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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

57話*「私の宝石」

 甘美な声と共に大きな手が全身を包む。
 嫌な笑みを向けながら自身の欲望を満たす無理強いなものではない。優しくゆっくりと抱きしめるような手。

 

 ベルの胸板に寄り掛かっているとドレスを脱がされ、乳房も秘部もすべてが露になる。恥ずかしさに手で隠そうとするが、右手はスティ、左手はフィーラに捕まり、手の甲に口付けが落ちた。

 

「隠しちゃダーメ……」
「すべてのキミを見せてくれと言っただろ」
「そ、それは……あぁっ!」

 

 左右の男達によって露になった乳房を後ろから掬ったベルは先端を、両脚を曲げた股間に顔を埋めたアウィンは秘部を舐める。水音と喘ぎが混じる中、私は訊ねた。

「ちょっ、貴様ら本当に……ん……いいのか」
「んっ、良いとはなんでしょ?」

 

 大きく揉み込んだ胸を中央に寄せたベルは両乳首を舐めては吸う。首元にはスティが吸い付き、秘部を舐めるアウィンの舌が速くなる。刺激が増し、愛液を零しながらも思考を手放さないよう堪えた。

「だって……四人でするとか……あん」
「なんだ? 俺達の誰か一人を許して他は見ておけと言いたいのか」
「ヤです……見るぐらいなら……ん、殺します」

 

 フィーラは左手の指を一本ずつ舐め、スティは不吉な発言をすると首元を咬む。痛みに身体が跳ねたが、両脚はアウィンの手に捕まった。

 

「ん、カレスティージ……あんま痛くさせんな……蜜は出るからいいけど」
「やぁ……アウィン……言うな……ん」
「ヒナタは、ん……感じやすいようだな」

 増える愛液もアウィンの舌に舐め取られ、ベルを跨ったフィーラに口付けられる。はじめてシた時と変わらず優しく気持ち良い唇と舌に思考が揺れはじめるが、秘部の刺激に口を離した。

「ス、スティ!」
「あ、バレました……?」

 

 首元を吸っていたスティはいつの間にかアウィンと場所を換わ……というか、アウィンが舐めていた上から指二本を入れていた。アウィンは眉を上げスティと睨み合っていたが、一息つくと場所を換わり、ベルと一緒に乳首を舐める。

「ん……予想以上にデカくて……柔い……な」
「このまま……ん、美味しいミルクでも出そうですよね」
「へ、変なことを言う……ああぁぁっ!」

 

 羞恥な台詞に顔を赤めていると、スティの指が卑猥音を鳴らしながら挿入される。指に弱いことを証明するかのように愛液が増した。

「ヒナさん……ボクの指……好きですもんね?」
「あん、あぁっ……」
「ヒーナーさーん?」

 

 口に出せないでいると、藍色の双眸を細めたスティは指を三本に増やして奥を突く。大きな刺激に白状した。

 

「あああぁぁっ……好……き、気持ち良い……あぁ」
「良かった……」

 

 一気に増した愛液に笑みを浮かべるスティは指を抜き、冷たい舌で吸い取っていく。そんな彼の横で膝を舐めるフィーラが映ると、アウィンが顔を上げた。

 

「アズフィロラって童貞なのか?」
「な、なんだ突然!」
「確かに先ほどから小さいところをちまちまと舐めてますよね」
「取り合いに……負けただけでしょ」
「三人の勢いが凄すぎるんだ……」

 

 額に手を当てるフィーラに以前ジェビィさんともそんな話を……瞬間、彼が言うように三人の手際が良いことに我に返った。

「き、貴様ら、私以外としたことあるだろ!?」

 

 スティの手といい、アウィンもよく性交だのなんだの言っていた。
 私もはじめてではないが経験豊富ともいわず、慌てて上体を起こすと四人を睨む。と。

 

「ありますね」
「あり……ます」
「ある」
「おいいいいぃぃーーーーっ!!!」

 

 フィーラ以外の三人はアッサリと認めた。
 まさかの年下二人があるとは……眩暈がする気分で顔を青褪めたが、三人が無回答だったフィーラを一斉に見ているのに気付き、私も見つめる。フィーラは顎に手を当て考えているが……え、ちょっ、まさか。

