異世界を駆ける
姉御
59話*「秘密共有」
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一人の人間が降り立った。
漆黒の髪と瞳を持ち、奇妙な格好をした男。男は故郷を求め旅立った。
寒い日の夜、薄暗い森の中ではじめての人間と会う。
緋色髪の少女は言葉を使えなかったが、凍えているのを見た男は火を起こし、少女に暖かい毛布をかけた。すると少女は微笑み、両手に収まる紅水晶を手渡した。
少女と別れた後も男は困っていた三人、いずれも言葉を使えない少女達を助け、緑幽霊幻想水晶、青針水晶、煙水晶を受け取り旅を続けた。
月日が流れ、天にまで届くほど大きな岩山にたどり着く。
ここを登った先に故郷への手掛かりがあるかもしれないと男は登る──しかし、そこには恐ろしい魔物が居ついていたのだ。
はじめて見る生き物に男は足が動かず囲われる。
男はここで死ぬのかと目を閉じるが、ひとつの光が見えた。それは故郷を想う光。男はリュックからナイフを取り出すと魔物に立ち向かった。
だが恐ろしい魔物には敵わず、首、右肩、右足、腹から血を出し倒れる。それでも男は生を求め、故郷に還る想いを天に向かって叫んだ。
『俺は生きるのも諦めることもしない!!!』
その声に少女達から貰った水晶が光り、四つの球体へ変わると、血が流れる体に埋め込まれた。見る見る内に傷が治まると、四人の少女が現れる。それは綺麗な緋、翠、蒼、金茶の髪をした旅の途中助けた少女達。少女達は男の手を取り微笑むと、虹色の光を輝かせ恐ろしい魔物を倒した。
男は少女達に感謝の礼を言うと覚束無い足取りで共にその先を見る。そこにあるのは霞んだ空の下で輝く宝石だけだった。
悲しみにくれた男に少女達は手を繋ぎ、虹色の輝きで霞を払う。
暗い空に光が射した時、輝く太陽、澄み切った青空、どこまでも続く海、小さな芽を出す大地──故郷と変わらない世界が姿を現した。涙を流しながら少女達に微笑んだ男は、いつの日か戻れるのを信じ、生き抜くため、彼女達──四大の精霊達と共に国を創ることにした。
国の名は虹色の輝きを放つ宝石から“アーポアク”。
第一代国王の名は“黒羽 竜”。
彼の名から国の紋章は“黒竜”。
少女達との繋がりを持つファミリーネームは同じ虹色を持つ“アンモライト”。
虹色の輝石から──世界最初の国アーポアクが生まれた。
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静けさと冷たさだけが伝わる。
だが、行灯の光で輝く漆黒の男は私と目を合わせたまま続けた。
「不思議に思わなかったか? なぜ異世界に知った街並みや食事があるのか。それはこの国を作った初代王がお前と同じ日本人であり探検家でもあったからだ」
私は目を見開いたまま動くことが出来ない。
脳裏にはヨーロッパの街並みのルベライト、ドーム状のベルデライト、江戸の雰囲気あるラズライト、田舎風景のドラバイト。そして何も変わらなかった食事が浮かぶ。
それが私と同じ異世界人、それも日本人だと考えれば納得出来る。
そして探検家だったからこそ誰もいない世界で生きていけた。私の鞄にナイフは入っていないから絶対死ぬな、うむ。頭が働きはじめていると、イズは手の平を見せる。
「国も人間も存在していなかった世界に降り立った初代王。そいつが何者なのか確かめるはずが、まんまと“こいつら”は心を奪われちまったってことだ」
浮き上がるのは──『宝輝』。
それらは私とイズを囲い何度も回る。『宝輝』とはつまり世界を創り出す太陽、空、海、大地の起源。道理で『壊れると世界が滅ぶ』なんて云われるはずだ。
溜め息をつきながら『宝輝』を突くと指に“すりすり”したり“ぴょんぴょん”動いたりとなんだか可愛い。
「こいつらは四大の精霊の欠片から生まれたニ代目。初代達は世界の安定を望み『四天貴族』が所持する水晶で眠ると同時に『四天貴族』の祖先でもある」
「は?」
「あー……簡単に言うと初代王と四大の精霊が性……愛を育み出来たガキが『四天貴族』。つまりアズとベルの祖先ってこと」
「はあああぁぁーーーーっ!!?」
冷静になりはじめていた頭がまた壊れ叫ぶ。その声に怯えたのか『宝輝』達がイズの後ろに隠れた。
「だからあの二人、魔力が千とか高いんだよ。そんで人間と精霊の子だから魔力が備わり第二の心臓を持つ存在が生まれたってわけ」
「おいおい……つまりニ人と貴様は親戚なのか?」
「あー、そんな風にもなるかね」
イズは『宝輝』を撫でると『まあ、あいつら知ってるかはしらねぇけど』と笑う。いや、それにしてはブッ飛んだ話だ。精霊との間に子供って……つまり四人とシたってことだろ?
