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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*拍手小話~ステータス編~

*過去の拍手お礼SS集

*旦那様のステータス*

 


 先日は仕事中の旦那を拝見したので、今日は家庭としての旦那を見たいと思う。
 動きたくなる私はどうしても炊事洗濯を一人でしてしまうからな。たまには旦那にしてもらおう。

 


*アズフィロラ編*

 


「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「堂々と宣言されても困る話だが……まあ、何か用があるなら呼んでくれ」

 

 せっかくの休暇を、とか言われるかと思っていたので拍子抜け。
 それどころかなんでもない様子で両腕のシャツを捲くったフィーラは掃除をはじめた。彼が休暇の日はメイドさん達が休みなのもあるが、テキパキと動いている。
 暫くして、ソファで寝転がる私にコーヒーとクッキーが出てきた。

「……貴様、執事も似合うんじゃないか?」
「お嬢様、と、呼んでやろうか?」
「いえ……結構です」

 

 後ろから頬を寄せた男の声に一瞬身体が疼くが、平静を装うようにコーヒーに口をつける。私好みに合った砂糖とミルクに驚き訊ねると『見ていればわかる』の回答。すごいな。

 お昼ご飯には綺麗なオムレツとスープとサラダ。
 意外と家事力が高いことを知り、夕飯の買出しに街へと出掛けた。しかし、さすが『四天貴族』と『騎士団長』。歩くだけで声をかけられ、店ではオマケもしてもらった。

 

「あれ? 父様、母様」

 

 帰路の途中、よく知った声に振り向くと学校帰りのアサヒ。
 駆け寄ってきた息子をぎゅーぎゅー抱きしめると、真っ赤にした顔を胸元から出した。

 

「買い物ですか?」
「うむ、今から帰るところだ」
「そうですか。あ、夕飯はなんですか?」
「魚のムニエルにしようと思う」

 

 答えたのがフィーラだったせいか、当然アサヒと『ムニエルまで作れるのか』と私も目を丸くする。改まったようにアサヒは訊ねた。

「え、えっと、父様が作るんですか?」
「ああ。ヒナタは今日主婦業お休みだからな」
「うぐっ」
「父様も休みではありませんでしたか?」
「うぐぐっ」

 

 胸が痛い会話に唸るが『母様は働き詰めの毎日だからな。たまにはいいさ』とフィーラは笑う。それは貴様だろとツッコミを入れようとしたところで気付いた。四六時中働き詰めの旦那の貴重な休日を私はブチ壊していないか、と。
 いまさらながら冷や汗が流れる横で二人の会話が続く。

 

「では、今日の稽古はお休みでしょうか」
「いや、米を研いだ後に出来るだろ。その間に風呂の掃除を頼めるか?」
「はい、任せてください」
「いい! 私がやるから!! 二人はミッチリ稽古してご飯まで休んでてくれ!!!」

 

 痛すぎる良心に半泣きで声を上げるが、二人は首を左右に振ると私の手を握った。

 

「俺が良いと言っているのだから黙って待っていればいい」
「女王(かあ)様はゆっくりするのが仕事ですよ」

 

 柔らかな笑みを向ける父子に私の顔は夕日よりも赤くなり、口付けによって熱さは増す。帰宅後、風呂でベッドで与えられる囁きと快楽を混ぜれば、もうどうすることも出来なかった。

 ともかく、私は働くのが性に合っている────。

 

 

*旦那としての評価*

料理技術…★★★★☆(作れる物に限りがあるが美味い)
掃除技術…★★★★★(几帳面だ)
子供相手…★★★☆☆(アサヒ相手ならばな)
夜の営み…★★★★☆(口付けだけなら星五)
私への愛…★★★★★(言葉でも身体にも教えてくれる、うむ)


 

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*ラガーベルッカ編*


 

「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「承知しました」

 

 いつもの微笑を向けるベルに私も大きく頷いた。
 結果、午前中は書庫でゴロゴロアハンで終了。

 