「おめー……ねーの?」
「『四天貴族』なら教育でありません? 私もそれで仕方なくヤりましたよ」
「………………チキン」
「フィーラ……」

 

 一本ずつ放たれた矢が命中したのか、フィーラは暫し沈黙すると満面……というより黒い笑みを浮かべた。四人一斉に下がるが、スティを跳ね除けたフィーラは私の両脚を掴み、股の上から顔を覗かせる。不敵な笑みつきで。

「試してみればわかる」
「フィ、フィー……あぁっ!」

 

 笑みを崩さず言った彼は、スティとは違う大きな指を秘部に挿し込み、掻き混ぜる。片方の手は自身のズボンに掛かっているのがわかるが、刺激に喘ぐことしか出来ない。代わりに他が叫んだ。

 

「おいっ、アズフィロラ!?」
「まさか一番に入れようとしてます?」
「ダーメ……」

 三人が止める声で見えたのは、久々のモノ。
 直視してしまったそれは大きく上を向き、ゴクリと喉が鳴る。だが指の動きも止まらず、すぐ頭をベルの膝に落とすとフィーラの声が届いた。

 

「一番も何も既にヒナタの“最初”は残念ながら奪われている……なら誰が最初でも一緒だ」
「ヒナタさん、まさか処「女ではない! 強姦ではない別の男が最しょぅああぁっ!!」

 慌てて叫んだが、指を抜かれると股に顔を埋めたフィーラに舐められる。その舌はゆっくり下から上へと動かされ、じれったさからか余計に身体が疼く。荒い息を吐きながら、股間から覗かせる彼と目を合わせた。

「フィーラ……挿入(はい)っていい……のか?」
「なぜ? 好きな女性の膣内(ナカ)に挿入りたいのは当然だろ」
「す、好きって……」
「俺はヒナタが好きだ。全部のキミを愛したい」

 

 官能的な声と言葉に動悸が激しく鳴ると額にベル、首元にスティ、胸の先端にアウィンが口付ける。

 

「もちろん私も愛していますよ。ただ一人、ヒナタさんを」
「ボクが一番……ヒナさんを愛してます」
「唇は愛の証つったろ? その時点でオレもおめー……ヒナタを愛してんよ」

 

 一人一人の言葉が胸の奥まで響き心臓が破裂しそうになるが、苦しくはない。嬉しい。一人どころか四人に愛されていいのかと目尻から涙を零すが、すぐベルによって舐め取られ、震える声で問うた。

 

「誰か……一人……選ばないと……ダメか?」
「当然選んでいただきたいですが……」
「間違いなく血の海になるからなー」
「それで……ヒナさんが泣くぐらいなら……」
「まずは俺達四人分の愛を受け止めろ」

 

 無茶な願いだとわかっている。それでも胸の高鳴りは止まず、また涙が零れた。
 たくさんの愛を囁き、私の心を満たしたのは異世界の四人の騎士……いや、男達だった。アウィンにベルにスティに口付けると三人は大きく目を見開く。それが可笑しくて愛しくて微笑むと、股にいるフィーラに両手を伸ばした。


「私も……好き……みんなが欲しい……」
「……堂々と四股宣言か。まあ今は良い……いずれ一番になれば良いんだから──なっ!」
「ああ、っあ……ああぁぁっ!」


 フィーラの意地の悪い笑みが向けられるのと同時に大きな肉棒が挿入され、前屈みになった彼と口付ける。すぐ唇が離れると今度はベルと口付けし、肉棒が奥へと進む度に揺れる胸の先端をスティとアウィンが捕えようと舌を出す。

 

「ヒナタ……気持ち良いぞ」
「やあぁぁ……フィーラも、ん……ヤったことある……じゃないか……んんっ!」
「ないとは……言っていないっ!」

 

 フィーラの額から汗が流れ、雫が私の肌に落ちて行く。
 そんな私達に三人はウズウズしているように見え、荒々しく口付けられては乳首を噛まれる。

 