元の世界云々の前にハーレムって凄いな。
「お前だって逆ハーだろ?」
「なっ──ああんっ!」
さっきまで四人とヤっていたことを思い出し顔が赤くなる。と、イズは両手を伸ばし、スッカリ露になった胸を掴んだ。大きく形を変えながら意地の悪い笑みが向けられる。
「ま、俺は一人で楽しませてもらうけど」
「ちょっ、こ……らあぁぁっ!」
大きな右腕に腰を抱かれ前に倒れる。
咄嗟に両手を玉座の肘掛で支えるが、チャンスとばかりにイズは上体を潜らせ、揺れる乳房に顔を埋めた。先端にキスが落ちる。もう片方の腕は背中から下腹部へ伸び、ショーツの隙間を通ると、指を一本秘部に挿し込んだ。
「んんっ……!」
「エロい体勢だよな。しかも四本も入ったせいか広い……指を増やしてもいいか」
「や、あああぁっ!」
乳首を舐めながら呟かれると、すぐ指が三本に増える。
押し込んでは抜くを繰り返し、腰に回していた指で片方の胸を揺らしながら反対の胸に吸い付くと、上と下では違う音が響く。
「んっ、良い弾力と揺れ……ん……それに濡れ具合」
「濡れ……ああぁンっ!」
秘部から指が抜かれ、愛液が零れだす。
あれほど四人に弄られ濡らされたというのにイズでも濡れるなんて……。
「濡れるってことは感じてるってことだろ? つまりお前は俺に好意があ「ないっ!」
上体を起こし、ドキッパリと言ってやる。
イズは大きく目を見開いたが、すぐ意地の悪い笑みを向けると首元に吸い付いた。
「こらっ……んん……そこはスティ……」
「専用って? けど遅い。もう証、付いちまったぜ」
「なっ!?」
よく見えないが手を当てるとチクリと痛む。
顔が青くなっているような赤くなっているようなわからないでいると、ニヤリとしたイズは片手で私の両手を後ろで掴む。力に負けたように弓形になり、押し上げられた胸元にイズは顔を埋め、舌を這わせた。
「やあっ、やめ……ああぁ!」
「ん、安心しろ……ここにいる間は何しても本体に影響はねぇから……痕も付かねぇよ……じゃなきゃお前……四人に散々ヤられて、んん、今……動けるわけねぇだろ」
片手で胸を揉み込んでは乳首を捻り、片方の乳首に吸い付く。本当にこのおっぱい大好き変態め!!!
それでも触る手は巧く、乳首も尖りはじめる。必死に喘ぎを抑えようと口を結ぶが、イズは舌で乳首を転がしながら、前から入れた手で下腹部を弄る。
「っあ!」
「我慢すんのはよくないぜ。素直に気持ち良いって啼け。あいつらより上手くイかしてやるよ」
「だ、誰が貴様なんぞ……ぁっ!」
「惜しい、今のは良い声が出そうだったのに。あぁ、苦手なのココだっけ」
「ふひゃあっ!?」
突然秘部から指がなくなると臍を押され大きく跳ねた。
イズは大笑いし顔が真っ赤に染まるが、ツンツンと臍を突かれ悲鳴を上げる。
「ひゃあぁっ! そこはダ……っ!!」
「いや~跳ねる跳ねる。おっぱいも上下に揺れまくってエッローい。えーと……あとは」
アウィンしか知らない(多分)臍を突くイズは何かを考えているが、ゾクゾクする身体に何もわからなくなる。するとまたスティのように顔を肩に埋めると首元を吸った。けれど、さっきよりも強い。
「ああぁっ!」
刺激に耐え切れず喘ぎを漏らしてしまった。
イズは口元に笑みを浮かべ、秘部に指を入れ直すと、愛液を絡ませながら耳朶を舐め囁く。
「あんっ、あ……ん」
「んっ……その声と表情“可愛い”」
「あぁっ!」
今度はベルの言葉を囁かれ、不覚にも愛液が増す。
息も荒く、抵抗する力も弱まっていると、後ろで掴まれていた手が解放され、頬を撫でられる。
「どうだ? 全員に犯されている気分は」
「はぁあっ……ぁあっ……まだ……フィーラが……」
「ああ、あのキス魔……なら特別だ」
「んんっ!!!」
瞬間、頬を撫でていた手に引っ張られ──口付けられる。
飛んでいた意識が戻り目を見開くが、そこには間違いなくイズの顔。秘部を指で弄られたまま熱く滑らかに舌が口内に侵入すると、引っ込んでいた舌と絡ませる。
「ふぁあっ……んんっ」
「な……んっ、巧いだろ……でも残念……今、お前を犯しているのは……俺」
