異世界を駆ける
姉御
番外編*拍手小話~水着編~
*過去の拍手お礼SS集
青い空、青い海、真夏の太陽燦々。
絶好の海日和となった今日、『四聖宝』と宰相の六人で、ラズライト外にある海へとやってきた。
*アズフィロラ編*
「お、さすがに脱ぐか」
「競泳すると言ったのはヒナタだろ」
溜め息交じりにシャツを脱いだのは、フィーラ。
普段団服や私服ですら着崩さないせいか、引き締まった身体を見るのは新鮮だ。ベッドの上だと既に意識が……な、うむ。
頭から湯気が出る思いでいると、準備運動をするフィーラは何かを思い出したように振り向いた。
「ひとつ言っておく。競泳中、黒い尾鰭が見えたらすぐに泳ぐのをやめろ」
「サメか?」
「に、扮したイヴァレリズだ」
「???」
疑問符を浮かべる私にフィーラは苦虫顔。
どうやら、サメ着ぐるみを着たイズがジョ○ズごっこといって、ラズライト騎士団の輸送係を脅かしたり、他国の間者を撃退しているそうだ。トルリットへ向かう途中現れたヤツに『ジョ○ズみたいだったぞ』と話した自分のせいだろうか。
頭が痛くなっていると、ゆっくりと背中に回った腕に抱きしめられる。
「安心しろ。ヤツ以外の危険物はラガーベルッカ様の結界に阻まれるし、傍には俺もいる」
髪を撫でながら額に落ちる口付けと堅い胸板に身体は熱くなり、心地良い心臓の音が届く。自然と笑みが零れた。
「うむ、頼むぞ」
見上げた私に、それ以上の笑みと二つ返事が返ってきた。
くそっ、イケメンめ!、と、頬を熱くしたまま離れると巻いていたパレオを外す。今度はフィーラが顔を真っ赤にした。
「おいおい、貴様がプレゼントしてくれたんだろ」
「いや……光栄ではあるんだが……その、な」
顔を逸らす彼からの贈り物、赤のビキニを着ている私。だが、下は紐パン。
準備運動する度に外れないか心配されるが、しっかり結んであるから大丈夫だと競泳をはじめた。
――が、数分後にはフィーラに抱きしめられたまま砂浜に座っていた。木陰は涼しいはずなのに全身熱く、両手で顔を覆った私は肩を震わせている。怒りで。
「あいつ、あいつ、絶対に許さん……舌打ちまでしやがって……!」
目尻からは涙が零れ、一息吐くフィーラの指先で拭われる。
背後では斬撃音や怒声。スティとアウィンが犯人を追い回しているのが推測されるが、その度に股が締まる。
原因は当然イズ。
すす~いと音もなく現れたサメ男に、あろうことか紐パンを盗られたのだ。ヤツ的にはブラを盗りたかったらしいが、蹴りを入れたフィーラに敗北。舌打ちしながら紐パンを盗っていきやがった。
「やはり私も仕留めに行く!」
「そんな状態で行っても標的にされるだけだ。イヴァレリズだけでなくティージ達にもな」
「どういう意……っ!」
不満気に顔を上げれば唇を塞がれ、パレオを巻いていた下腹部に手が入り込む。当然紐パンを盗られたのだからノーパン。簡単に茂みを割り、秘部に指を入れられた。
くちゅくちゅと鳴る音に、両手をフィーラの首に回して身体を密着させる。ナカに入った手も締めつけた。
「ヒナタ、手が痛い」
「なら……退けっああ!」
退けてくれるかと締めつけを強くするが、逆に長い指に奥を突かれた。さらに反対の指も後ろから挿入され、前後から激しく責められる。
「あうっ……あっ……あぁ」
「音が響いているな」
頬や首筋に口付けながら蜜音を鳴らされ、喘ぐしかない。
気付けば彼の頭を抱え込むようにし、胸元に顔を埋めたフィーラは谷間に舌を這わせる。
「あんっ……んんっ」
「下だけでなく……ん、口も音を出すのが好きだな……だが、あまり出すと他の連中にも気付かれるぞ」
そう言いながら、ワザと音を鳴らしているように思える。が、背後の音が上だと呟きを漏らした。瞬きを繰り返したフィーラはくすりと笑う。
「なら、試してみようか」
「へ……!?」