「暇を持て余した定年退職者か!!!」
「のんびりが一番ですよ。はい、お昼ご飯」

 

 シャワーを浴び、怒号を落とした私の前に皿が置かれる。それは丸い巨大オニギリ。視線を上げると、ベルの手と一緒。

「お、中身は高菜とじゃこか。凝ってるな」
「私のには梅鮭が入ってますよ。食べます?」
「うむ、いただこう」

 

 熱を抜かれた私は特にツッコミを入れることなく昼食をモグモグ。
 お昼になると義弟と会い、預けていたルルを連れて買い物へと向かう。相変わらず下着屋にも堂々と入る男に呆れると、好みドストライクのランジェリーを手渡された。笑顔で。

 

「ぜひ今夜着てくださいね」
「き、気が向いたらな……」
「パ~パ、ル~ルのは~?」
「そうですね、ルルさんには……」
「やめろやめろ!!!」

 

 選んでも問題ないと思うが、一瞬ご近所の目を気にしてしまい、止めてしまった。どっかの男ではないが変……なんでもない。

 

 食材の買い出しも終えると、散らついていた雪が吹雪に変わっていた。
 困る私とルルを抱えたベルは一気に空を駆ける。こっちの方が痛い気がするが、結界のスペシャリストがいると何も当たらない。嬉しい。
 帰宅すると、学校帰りの二人が玄関で濡れたコートを脱いでいた。

 

「きょうねえ~せっちゅに~ただおか~!」
「うん、ただいまとお帰り。ルル」
「同じタイミングでしたですね」
「うむ、このまま風呂がいいかもしれんな」
「では、そちらまで移動しましょうか」

 

 風が私達の回りに集まると、身体が宙を浮き、風呂場まで運ばれる。
 便利だが、後で落ちた雫を拭かねばならんな。そして、ただシャワーを浴びるだけで良かったのに、念入りにあちらこちらと洗われ、一戦闘。だが勝てるはずはなく、成されるがまま胸板に背を預ける。すると、頭上から訊ねる声。

「ところで、晩御飯も私が作るんですかね?」
「ん? まあ、出来ればな」
「パパ、料理できたですか?」
「初耳……」
「パ~パのご飯~!」

 

 瞬きするセツとキョウカに、大はしゃぎのルル。
 暫し考え込んだ様子のベルだったが、すぐいつもの笑みを向けられた。結果、丸い巨大オニギリが出てきた。ん? デジャビュ?
 困惑する私、セツ、キョウカに構わずルルはパクリと食べる。

 

「ああ~! ステーキがはいってた~!!」
「「「ええぇっ!!?」」」

 

 ニコニコ笑顔でお肉が入ったオニギリを見せるルルに、私達もパクリ。私はツナマヨ+おかか。セツはゆで卵。キョウカはチーズ+昆布だった。無言で食べる私達にベルは微笑む。

 

「ビックリしたでしょ?」
「うむ……まあな」

 

 手作りと言えば手作りだし、具も違う。確かにサプライズにはなると思うが……三食続いたら飽きそうだ。実際、夜の営み中に腹の音が鳴り、ハリセンでベルを叩いてやった。

 食事は大事だ。特に夜を考えると────。

 


*旦那としての評価*

 

料理技術…★★☆☆☆(男の料理って感じだ)
掃除技術…★★☆☆☆(ひとつのことを終えないと片付けない)
子供相手…★★★☆☆(本を読んでいなければな)
夜の営み…★★★★☆(焦らしに焦らす。早くしてもらいたい)
私への愛…★★★★★(ウソ偽り……ない)

 


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*カレスティージ編*


 

「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「…………はい」

 

 暫し考え頷いたスティは、私を抱きしめたまま散らかった居間に倒れた。
 胸元に顔を埋めた男は寝息を立てている。え、お昼寝? もう?

