でられながら、離れた唇が耳朶を舐めた。刺激に愛液が零れると彼の指を濡らす。
「ちょっ、バロ……」
「ヒナタちゃんがいけないんだよ? 小さくなったとしても彼らは男なんだから……ダメな子だね」
甘いような冷たいような囁きにビクビクと身体が跳ね、指が一本膣内に挿入され混ぜられる。それはゆっくりでもどかしくて、バロンの首に腕を回す──が、両腕を小フィーラと小ベルに持ち上げられ、二人と一緒に私も宙に浮く。
「え? え?」
「うっわ~ヒーちゃん空飛んで「「せぇーのっ!!!」」
同時に勢いよく小スティと小アウィンが走ってくると、両手でバロンのキャスター付き椅子を押し、書類の山に突っ込ませた。
「うわあああぁぁーーーーっっ!!!」
物凄い音とバロンの悲鳴に瞼を閉じる。
しばらくしてゆっくり開けると、崩れた書類の山とバロン。顔を青褪めるが、宙を浮くニ人によって風呂場に連行された。怪しいと思って覗いていたそうな……。
「ったく、てめーはマジですきだらけだな!」
「す、すまん……貴様らこそ、トムとジ●リーみたいなことするな」
「とむ……じぇり?」
「エジェアウィン君、怒るならこちらを向かないと。アズフィロラ君もいつまで洗ってるんですか?」
四畳ほどある正方形の石風呂に浸かる私の左右には小ベルと小スティ。だが、小アウィンは離れた場所で背中を向けていて、小フィーラは髪を洗ってばかりだ。恥ずかしい組かと苦笑していると、微笑む小ベルの顔が近付き口付けられる。
「んっ……!」
「さっき……ん、バロンと……してましたからね」
いつもより小さい舌が入り込むが、混ぜ方はベル。
それだけで喘いでいると、小スティが首筋に吸い付きながら片胸の先端を摘む。
「あんっ、あっ……」
「ん、小さくなってると……“そうにゅう”できないのが残念ですね」
「ボクは……別……小さいのでも……イれますよ」
「ひらがなで言うとエロいよなー」
「ふつうに止めろ! エジェアウィン!!」
小フィーラの怒声に、小アウィンが犬かきでやってくる。だが片方の胸の先端にタッチし吸い付いた。
「ああぁんっ!」
「んっ、柔ぇ……」
「んっあ……ふゃんっ!!!」
「「「ぶはっっ!!!」」」
小三騎士に攻められているとシャワーが勢いよくかかる。犯人は当然、小フィーラ。怖い顔と背景を持ち合わせた男は大きく口を開いた。
「つかったままするな! あがってからしろ!! 熱中しょうになったらどうする!!?」
「「「「…………そこ?」」」」
何か違う気がするが、間違いでもないと湯船から出る。と、小フィーラを捕まえ椅子に座ると彼の身体を洗う。
「こここらっ! ヒナタ!! そういう意味ではないっ!!」
「上がるためには身体を洗わねばだろ? ほら、三人もこっち……ひゃっ!!」
気付けば三人とも上がり、ゴシゴシと石鹸を付けた手で私を洗いはじめた。満面の笑みで泡を立てる三人は背中、胸、脚を洗う。
「ちょっ、そんなとこ……こらっ……」
「私たちは洗ってるだけですよ」
「ヒナさん……気持ち良い?」
「ちくび、ツンとなってんぞ」
小さい指で先端を捻られ跳ねると、溜め息をついた小フィーラが屈む。すると股の間に手を入れ、前後に動かしはじめた。
「あぁんっ! フィーラっ……あんっ」
「なんだ? 洗ってるだけだろ」
「ヒナタさん、座ったままだとあぶないですからおりてください」
小フィーラの指が膣内を回していると、背伸びし、耳元で囁く小ベルの声に椅子から降りた。壁に背を預けると小スティと口付けながらシャワーで泡を流される。泡で隠されていたものが露になり咄嗟に両手で隠そうとするが、小アウィンと小ベルの手に捕まった。
胸の先端をニ人の舌で舐められ転がされ吸われる。
声を出そうにも小スティの指が口内にニ本入り、首筋を噛まれる。
そして両脚を屈曲させた股の間には小フィーラが潜り、秘部と愛液を舐め取っていた。全身に与えられる刺激におかしくなっていると、小アウィンに臍を押される。
「ほらよ、苦手なとこ」
「ひゃぁっ、あんっ……ああんっ!」
「んっ! ヒナタ……出しすぎだ」
「じゃ、アズさま……かわって」
「あ、私も」
愛液が小フィーラに掛かっていることに頬が赤くなるが、小アウィンに臍を押され跳ねる。その間に小スティと小ベルが小フィーラと替わるが、二人は睨み合いをはじめた。
だが片脚ずつ持つと、ニ人で愛液を舐める。ひとつだけでも刺激が強いのに、ニつの舌に大きく身じろぐ。
「ゃあぁんっ……ああっ!」
「んっ、ヒナさん……動いちゃダーメ」
「ほらヒナタ。自分で出した“あいえき”は自分でなめろ」
「フィー……んっ」
「女ー、上のるぞー」
小フィーラと口付けながら彼に付いた愛液を舐め取る。そして、お腹に小アウィンが跨ると両手で乳房を掬い、片方吸っては片方を弄りだす。小さな肉棒も当たり、愛液を零す度に下のニ人に吸い取られ、動悸も息も激しい。もう我慢の限界だ。
「ダメ……もうっ……もうっ……んっ」
「いいですよ、出されて」
「ん……ちゃんと出るとこ見てる」
「ちくびも……ん、一緒にかんでやるよ」
「ヒナタ……イけっ」
「んあ、ああああぁぁぁーーーーっっ!!!」
耳元で囁かれた甘い声と先端を噛む刺激。
そしてサイズの違う指を挿し込まれ、一瞬で潮を噴き出しイった──子供相手のハズなのに恥ずかしい。
* * *
気が付けば辺りは暗く、灯りが三、四つ点いているのが薄っすら見える。
気持ち良い肌触りにベッドのシーツだとわかるが、あの小さい四人がどうやって運んだのだろうと考える。と、突然、下腹部から強い刺激。
「んああ゛あ゛あ゛ぁぁーーーー!!!」
「やった……ボクので起きた……んっ、締まる」
「なんで、ん……ウサギの時に起きるんですか」
「だいぶん突っ込んだのによ」
「ヒナタ、大丈夫か?」
「き、貴様らなんで……あああぁン!」
大きな刺激は前髪を掻き上げたスティの肉棒が膣内に入ったからだ。
そして頭上に座るフィーラが額に口付け、左右にいるベルとアウィンが胸の先端を舐めている。そんな四人は──元のサイズ。
「ちょっ……あん、いつの間に戻って……んんっ!」
「風呂からキミを……ん、どう上げようかと悩んでいた時だ……っあ」
口内にフィーラの肉棒が入ると、両手はベルとアウィンの肉棒を握らされる。白液が既に垂れている三つの肉棒を咥え擦っているとアウィンが続けた。
「んで……溜まってたもんだからっ……自室戻ってきて……」
「あれこれ遊んでたのですが……あっ、中々起きず……」
「ボクので……起きてくれ……ましたっ!」
「んんんんんんっっっ!!!」
膣内で膨張したスティの白液が破裂すると同時に、口内と手に持つモノ達も白液を噴出す。風呂に入ったというのに汁まみれになってしまったが当然関係ない。朝方まで交互に替わっては挿入され攻められ出され、可愛がっていた分の恩返し(?)をしてもらった。
もう少し、子供版とスリスリしたかったぞ────。