どこか含みのある笑みに目を瞠ると、指を抜かれ、腰を持ち上げられる。そして濡らされ、蜜を零す秘部に宛がわれるモノ。ゴクリと喉を鳴らす私の顎を持ち上げたフィーラは微笑んだ。
「聞かれたくないなら我慢するか……自分から口付けて止めてくれ」
「イれるのをやめる……は、ないのか?」
それなりに抵抗はしてみるが動悸は激しさを増すばかり。
そしてフィーラは何も言わない。が、イズに似た笑みを浮かべている。剣を持っていない今の彼では何を言ってもダメだともわかり、小さく口付けた。
「イかせたら……ヤツを仕留めてこいよ」
「ああ、それだけの刺激をくれたらな――」
赤の瞳に囚われたかのように、深い口付けと共に大きな楔を打たれる。
背後で追い回す音も声も聞こえなくなるほどの激しい快楽。甘美な声で囁かれれば酔いしれるしかない。熱い太陽に、激しく愛でる男に、どこまでも――。
目覚めると、真っ赤にさせた顔を逸らすスティから紐パンを差し出された。
「尾鰭に……引っ掛かって……ました」
私よりも恥ずかしいのか、黒ウサギに顔を埋めるスティを抱きしめる。
目の端には、サメ着ぐるみを着たイズが逆さ吊りで上げられ、フィーラを筆頭に突かれていた。
うむ、敵討ちありがとう────。
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*ラガーベルッカ編*
「おい、生きてるか?」
木陰に足を運んだ私は呆れ半分で訊ねる。
足元には逞しい筋肉がついた上半身を魅せるベルが寝転がっているが、最早死体とも言えるレベルで動かない。木漏れ日さえ嫌がるように覆われていた手が僅かに退けられると、ぼんやりとした翡翠の瞳が見えた。
腰を下ろした私はトランクス水着の盛り上がった部分を突く。
「あ、ちょ……ヒナタさん、なぜソコを突くんですか」
「答えなかった貴様が悪い。それに、生きてるか調査するにはココが一番いいんだ」
「ヒナタさんも厭らしい女性になったも……っ、すみません」
突き連打をお見舞いすると、謝罪と一緒に手を捕まれた。
向けられる笑みも掴む手もどこか力がないのは冬町生まれには辛い暑さのせいだろう。
「無理してこなくてよかったものを……貴様はバカだったのか?」
「問題ありません。ヒナタさんに着ていただいた可愛い水着姿を見て脱がすためなら我慢出来ます」
「バカだったんだな」
私が着ているリボンやフリルが付いたホルターネックのビキニは彼から貰ったものだが、冷たい目を返す。すると手を引っ張られ、厚い胸板に上体を落としてしまった。
顔面で受けた痛みよりも、普段何重もの服で隠れた身体が太陽の下にあるのが珍しくて叩く。
「引き篭もりかと思えば引き締まってるし……漢って感じだな」
「はあ、字が違う気がしますが、一応騎士団長ですからね。昔は鍛えていたんですよ」
「今も鍛えろ。良い老後を迎えられんぞ」
「問題ありません。ヒナタさんといるだけで鍛えられますから」
「わっ!」
大きな両腕に抱きしめられると軽々と持ち上げられ、身体全部が彼に乗る。頬を膨らませたまま顔を上げると、微笑むベルは肩を揉み揉み、くびれを揉み揉み、お尻を揉み揉み。
セクハラよりマッサージみたいで気持ち良く、でろ~んと敷物のようになった。
「ん……あっ、そこ、良い……」
「疲れが溜まってらっしゃるんですかね。それともこちらでしょうか」
「ああっ!」
厚い胸板に押し付けていた乳房を両手で揉みしだかれる。水着越しとはいえ、無骨な指が食い込めば違う気持ち良さが駆け上ってきた。
「んっ……はあ」
「腰まで動かして……そんなに気持ち良いですか?」
指摘通り、腰どころか片脚を股で挟み、上下に動かしていた。
暑さで自分もおかしくなっているのかと息を荒げている間にビキニのホックを外される。解放された乳房の先端は尖り、指先でぎゅっと摘まれた。ビリリと電流が走ったような刺激に大きく跳ねる。
「ああっ……!」