「はあぁあん……!」
「そのヒナタさんの顔はそそられますね……」
「アズフィロラ……ん、早く代われ……」
「ボクも……ん……入れたい」

 

 まさかあと三人分挿入るのだろうかと考えると羞恥に顔を赤め、膣内を強く締めた。

 

「ああっ! ヒナ……タ……っ!!」
「ひゃああぁぁっ!!!」

 

 瞬間、膣内で大きく何かが吐かれると頭が真っ白になる。
 だが首元にスティが咬み付き、意識を飛ばせなかった。ぼんやりする瞳を開けると、フィーラが荒い息を吐きながら肉棒を抜き、白液を垂らしている。

 

「あ……中に出したか……?」
「すまん……魔法で避妊は出来るんだが……」

 

 荒い息のままフィーラは跨ると口付け『する気はない』と呟き、また口付ける。
 優しく熱いフィーラの舌に蕩けていると下腹部にまた先端が宛てがわれる感触。フィーラが退いた場所でアウィンが肉棒を向け、スティが頬を膨らませていた。

「エジェ様~!」
「はいはい、早いもん勝ち。おめーも我慢出来ねーなら別の方法考えろ」
「ああ、なるほど。順番を待つぐらいなら大きくさせた方がいいですね」

 アウィンの言葉に頷いたベルはズボンチャックを開き、肉棒を頬に宛てる。その大きさに顔を青褪めた。

「ちょっ! ベルの大き──あああぁぁン!!」

 

 見たこと無いほど大きなモノに目を瞑ると、アウィンに挿入される。フィーラと同じぐらいだが、若干大きくて苦しい。

「あぁ……マジ……おめぇのナカ……気持ち良いじゃ……んん!」
「言わな……あんんっ……ベル……!」
「もう我慢出来ないので……口でしてください……ね?」

 

 アウィンに激しく揺らされながら、頭上で微笑むベルの肉棒が口元に宛がわれる。大きく上を向いたモノに動悸が激しく鳴りながらも口を開けると咥えた。

 

「ああぁあ……いいですね」
「ヒナさん……ボクも」
「んんっ、しゅ……ティ……!?」

 

 ベルの先端を咥え吸いながら視線を動かすと、全裸となったスティが私に跨り、胸の谷間に肉棒を挿し込む。三人より小さいが、長さがあるスティの肉棒は胸の間から先端がちょっこりと出ていた。
 アウィンの肉棒が膣内で揺れる中、スティは笑みを向けると両胸を真ん中に寄せながら上下に肉棒を揺らす。

「あ、ああぁっぁ……スティ」
「ほら、ヒナタ……俺のも持て」

 

 ベルの反対側に座ったフィーラに手を取られると、白液を出した彼の肉棒を握らされる。そのまま谷間から出ているスティの肉棒の先端に舌を伸ばし、舐めては咥える。同時に反対の手でベルの肉棒も握り捏ねると、声が響き出した。

 

「あぁぁ……ヒナタさん……エロいですよ」
「んっ……もっと口で……して」
「ヒナタも……実は経験豊富じゃ……うっ」
「ああっ……くそっ、おん……ヒナタ……もう出る!」
「あああぁぁっ!」

 

 スティが乗っているためアウィンが見えなかったが、彼の呻きと同時にまた膣内で大きく吐き出される。その快楽に両手で持っていたモノを無意識に強く握ってしまい、ベルとフィーラの苦しそうな声が聞こえた。すまん。
 冷や汗をかいているとアウィンが抜き、谷間にあったモノもなくなった。

 

「エジェ様……三秒で退いて……じゃないと殺す」
「もう出てんじゃ……ねーか……はぁはぁ」

 

 片足を伸ばすスティに、アウィンは汗と荒い息を吐きながら換わり、私のお腹に倒れ込んだ。すると臍を舐められ、身体がビクビク反応しだす。

 

「やあぁあっ! アウィンだ……め」
「なんだ……舐められんのもか……悪ぃけどヤだよ」
「えらく、ヒナタに効いているようだな……見えないが」
「ヒナさーん……止まらないと……ま、激しいの好きなら良いですけ──どっ」
「あ、あああぁぁっーーーー!!!」

 