頭も固定され動けないのに、口内と身体は悦ぶかのように疼いている。イズの手を愛液で濡らし、気付けば両手を首へと回して唇を押し当てていた。彼も悦ぶかのように舌で奥を突くと、私の腰を上げ、ズボンチャックを開く。その音に我に返るが、既に雄雄しく上を向いた肉棒の先端が秘部に挿入っていた。
「やぁ……っ……ダメ……いれちゃ」
「ん、あいつら見てねぇんだからいいだろ……秘密共有ってことで」
「ひ、秘密って──ああああぁぁーーーー!!!」
腰を下ろされ、肉棒が突き上がってくる。
勢い良く貫かれたため涙が溢れるが、口付けながら腰を動かされると痛いはずの膣内から快楽が駆け上った。そんなのおかしいと頭では思っているのに身体は悦んでいるようで。
「そうそっ、身体は正直……素直に欲しいって……口で言え」
片手で私の顎を持ち上げ笑みを浮かべる男の額からは汗が流れ、黒の服に雫が落ちる。その姿が綺麗で妖艶で両頬が熱くなっていると唇を舌で舐められた。
「ひゃぅっ!」
「その声も可愛いけど……俺が聞きたいのはそれじゃない……ほら“欲しい”って言え……ヒナ」
繋がった秘部から愛液を噴出す私の脳を揺らし響かせる官能的な声に、口が小さく開く。出てきた言葉は──。
「ストップ!!!!」
「だっ!!!」
大声と共にイズの頭にチョップを落とした。
余程効いたのか、イズは両手で頭を押さえている。息を荒げながら涙目で睨むと、視線を上げた男は声を出して笑った。小さな動きでも膣内が揺れるが、声を抑える。
「ははは、そこでストップかよ……あーマジでマジで? やっぱ楽しいねぇヒナは」
「お褒めいただき光栄だ……褒美に帰らせろ」
「へー、この俺に命令すんだー……」
突然“ヒナ”と呼ばれ顔も赤く動悸も激しいが、こいつ相手に弱さを見せてはならんとそっぽを向く。反対にくすくす笑う男は私の腰を上げると肉棒を抜いた。
「あんっ!」
「ま、今日は俺も疲れたし止めといてやる。感謝しろ」
「だ、誰が……んっ!
口付けられると口内に甘いチョコが……チョコ!?
良い思い出がないまま、また眠気に襲われる。そしてやはり聞こえるのはイズの声。
「『四聖宝(あいつら)』に明日の昼には帰って来いと伝えろ。王命令だとな」
明日の昼って……じゃあ今日は──。
* * *
瞼を開けると月明かりと宙に浮く灯り。
寒いと思ったら布団を蹴飛ばし、裸のままだった。上体を起こすが、全身筋肉痛な上に身体中にはキスマーク。羞恥に頬を赤めるよりも先に目を丸くした。
「何をしとるんだ?」
目の前には先ほどまで愛を囁いてくれていた裸の男達が四人。
しかし、なぜか足元で膝を折り、片手を伸ばしたまま固まっていた。妙に息も荒く汗も……首を傾げると、フィーラから順に口を開く。
「や、やっと起きたか……」
「早速で悪ぃんだけど……」
「動いて……いい……ですか?」
「むしろ触ってもよろしいでしょうか……」
理解出来ず頷くと、一斉に跳び付かれた。
さすがに恐怖を抱いたが身体が動かず埋もれる。首に手に腰に足に抱き付いた男達に気持ち悪いとボヤくと、寝ている間に私が『ストップ!』と言ったらしく動けなかったらしい。
イズに言ったなと思い出すが浮気行為まで思い出し、顔が青くなった。手に抱き付くフィーラが眉を上げる。
「どうし「フィーラ…………キスしてくれ」
「「「「は?」」」」
全員が素っ頓狂な声を上げるが、私はフィーラに顔を寄せると口付ける。さらに反対の手で首に抱きついているスティの後ろ頭を押さえ、首元に寄せた。
「ヒ、ヒナさん!?」
「んっ、スティ……吸って」
「っ!?」
「おいおい、いったいどうした?」
「後ろめたいことでもありそうですね」
「べ、別にないっ!!!」
ついツッコんでしまい、慌てて両手で口を押さえる。
だが時既に遅し。フィーラの怪しい顔が、前髪を上げて笑みを向けるスティの顔が、満面の笑みを向けるベルの顔が、悪ガキ笑みのアウィンの顔が近付いてきた。
「そうかヒナタ、何かあるのか」
「ヒナさん……なーに?」
「大丈夫ですよ、こっちはいつでも挿入出来ますから」
「素直じゃないお姫様には手荒に聞く──ぜ!!!」
「ひゃあああぁあーーーーっっ!!!」
見事に墓穴を掘った私はまた四人の手によって愛の口付けを、囁きを、痕を、挿入を、白液を噴出し、黒のシーツが真っ白に見える錯覚を起こすほど啼かされイかされ白状させられた。
ごめんなさーーーーい!!!