「元気に跳ねるヒナタさんは可愛いですね」
くすくす笑いながら掬い上げた乳房の先端をしゃぶられ、ビキニパンツを下ろされた秘部には長い指が入れられる。ゆっくりゆっくりと出し入れする下腹部とは違い、しゃぶる先端は歯で挟み引っ張るという意地悪だ。
「ああんっ……ベルっ……痛ぃっああっ!」
抗議の声は勢い良く挿入された指によって嬌声に変わった。
弓形になるほどの刺激に、胸板に落ちた身体は痙攣する。そんな背中を撫でながら横向きになったベルは優しいキスを落としながら私の片脚を上げた。砂のざらつきを感じるよりも先に、秘部に宛がわれているモノに気付く。
熱さと与えられた刺激によって声が出ない。
何より、木漏れ日から差し込む光に輝く汗と白銀。そして笑みに言うことはない。ベルも察したかのように口付けると、愉しそうに囁いた。
「これだけ乱れるヒナタさんを見られるなら、太陽の下も悪くないですね」
「貴様も……な」
なんとか出た言葉にベルの目が丸くなるがいつもの笑みに変わり、激しく貫かれた。
乱れる音も声もただ快楽へと変わり、暑さなど構わず更に更にと求めてしまう。互いに汗を落としながら、唾液を行き来させながら、蜜を零しながら、全身を満たしていく。
確かにこれだけ動けば一種の鍛錬にはなるかもしれない――。
目覚めるとアウィンがナイフを持つスティを取り押さえ、うちわを持ったフィーラがベルに風を送っていた。熱中症になったらしい男は変わらず微笑み『サウナでも作って、熱さに慣れますかね』と、わけがわからないことをほざく。
うむ、やはりこの暑さでヤるのはやめた方がいいな――――。
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*カレスティージ編*
「ラッコみたいだな……スティ」
「らっこ……?」
浅いところに入ると、スティを見つけた。
その腕には黒ウサギ。は、さすがに無理なため、一メートルほどのビニールウサギを抱きしめ浮いている。それがまるでラッコみたいで和んでいると、足かきしながら近付いてきた。
「ヒナさんは……ウサギ」
「ウサギ? ああ、水着か」
私が着ている水着はスティから貰ったウサギ模様入りのツイストブラワンピース。
裾を握ったスティが嬉しそうに微笑むと顔が暑くなるのは太陽の下だからだろうか。普段クッションや薄暗い部屋で見えない青の髪は海と溶け合うかのようで、藍色の瞳も両方見える。
「どうしました……?」
「い、いや……昼間なのに動いているのを珍しく思ってな」
「水の中……好き……団服以外で入るの……はじめてですけど」
「着衣水泳は危ないぞ」
ついツッコミを入れてしまったが、魔法があるのを考えるとそうでもないかもしれない。一息つくように浅瀬に座ると、スティが膝へとやってくる。相変わらず股に顔を埋め……。
「って、こらこら! 溺死するぞっ!!」
「? 魔法で息……出来ます」
ザブリと顔を上げたスティのきょとんとした顔に私はうなだれる。
先ほど魔法だと考えたばかりだというのに……慣れるまで時間がかかりそうだ。そして雫をポタポタ落としていたスティはまた水に潜り、股に顔を埋める。ブクブクと泡が出てくるのを見ると本当に溺れるのではないかと気が気ではないが、突然ビクリと下腹部が疼いた。
「え、あ、スティ!?」
潜っていてよくわからないが、刺激で予想がつく。ワンピースの中に入り、パンツに唇を付けているのが。
「ちょっ、水の中でするのはやめ……あっ!」
ザバザバと水音を立てるが、両足を掴まれ、バランスを崩す。
なんとか両手を砂に着け、倒れるのは免れたが、大きく開脚してしまったことに変わりはない。水の中でも彼が笑っているのがわかり、刺激という方法でパンツを舐めたことも伝わった。
「ああ!」
直接ではないのに、大袈裟なほど身体が跳ねる。
