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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*ヒーローとは

 晴天の下、ドラバイトでは戦いが行われていた。
 先陣を切るアウィンに続くようにパレッド達が勢いよく突っ込むが、見えない壁に弾かれ地面に倒れ込む。私は必死に叫んだ。

「頑張るんだ! 貴様らなら出来る!! そして助けてくれ!!!」
「てめーはどっちの味方だ! つーか、オレでも破れねーってなんだよ!?」
「これでも一段階なんですけどね」
「恐らく、ティージが影で邪魔しているんだろ」

 腕を組んだフィーラと、起き上がったアウィンの痛い視線が向けられる。
 視線の先は地面に座る私の膝で寝息を立てているスティと、背後から私を抱きしめたまま座るベル。微笑みのベル王の一段階結界が勇者達の進行を阻んでいたのだ。

 ドラバイトの街観光が終わり、教会に寄った私達。
 するとパレッド達に『遊ぼ!』とせがまれ、笑顔で二つ返事。何やら最近『ヒーローごっこ』が流行っているらしく『悪から姫を救い出そう!』ということで張り切って勇者側に挙手した。が、即却下。なぜだ!?

 そんな私を無視し、十二人でジャンケンして勝った人が『勇者』、負けた人が『悪』としたところ最初にベルとスティが負けた。すると『我々だけで問題ありません』『……いけます』という男らしい(?)発言に『私(なぜ!?)を救い出そう!』ごっごがスタート!

 しかし、悪は強かった。

「エジェ隊長~! あの悪役強いよ~!!」
「利害が一致してる時だけ手ぇー組みやがって……卑怯だろ」
「これじゃ、お姫さま助けられないよ~!」
「わーってるよ。オレに任せ「仕方ない」

 

 目尻に涙を浮かべる子供達にヒヤヒヤしていると、アウィンの言葉を遮ったフィーラが前に出る。ずっと見ているだけで動かなかった男は立ち止まると柄を握った。その音にベルとスティが顔を上げると同時に──抜刀。だが。

 


「「「あああああーーーーっっっ!!!」」」
「しまった……」
「やりすぎだっつーーーーの!!!」

 


 素晴らしい斬撃はベルの結界を壊すと同時に私達三人を吹き飛ばし、悪どころか姫も滅んだのであった──。


* * *

 


 時刻は夜の八時。
 大いに盛り上がった今日の疲れを癒す言葉を出す。

 

「ああー……極楽極楽」
「なんでてめーは普通にしてんだよ……」
「アウィンこそ、なぜそんなに遠い? ほれ、こっちこいこい」

 

 端っこにいるアウィンを手招きするが、そっぽを向かれる。
 ヒノキの良い匂いと湯煙が上がる六畳ほどの正方形の湯船。ここはアウィンの実家お風呂だ。

 泥んこまみれで遊んだのは良いが、城の風呂が清掃日だったことを思い出した私は教会にお邪魔することにした。しかし湯の出が悪いらしく、アウィンの実家に招かれたのだ。
 その礼に一緒に風呂に入ることにしたのだが、あまりお気に召していないらしい。

「なんでそれがお礼なんだよ!」
「いや、だから背中を流してやろうとな。ご両親も手羽先もいないんだからいいだろ」
「よくねーよ! つーかタオル巻け!!」
「? 風呂内でタオルは邪道だろ」

 

 仰る通り、私はタオルも何もないスッポンポンで髪だけ後ろ上で団子。
 反対にアウィンは律儀にタオルで下を隠し、頭を抱えたまま縁に座っている。そんな彼に近付くと──抱きしめた。

「のわあああーーーーっ!」
「ああ~!癒されるな~~!!」
「おいっ! こらっ、危……っわっ!!」

 

 突然のことにアウィンが湯に落ちてしまった。すまん。
 合掌していると、ザバリと浮き上がってきたアウィンの髪はストレートになり別人。その髪を撫でるが、眉を吊り上げた彼は両手の人差し指で私の乳首を押した。

 

「ふひゃあっ!」
「丸見えのてめーが悪い!」
「ちょちょちょやめゃっ!」

 

 慌てて両手で胸を隠すが、湯に潜った手に臍を押される。片方の手で臍を隠しても胸に戻りの繰り返しだ。

「ちょっ! こらっ、まださっきのこと怒ってるのか!?」
「あん? あぁ、アイツらマジでやりやがったからな……」

 