 

「ちょ、スティ、起きたばかりだろ。もう少し何かするとか……」
「ヒナさんと……寝たい……のは……ダーメなんですか?」
「いや、そんなことはないが……」
「じゃあ……このままで……いぃ」

 

 小さく微笑んだスティはまた胸に顔を埋め、寝息を立てた。
 暖かな日射しが窓から射し込み、絶好の昼寝日和ではあるが……なんかなー。主婦的には布団を干したいなー。そんなことを思っていると、青ウサギを振り回すスズナが散らかった部屋を跳び回りはじめた。

 

「ちーち、あっそぼー!」
「こら、スズ! 机に乗ってはいかん!! 物も踏まない!!!」

 

 叱る私に構わず元気よく跳びついてくる息子に、スティは片足を上げる。と、足の甲でスズナの背中を蹴り飛ばした。

 

「スズーーーー!!!」

 

 予想通りの“遊戯”に慌てて手を伸ばすが、抱きしめられて動くことが出来ない。飛ばされたスズナは寝室のクッションに埋まった。

 

「ス、スズ! 大丈夫か!? スティ、あれは危ないと言っているだろ!!!」
「ちーち、もーいっかーい!」
「スズーーーー!!!」

 

 元気に帰ってきた息子に半泣きになるが、また蹴飛ばすスティに涙は意味がないと知る。虐待に見えるが、子供が喜んでいるならあり……なのだろうか。いや、みんなは真似しないでくれ。

 気付けば昼の時間となり、スズナとナズナを抱っこする私はスティの頬を突いた。
 いつもなら遊郭か騎舎でご飯をいただくそうだが、今日は作ってもらうぞ。そんな笑みを向ける私に暫し考え込んだスティは影に潜る。数分後、びしょ濡れのまま魚を獲って帰ってきた。
 最近、漁師の仕事でもはじめたのだろうか。

 

「ちーち、マグロどんどん?」
「ううん……鮭」
「それ、カツオだぞ」

 

 また違う魚を獲ってきたことにツッコミを入れながらナズナにご飯を上げる。
 しかし気にする風もなくビチビチ跳ねるカツオをまな板の上に置いたスティは、ナイフでグサリ。息の根を止めるかのように勢いよく刺したせいか、血飛沫が散った。

 

「ぎぃやああぁあぁーーーーっっ!!!」

 

 とんでもない光景に悲鳴を上げながら駆け寄るが、頬に血がついても『大丈夫』と微笑むスティ。内心震えるが、ひとまず様子を見ることにした。が、ただ切っただけのカツオがつまようじ付きで出てきただけ。

「スティ……」
「はい……?」

 

 きょとんとする男にガックシ肩を落とすと『面倒見てくれ』は撤回。
 変わらず散らかった家を掃除し、買い物し、ほかほか料理を作る日となった。そのお礼のように、風呂とベッドの中では尽くしに尽くしてもらい、終了。

 

 もう、この男は────。

 


*旦那としての評価*

 

料理技術…☆☆☆☆☆(もうやらせん……)
掃除技術…★☆☆☆☆(うん……)
子供相手…★★★☆☆(危ないが楽しそうだ……)
夜の営み…★★★★★(その力を別の方に……)
私への愛…★★★★★★★★★★(うむ……だからな)


 

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*エジェアウィン編*

 


「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「おう」

 アッサリと承諾したアウィンは掃除と洗濯を済ますと昼食に焼き飯。三時のおやつにパンケーキ。帰宅したアンナにもほかほかパンケーキ。晩御飯には唐揚げ定食を出した。

 

「スペック高すぎだろ!!!」
「あん、マズかったのか?」
「美味しいです!」
「さっすが、父ちゃん」

 

 私の出る番もなく終了し、悔しさから、風呂とベッドの上で愛でてやった。それはもう恥ずかしい顔をしたアウィンの顔を見れて大満足。

 

 やっぱりアウィンが私の嫁だな────。

 


*旦那としての評価*

 

料理技術…★★★★★(もうプロだな!)
掃除技術…★★★★★(言うことなし!)
子供相手…★★★★★(すごいではないか!)
夜の営み…★★★★☆(ちょっと荒いな!)
私への愛…★★★★★(可愛いヤツめ!)