反対にスティはなんでもない様子でパンツに指を通し隙間を広げた。冷たい水と一緒に、挿し込まれた指が秘部を刺激する。
「あっ、んっあ……スティんんっ!」
「美味しそうなの……流れちゃいましたよ」
顔を上げた男は雫を落としながら微笑む。
それはとても愉しそうで、妖しく美しい。見惚れている隙に後ろへと倒されるが、水に埋まることはなく水面に頭が浮かんでいるような状態になった。驚く私に構わず膝立ちしたスティは両足を持ち上げると、どこから出したのかナイフを持ち、迷うことなくパンツを破く。
「捕まえたウサギは……ボクのモノ」
「ちょっ……ひゃっ!」
冷ややかな声と共に破かれ、露になった秘部に舌を這わされる。
「んっ……やっぱり生が良い」
素早い舌に、身体が跳ねるしかない。
その度に蜜は増し、舐めては吸い取られていくが、藍色の瞳だけは私を捉えている気がした。その奥にあるものがいっそう身体をおかしくする。息を荒げる私に微笑が向けられた。
「ヒナさん……欲情した目……してる」
「そ、それは……スティだろ!」
同じことを思っていたことに心臓が跳ね、慌てて言い返す。丸くなった目を瞬きさせたスティは首を傾げた。
「ボク……ヒナさんに欲情しない日なんて……ないですよ?」
「っ!」
迷いもない告白と一緒に水着越しに下腹部に当たるモノ。それはとても大きくて硬い。返り討ちに、海に沈みたい気分だ。真っ赤であろう顔を覆うように両手で隠すが、手の甲をノックするように叩かれる。開けば微笑む男が前屈みになって、顔を覗かせていた。
「ヒナさんは?」
「え?」
「ボクに欲情……しない?」
「うっ!」
「しない……?」
切な気な表情に胸が痛くなるが、動悸だけは高鳴る。それは彼の指が秘部に侵入し、掻き混ぜるだけで増していた。
「あっ、あ……ああっ」
「ヒーナーさーん?」
反対の手で胸を揉みながら耳元で呼ぶ声。
それが罠だとわかっていても熱くなる身体も零れる蜜も嘘ではなく、彼という男に弱くなった証拠だった。震えながら両手を広げた私に、たスティは嬉しそうに抱き付き、頬ずりする。
その目は期待しているようにも見え、今度は私が応えるように彼の耳元で伝えた。
「ん……私もスティが欲しい……いっぱいにされたい……」
「ん……いいよ。ボクの全部あげるから……全部受け止めて」
返される言葉と共に口付け、唾液を行き来させるように繰り返す。
いつしか首筋にも、胸にも落ち、その刺激に合わせるように自分で脚を広げていく。既に蕩けた秘部に待ち望んでいたモノが宛てがわれ、一瞬の内にして貫かれた。
その激しさや快楽を刻むように何度も――。
目覚めた時には情痴のことも忘れ、水遊びをする。
ビニールウサギを抱え浮いていたスティの上に乗るが、なぜか顔を真っ赤にし、ウサギから手を離した。そのまま溺れる格好となり、慌てて救出。咳き込む彼の背を擦るが、膝の上でぐったりしてしまった。
すると、慌てて駆け寄ってきたフィーラとアウィンも同じように顔を真っ赤にすると、目を逸らしながら言った。どうやら、破けたままのショーツで遊んでたのが原因らしい。
自分でしたことだというのに、スティもまだまだ青いなあ――――。
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*エジェアウィン編*
「よおーし、行くぞアウィン!」
「おうっ、ぜってー負けねー!」
準備運動を終えた私とアウィンは一斉に海へと入る。
クロールで競い、ビーチフラッグで競い、フィーラを海に落とし、追い駆け回され、イズ叩きをし……気付けば夕焼けに変わり、二人砂浜で大の字になって寝転がっていた。
「ふー、遊んだなーアウィン」
「おー……アズフィロラ、マジだったなー」
「イズを相手にしているのと変わらんだろうに」
「いや、さすがに黒王の方が……」
一息ついたアウィンが私を見るが、紫の瞳が大きく見開いていることに気付く。