 突き攻撃を止めたアウィンは後ろから私を抱きしめると溜め息をつく。
 さっきのとは私ごと吹き飛んだアレ。さすがの私もハリセンでフィーラを叩いたが、ベルとスティは本気で剣を抜く大乱闘が起こり、子供達を泣かせてしまった。

 

「アイツら、ぜってーガキ共のこと考えてねーだろ」
「うむ、その点アウィンは子供好きだし人気だし良いパパになるな」
「大好きってわけじゃねーけど……お。てことはオレが今んとこ旦那候補一位か?」
「へ──んっ」

 

 振り向くと口付けられる。
 同時に股間に入り込んだ手に秘部を撫でられ喘ぎが漏れるが、手で頭を固定されていて離れることが出来ない。口内に侵入した舌が舌と絡みつき、秘部を撫でていた指がナカに挿し込まれる。

 

「ああぁん……だめ……」
「嫁なら……ん、何してもいいだろ」
「よ、嫁って……ああぁっ」

 

 恥ずかしい台詞に顔が熱くなる。だが、秘部から愛液が零れると指で擦られるどころか混ぜられた。

 

「ま、他にも旦那がいんのは問題だよな」
「う、うるしゃんっ!」

 

 唇を離したアウィンは首元に吸いつき、赤い花弁をつけながら片手で胸を揉みしだく。膣内の指も速く混ぜられ、刺激と湯の熱さに息が荒くなってきた。

 

「ああぁ……アウィンんん」
「んで、姫君(プリンセス)は今んとこ誰と多くヤってんだ?」
「へ、変なこと聞く……ああぁん!」

 

 膣内の指を抜くと、私を反転させ抱きしめる。
 突然のことに驚くが、目の前にある紫の双眸に動けなくなってしまった。されるがまま彼の膝に乗ると、大きなモノが当たる。恥ずかしさから顔を逸らす、ことは許されず、両手で戻されると口付けられた。

「んっ、あぁ……」
「頑張んねーと……ん、大好きな子供……産めねーだろ」
「あああぁーーっ!」

 

 口付けたまま、湯の中だというのに挿入され喘ぎを響かせる。
 肉棒と一緒に膣内に入り込む湯に、今までにない刺激が襲う。自分から激しく身体を揺らすとアウィンも声を上げた。

「ちょっ、てっめぇ……動きすっ……あぁもうっ……一回抜くぞ」
「ああぁ……ダ、メええぇぇえっっ!!!」

 

 せっかく気持ち良くなっていたのに腰を持ち上げられ、肉棒を抜かれた。息を荒げながら胸の谷間に顔を埋めた彼は乳首を舐める。

 

「あ……あぁあ」
「ん、イけなかったのが……そんな嫌だったのか?」
「当然、あん……だろ」
「ったく……早くイっても……ん、面白くねーだろ」
「じゃあ……ん、旦那様(きさま)を……気持ち良くさせれば……いいのか?」
「……てめぇはホント……気持ち良くなってるとエロイよな」

 

 乳首を舐めていたアウィンは溜め息をつくと浴槽の縁に座る。
 目の前には先ほどまで自分のナカに入っていたモノ。見下ろすアウィンは意地の悪い笑みを向けた。

 

「頑張れば旦那(ヒーロー)が願いを叶えてやってもいいぜ?」
「それ、悪役の台詞だぞ……」
「んなことねぇ──っ!?」

 

 怒声の途中で胸の谷間に肉棒を挟む。
 そのまま上下に擦るとアウィンは呻きを漏らすが、構わず谷間から突き出ている先端を咥えた。

 

「んっ、んん……気持ひぃか?」
「てっめぇ……やっぱ『姫』じゃなくて……んあ『女王』だわ」
「にゃんの違いだ……ん」
「あああぁぁ……っ」

 

 片眉を上げたまま舌先で遊ぶように先端を舐め、袋を両手で擦る。彼の声がいっそう高くなり、亀頭から先走った白液が出てきた。

「お……ヒーローが負けてるぞ」
「その顔……女王様が楽しんでるみてー……っあ゛!」
「ん゛っ!」

 

 失礼なと言うように甘噛みすると白液が吹き出した。
 口内の奥まで流れる苦いものに顔を顰めると離す。咳き込む私に、アウィンも荒い息を吐きながら天井を見上げると額を押さえた。