 アウィンの臍舐め攻撃に意識がいっている隙に、スティは片足を持つと挿入する。上下に揺れていたせいか二人以上に激しく肉棒を動かされ、締め付けた。

 

「んぁっ……ヒナさんのナカ……今までで一番良い……んっ」
「今までって……ああぁ、どんだけの……ん、人と……はあぁぁんっ!」
「──内緒」

 

 額の汗を拭きながら長い前髪を上げ、藍色の双眸と笑みを見せたスティは持ち上げた足の太腿を舐めた。その妖艶な姿に顔が熱くなるが、すぐ口にはフィーラのを咥えさせられ、手にはベルのを持たされる。フィーラは私の額や首筋の汗を舐め、ベルは胸の谷間に舌を這わせ、アウィンは臍や乳首を舐めていた。

 

「ん……ヒナタ……口内で出して……いいか?」
「ふゅん……いい……ぞんんんっっ!!!」

 

 咥えていたフィーラのモノから射精され、喉奥まで流れる。
 味は苦いが、それでもフィーラの嬉しそうな表情に咥えたまま舐める行為は止めない。だがスティが激しく腰を動かしたため口を離してしまった。白液が下唇から垂れだす。

 

「あぁ……ヒナさん……その顔ダーメ……ボク……我慢でき……ないっ!」
「ふああ゛あ゛ぁぁっ!!!」

 

 眉を下げながらも笑みを浮かべたスティは両脚を持つと肉棒を奥深くへと突き、膣内で白液を吐き出す。もうどれほどの愛液が溢れたかもわからず、シーツにも水溜りが出来ていた。激しさに疲れ、真っ白な世界が訪れる──が、警報が鳴り出す。
 なんかあといたよーな……と、顔を上げると、爽やか笑顔のベルと目が合った。

 

「はい、大取りイきましょうか」
「ちょおぉっ! 字が違う!! じゃなくて貴様のはムリ──んっ!!!」

 

 最後の一人に顔を青褪めるが、頭上から口付けられた。
 スティは肉棒を抜くが、ベルには渡さんぞといった具合に私を抱きしめ頬ずりする。だがベルが私の身体を持ち上げたため、スティはズリ落ちた。その行動に虚ろだったフィーラもアウィンも目を見開く。

 

「ちょっ、ラガーベルッカ様!」
「てめー、座位でヤる気かよ! しかも背面!!?」
「アウィン、変な単語だす……ああぁあっ!!!」
「だって全員同じなんてツマラナイじゃないですか」

 

 いつものように後ろ向きでベルの膝に乗る格好となったが、愛液が溢れた秘部に大きく太い指が入り、混ぜられる。すると中指と薬指で割れ目を大きく開かれた。それを直視する三人と同じように顔を赤くすると、頭上から笑い声。

 

「これだけで赤くなるなんて、みなさんまだまだです──ね」
「ふゃあああぁぁんっ!」

 

 三人とは比べ物にならないほど大きな肉棒に貫かれる。
 片手で腰を、片手で両脚を持ち、上下に揺す振られると激しい快楽にもう限界だ。

「ああぁっぁ……ベルぅ……」
「はい……ああぁっ、もっとですか……可愛い奥様?」
「あぁぁぁーーーーっっ!!!」

 

 ベルの口付けを受けながら気付けばフィーラとアウィンが胸を揉んでは乳首を吸い、スティが足の裏を舐める。色々なところから来る気持ち良い刺激に身体も腰も動き、ベルの肉棒を揺らしながら締め付けた。

「あ、あぁぁ……ヒナタさんもう……膣内にいっぱい出しますよ……だからたくさん子供──産んでくださいね」
「ああ゛あ゛あ゛ぁぁぁーーーーっっ!!!」

 喘ぎに笑みを見せたベルが膣内で大きく白液を飛ばすと同時に私も潮を噴出し絶頂を迎える。意識が遠のく間際、笑みを浮かべる男達に涙が零れた。悲しいのとは反対、嬉しい涙。


 深い眠りの底が暗くても、射し込む光が宝石だとしても、もう怖くない。

 その世界を照らす宝石(かがやき)は────私の宝石(たからもの)だから。

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