どうしたと声を掛けると、右往左往に目を動かしたり、口をパクパク。だが顔が赤い。コロコロと寝転がりながら近付くと、アウィンはいっそう顔を赤くし、片眉を上げた私は抱きしめた。
「うげっ!」
「さっきからなんなんだ? 何が言いたい?」
ハッキリさせたい私にとって、彼の行動は不愉快だ。
不満気に顔を寄せると、アウィンは視線を別に移す。と、下腹部に手を突っ込んだ。
「ひゃっ、な、なんだ! あんっ!!」
前後に激しく動かされると、秘部に太い指を入れられる。
だが、気持ち良いと言うより違和感があった。私は彼から貰ったバンドゥビキニに、ミニスカートを穿いている。はずなのに、股はすーすーとし、なんの障害もなくアウィンの指が入っている。ビキニパンツを穿いてるはず……。
「って、ああっ! ビキニパンツがないっ!!」
「気付くの遅えーんだよ……」
「ちょ、なぜ!?」
まさかの事態に慌てふためく私は両手を離す。と、ため息をついたアウィンは反対。ショーツを穿いていない下腹部に頭を向けたまま寝転がり、ツンツンと秘部を突きだした。
「あ、ちょ、アウィンんんっ!」
「黒王の仕業とは思うけど……気付かねーお前ってなんなんだよ」
呆れた様子ながらも再度指を挿し込み、ズブズブと音を鳴らす。そんな音よりも、彼が目の前で見ていることの方が恥ずかしい。
「お、なんか蜜が増えたぜ。どうした?」
「アウィ……見る……なんんっ」
「やーだね。明るいとこで見るココと、お前の顔、すっげー欲情にかられる」
「何を……ひゃあっ!」
目が合った紫の瞳は夕焼けではなく、別の意味で熱くなっているのを感じた。それは秘部に寄せられた唇と舌に舐められた時に実感する。
「ああっあ、ああ……」
舌の感触に身体は動くが、遊び疲れているせいか思ったよりは動かない。その点アウィンは疲れた様子も見せず、更に舌の動きを早めた。
「ま、待っ……貴様んっ……まだそんな体力あっ……んん!」
「その遊びと……んっ、こっちの遊びが違えーんだよ……反対に食べたくてしょうがねー」
「私は食べ物か!」
「似たようなもんだろ?」
軽々といった返答に言い返すことが出来ない。
頬を膨らませる私にアウィンは意地悪く笑い、蜜を飲み物か何かと間違えているほど吸い続ける。その音が厭らしく、また気持ち良く、快楽を増幅させていく。だが、反対を向いている彼のズボンが目先にあり、中央で膨らんでいるものに気付いた。ゴクリと喉を鳴らした私はソレを触る。
「ちょっ、おまっ!」
「貴様が……ん、私を食べ物と言うなら……私にとっても貴様は……あん……食べ物だ……」
既に思考が蕩けているのか、口元に弧を描いた私はズボンを下ろし、大きく勃ったモノを取り出す。当然アウィンは慌てるが、止めるよりも先に食いついた。
「っあ!」
「んっ……んっ……んっ」
先端に食いついては袋へと舐め、白液を出させる。
私も飲み物かのように吸い上げると、呻きを上げるアウィンもまた蜜を吸い上げた。
「あああっ……あっ、んんっ」
「まだ……っ、俺も食事中……だからな」
汗を落としながら、くすりと笑っているのが見えた。
それからは互いに喉と身体を満たすため、目先で零れるモノ、膨れ上がったモノを貪るように食べ続ける。最初に音を上げたのはアウィンで、先端から飛び出した白液が顔にかかった。
「んっああ……はあ……」
「くっそ……さき……イかされたあ……」
悔しそうな声が聞こえるが、私は構わず白液を舐め、また肉棒に食いつく。が、止められた。
「だああー! もう、それ以上すんな!!」
「なんだ……負け惜しみか?」
手についた白液を舐めながら笑みを向ける私にアウィンは顔を真っ赤にする。と、臍を連打される。
「ちょおおおっ、それはなし! それはやめええっっ!!」
弱点である臍連打に快楽も忘れ暴れると、上体を起こしたアウィンが両脚を持ち上げる。無駄な体力を使ってしまった私が息を荒げているのとは反対、夕日を背に受ける男はニッコリ笑顔。