「出すならナカにさせろ……」
「ナカって……そうハッキリ言うな」
「自分の行動はそれじゃねーのかよ……ま、いいや。場所替われ」

 

 なんでこうも厭らしい単語を出せるのか恥ずかしくなりながら、湯から出ると縁に座る。涼んでいると、湯に浸かったアウィンが私の股を開く……って!?
 気付いた時には既に股間に顔を埋められ、秘部を舐められた。

「ひゃっ!」
「隙が多すぎるとこと……バカ正直なのが女王様の弱点……んっ」
「ひゃああぁっ!」

 両太腿を押さえ、秘部を舐めるアウィンの舌に身じろぐ。
 だが、余計に刺激を強くしてしまい愛液が零れてしまう。それを舐めては吸い取る姿に、湯に浸かっていない身体が熱くなりはじめた。

 

「ああっ……あん……あ」
「んっ……女王様……陥落か」
「誰が……だ……ああぁっ」
「だって、ん……ドロドロに出てるぜ」
「言わな……あああぁっ!!!」

 

 秘部から溢れる愛液の実況をしながら、激しく舌を動かされる。
 快楽は抑えられず、噴き出した潮がアウィンの顔にかかった。荒い息を吐きながら虚ろな目で見ると、手で拭き取った彼は笑みを浮かべ立ち上がる。

 

「ほら、女王様……後ろ向けって……すぐ落としてやっから」
「や、やっぱり貴様……ヒーローっていうより悪だ……んっ!」
「悪はラガーベルッカとカレスティージだろ」

 後ろを向き、両手を縁につける。
 アウィンは後ろから片胸を弄りながら片手の指を膣内に挿し込む。既に思考も秘部もドロドロとなった私には刺激が弱すぎる攻撃だ。

「こらぁ……トドメさすなら……早くしろ!」
「へいへい……すんませんね──っ!」
「ああああぁぁぁーーーーーっ!!!」

 

 弱い攻撃を止めたアウィンは両腰を持つと、躊躇わず肉棒を最奥へと突き刺す。深く入っては突く攻撃に身体中が震え“もっと”と言うように自身で腰を動かし刺激を求めた。

「あぁっ……Sに見えて……実はMな女王様か……っ!」
「ふあ、あああぁんっ!」
「ほらっ……お望み通りの……攻撃効いてっか?」
「ああぁっ……効きすぎて手がぁあっ……」

 

 激しく攻め立てられる気持ち良さに、まだしていたい。けれど、震える両手は限界だ。それでも腰を動かしながら両胸を鷲掴みにして揉むアウィンも止まらない。

 

「落ちんのもうちょい待て……もうちょいでオレの……ナカで出してやっから……」
「む、無理……言うなぁああっ」

 

 アウィンの言う通り、膣内のモノが大きくなるが、快感がさらに襲い意識が飛びそうだ。だが、それ以上の刺激が欲しいがために、私は必死に身体を支える。

 

「ヒーローと悪の子も……ありじゃね……?」
「バカあぁああーーーーっっ!!!」

 

 またも恥ずかしい台詞に膣内を締めると、勢いよく白液を噴き出される。
 目の前が真っ白になり、湯船に白液と愛液が落ちる音が響いた。快楽で倒れ込む私を後ろから抱き留めたアウィンは荒い息を吐き、笑みを浮かべる。

 


「ガキ大好きってわけじゃねーけど……ヒナタとのなら歓迎するぜ」

 


 滅多に呼んでくれない名前が聞こえた気がしたが、ハッキリとはわからず意識を飛ばす。ひとつ言えることは起きたら風呂掃除──。

 


 だが、目覚めたら裸体のままベッドに寝転がっていた。
 そればかりか両腕は頭上で赤いハチマキで結ばれている。いったいなんの儀式なのかと慌てていると、顔を覗かせたアウィンは愉しそうに笑った。それはもう子供のように。

 


「ヒーローに捕まった悪の尋問タイムだぜ!!!」
「この状況はどう見ても反対っあああああぁぁぁーーーーー!!!」

 


 アウィンのヒーロー像がとてもおかしいことに将来の不安を感じる。同時に思ったのは、こんなヒーローはいない。

 皆は憧れる人を間違えてはならんぞ────。

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