「よっし、じゃあ挿入して声上げながったらお前の勝ちな」
「な、なんだその勝負……っあ」
わけのわからない話に戸惑っている暇もなく、秘部に先端が入りこむ。
とっくに解かせているナカは簡単に彼を招き入れた。このぐらいならちょっとの声しか上げないだろう。何本も挿入してきた私を甘くみるな。なのに容赦なく揺すぶられてしまうと絶頂は早かった。
フィーラではないが、彼のハチマキがないせいだと思いたい――。
目覚めると、アウィンがイズと追い駆けっこをしていた。
どうやら私のビキニパンツを取り返そうとしてくれているようなのだが、堂々と振り回されているのを見るのは居た堪れない。
そんなわけで、ヒーローより先に悪を撃退した――――。
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*ヒューゲバロン編*
「バロン、何してるんだ?」
「ん~仕事だよ~~」
砂浜を歩いていると、膝下まで海に浸かっているバロンに手をひらひら振られる。
場所が場所なだけに彼もグレイのサーフパンツに白の長袖パーカー。髪も一本にまとめられている。新鮮な姿に少しだけ魅入っていると、眼鏡の奥で見える金色の双眸が海に向けられた。
「ベルデライト騎士団が~三方に~入れるように~なったら~結界張れて~被害を~抑えられる~でしょ~?」
「まあ、そうだな。弟もこの間入れたし」
「だからね~その場合~どのぐらいまで~張れば~いいかなって~でも~……飽きた」
「なんじゃそりゃ!」
「おっと!?」
感心がブッ飛ぶ台詞に、勢いよく水をかけてやった。が、寸前で避けられ頬を膨らます。すると笑顔を向けたバロンは振り上げた足で水をかけてきた。
「な、なんだっぶ!」
「はいは~い、ヒーちゃんの~負けねっぶ!」
シャツを脱いだ私は、水を含ませたそれをバロンへと投げた。今度はビンゴ☆
大変危険なので良い子は真似してはならんぞ。
「ヒーちゃん……これ卑怯だって」
「飽きたのなら気分転換だ。それに卑怯なことをしたヤツには同等のことを返さねばならぬだろ」
「じゃあ、僕も上着を投げてもいいってことかな~~?」
私の投げたシャツを手に、自身のパーカーを指す男の笑顔とバラバラ口調に黙る。
やられたからやり返す。それで“お合いこ”になると思ったが、この男相手では逆効果な気がした。一歩ずつやってくる水音にすぐさま逃げる! が、投げられたパーカーが足に当たり転倒。
浅瀬だから良かったものの見事に水も砂もかかり、上体を起こすと怒声を上げた。
「貴様、器用すぎるだろっ!」
「元~騎士団長~だからね~捕まえるの~得意~だよ~~」
「貴様の場合、その後の方が好きなんじゃ……」
性癖(?)を知っているせいかポツリと呟く。と、後ろから抱きしめられた。水音も気配もなかったせいか背筋に何かが駆け上り、ジタバタと動く。
「往生際が悪い子は好きだよ……調教しがいあるから」
「やっぱそっちか! っあ!!」
愉しそうな声が耳元で囁かれると首筋を吸われ、バシャリと水音を立てながら砂浜に両手をついた。すると、水を含んだパーカーが私の目を覆い、後ろで結ばれる。突然の暗闇に身体が震えはじめるが、ぎゅっと抱きしめられた。
「大丈夫、ちゃんと僕がいるから」
「そう言って貴様……また苛める気だろ」
囁く声が安堵の息をつかせるが、前科があることを忘れてはいけない。それを彼も覚えているのか、くすくす笑いながら耳朶を甘噛みすると、両手で乳房を揉み込む。
「あんっ……ああ」
「そういう恐怖心っていうのはね、快楽で忘れちゃえばいいんだよ」
「そ、そんなこと出来……っひゃあ、ああっ!」
揉む手が片方なくなると、ミニパンツを下ろされ、露になった秘部の上から水をかけられた。次いで指を挿し込まれ、ぐちゅぐちゅと厭らしい音が鳴り響く。
「ほら、気持ち良いだろ?」
「ああっ、あぁん」
「経験者から言わせてもらうと、暗闇も慣れれば視えるものだよ」
「そんなひゃっ!」
視力のソレとは違う気がしたが、勢いよく秘部から指を抜かれてしまい倒れ込む。冷たい水が熱くなった身体を冷やすが、ビキニから零れ、既に尖った胸の先端はビクビク反応している。と、バロンが距離を取るのがわかった。上体を起こすと、どこからかパンパンと手を叩く音。
「は~い、ヒーちゃん。僕のとこまでおいで~」
「はあっ!?」
まるで幼子かペットを呼ぶ声に絶句する。が、またパンパンと叩く音。
「大丈夫~いつも~ベッドで~どれが~誰の~肉棒か~分かる~ヒーちゃんなんだから~」
「例えが卑猥すぎるっ!!!」
「あっはは~本当のことなのに~……ま、そういう感覚は大事ってこと。深い方にはいないから、音と気配だけでおいで。無事これたら気持ち良いのあげるよ」
波風に煽られながら聞こえてくる声。
腕や脚を縛られているわけではないのだから目隠しを外せばいい。だが、それをしたら嫌味を言われる。絶対。
それなら行ってやろうと、四つん這いで声がした方に向かう。
そういう察知力は元から高い方だし、相手はバロン。何度こんな目に遭わせ、不敵な気配を漂わせてきた男か。半分恨みもあるせいか、ゆっくりながらも進んだ先。座る男の膝に手が乗った。
「へ~さすが~……調教してきた成果かな?」
「貴様の性格が悪いだけ……んっ」
砂浜に上がっていたことに頬を膨らませる私に、ご褒美といった口付けが落ちた。すべてを覆うように唇を重ね、舌と唾液を行き来させる。私の手が彼の股に下り、膨れているものを触った。
「んっ……いいよ。ご褒美だからね……好きにしな」
息を荒げる唇が離され、許しが出たことに私は上体を落とす。
まだ目隠しはしている状態なのに、彼を探すことよりも簡単に出されたソレがわかり、両手で掴む。熱く硬く大きくなっているモノに動悸は早くなり、何度も何度も舌を這わせる。
「欲しくてしょうがなかったのかな? 本当、ヒナタちゃんはエロいね~」
「うるしゃい……んっ」
頭を撫でられながら喉の奥まで肉棒を咥えこみ、乳房でも挟む。脈を打つ肉棒はだんだんと男の匂いを出し、口と両手の動きを早くした。
「んっ、ん、んんっ」
「ああっ……イいね……出すよ」
「んんんっ!」
頷くよりも先に口内で射精され、零れた白液が乳房にもかかる。
肉棒を離し咳き込んでいると抱き寄せられ、目隠しが外された。眩しい光に瞼を数秒閉じるが、眼鏡の奥にある金色と目が合う。
「ヒナタちゃんはやっぱり面白くて可愛いね」
「調教の……おかげさま……で」
頬を膨らませたまま顔を逸らす私に、バロンは数度瞬きするとくすくす笑いだす。
そのまま抱き上げると、濡れた秘部に白液を零す先端を宛てがった。私は何も言わず、ただ彼を抱きしめる。彼もまた、何も言わず腰を落とした。
調教されたのは身体だけではないというように――。
その成果もあり、スイカ割で目隠しした私は見事にバロンを叩いてやった。
うむ、良い子は真似してはならんぞ――――。
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*イヴァレリズ編*
「や~ん、なんで俺のスク水、着てないなりか~」
「途中参加者のを着るわけないだろ」
「だからと言って、アズの着てるってのは腹立つなりね~」
影から現れたイズの額にデコピンする私は、フィーラから貰った赤のビキニにパレオを巻いている。それを下から上へと見る男の服はいつも通りで、私の方が参ったように手を振った。
「見るだけで暑い。遊ぶなら着替えろ」
「おう、いいぜ。ヒナのお着替えターイム☆」
「は? え、ちょっ──!?」
キラーンと、目を輝かせたように見えたイズに腕を取られると、しゅぱぱーっと早着替えさせられた。それは初給料日に彼から貰った紺色のスクール水着。中学校以来だ。が、豊満に育った乳房が半分零れ、『ヒナタ』と縫い付けられた名札が谷間に食い込んでいる。
「や~ん、最上級にエッロ~い」
「ぐ、ぐるしい……」
明らかにサイズが小さい水着を脱ごうとするが、両腕を取られ、砂の上に押し倒された。木陰に入ったおかげか涼しい風が吹くが、跨がる男の笑みに全身熱くなる。
「ヒナ、すっげぇエロい」
「ならもう脱いでいいだろ!」
羞恥に顔を赤めたまま抗議するが、くすりと笑ったイズは頭上で私の両手を片手で捕縛すると、反対の手で乳房を揉みこむ。
「あ、こらっ!」
「いつものことだろ。ちゃんと苦しくないよう穴開けてやるから」
「あ、穴って……!」
細い小刀を取り出したイズはニヤニヤと、名札に切っ先を刺した。まるで子供が針で風船を割るようにプスっと。当然破裂音はしなかったが、ビリッと、小さな穴が開いた。
さらに小指を差し込まれ動かされるとビリッビリッと、音を立てながら広がった穴に舌を挿し込まれる。
「ひゃあっ!」
「お、急激にツンと尖ったモノ発見。どれどれ味見を……」
「ああ……っ」
谷間を舐めていた舌が引っ込むと、水着越しに勃ち上がっていた先端に吸いつかれる。そのまま舌先で転がされては歯で挟まれ、熱さと一緒に下腹部が疼きはじめた。
「あふ……あ……イズ……」
「ん? ああ、こっちにも穴が欲しいのか」
息を荒げる私に意地の悪い笑みを浮かべたイズは小刀を下腹部へ持って行くと、とあるところが冷風に刺激される。もしやと確認するよりも先に、ズブリと一本の指が穴を開かれた秘部に挿し込まれた。
「あああっ!」
「や~ん、すっげぇ濡れてる……ヒナってばホント淫乱」
くすくす笑いながらナカを掻き混ぜられると、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が聞こえてくる。それがとても恥ずかしくて顔を真っ赤にするが、顔を寄せたイズは楽しそうに言った。
「ヒーナ。このまま指で遊ばれるのと、大きいモノに遊ばれるの……どっちがいい?」
頭上で捕縛されていた腕は当に解かれているのだからいつも通り叩けばいい。怒ればいい。声を上げればフィーラ達がきてくれる。
しかし身体は指一本だけでは足りないというように疼き、もっともっとと蜜を零していた。当然この男は答えを知っているだろうが、零れる蜜を指先で緩やかに絡めたりと完全に遊んでいる。それがわかっていても敵うはずもなく、私は目を逸らしたまま呟いた。
「欲しい……大きいの……」
「や~ん、ツンデレヒナは可愛いね」
「う、うるさっん!」
反射のように上げた声は唇によって塞がれた。
抵抗をなくすように蕩けてくると、下腹部の水着穴が広がる音が聞こえる。次いで両脚を持ち上げられ、指とは違うモノが濡れた秘部に宛てがわれた。唇が離れると同時に、容赦なく貫かれる。
「ああああぁぁーーっ!」
「簡単に奥まで招くとか……ヒナの淫乱度には参るね……しかも歓喜の声なんか上げて、アズ達にバレたぜ……っ!」
“バレた”にぎゅうっとナカを締め付ける。
一息漏らしたイズは乳房を揉み込みながら腰の動きを早めた。
「ああっ……ああ!」
「ま、到着前に──イかせるけどな」
艶やかな黒髪を揺らしながら微笑む男の宣言通り、膨れ上がったモノが絶頂へと導く。同時にフィーラ達の怒声が聞こえたが、私は既にイっていた。
目覚めると綺麗な夕焼け空と反射した海。
しかし砂浜には『四聖宝』と宰相が身体を震わせながら俯けで倒れていた。ただ一人、私の胸元に肉棒を挟み、口に先端を入れて扱かせる男だけは愉しそうだったので歯を立ててやった。今まで聞いたことのないイズの悲鳴が響き渡る。
同時に、砂浜に転がる男達が一斉に股を押さえると、いたらしい魔王に『主はやはり悪女だな』と顔を青褪められた。
よくわからんが、スクール水着を処分出来て良かった――――。