 

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*ヒューゲバロン編*


 

「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「僕~普段から~そんな面倒~かけてたっけ~~?」

 

 ドラバイトにある家の温室。
 食虫植物の鉢を持つバロンのように、私も首を傾げた。言われてみれば、これといって面倒をかけられた覚えがない。休みの日は本を読んでるぐらいだし、散らかすこともないし、教会で育ったせいか料理も美味いし。

 

 趣味と言えば、この温室にある食虫植物ぐらい。
 それ以外聞いたことないせいか、鉢を移動させながら訊ねた。

 

「貴様、他に趣味はないのか?」
「ん~あと~ヒーちゃんの~お世話~?」
「おい、勝手にお世話対象にするっ!?」

 

 不満を言うと、長い蔓のようなものが身体に絡まる。こ、これは経験したことあるぞ……。
 ゴクリと唾を呑み込む私にバロンは微笑み、手に取った食虫植物の口を開かせると唾液を落とす。服が溶けた。

 

「やっぱり、いつかのアレか~! ひゃあっ!!」
「何年~経っても~学ばないね~~」

 

 他人事のように笑うバロンは私の服を溶かしていく。
 トロトロと零れる唾液は丁度乳房も秘部もギリギリで見える穴を開ける。どんだけ育成された植物達だ!

 

「はいはい、その怒りを快楽に変えようか~」
「あうっ……ああ……」

 

 主の声に従うように、蔓達は露になった胸の先端に絡みつき、愛液を零す秘部に入り込む。喘ぎを漏らす私の頭をバロンは撫でながら見つめるが、その瞳がいっそう身体を熱くさせた。
 その刺激はヒュウガがやってきても止まらなかったが、息子はいつもより怖い笑みを向ける。

 

「父上、遊ぶならもう少しソフトでお願いします」
「ソフトって~何かな~ヒーちゃんで~試してよ~~」
「母上が構わないならいいですよ」
「やめろーーーー!!!」

 

 助ける気がこれっぽちもない父子に意味はなかった。
 やはり植物を処分しようか────。

 


*旦那としての評価*

 

料理技術…★★★★☆(普通に美味い)
掃除技術…★★★☆☆(終わってから片付けるタイプ)
子供相手…★★☆☆☆(張り合ってるのもいい気はするが)
夜の営み…★★★★☆(なんでこんなに拘束プレイが好きなんだ……)
私への愛…★★★★☆(疑いたくなる)


 

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*イヴァレリズ編*

 


「と、いうわけで今日一日、私の面倒を見てくれ」
「手取り足取り任せるな~り☆」
「やっぱりいい」

 怪しい動きをする両手とニヤリ顔に終了。

 

「酷いなり~!」

 


*旦那としての評価(今まで見てきての判断)*

 

料理技術…★★★★★(意外に美味かった)
掃除技術…★★☆☆☆(脱ぎ散らしが多い)
子供相手…★★★☆☆(行方不明がなければな)
夜の営み…★★★★☆(緩急をつけて気持ち良いが胸攻めがな)
私への愛…?????(わからん)


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*男達から愛のメッセージ*


 

アズフィロラ
「いつもありがとう。守るべきキミがいるからこそ俺は迷いなく前を向いていられる。それはこれからも変わらない……だが約束してくれ。俺が帰ってきた時は笑顔で迎えてくれること、抱きしめてくれること……そして、俺への愛をその口で言ってくれることを。ん、なんだ、恥ずかしいのか? なら、ベッドへ行くより先に言おうか……愛している」


 

ラガーベルッカ
「愛していますよ。え、いつも言っていることと変わらない? 当然です。貴女が可愛らしくて愛しいと想うのは毎日ですからね。え、じゃあ言わない日があったら愛してないのかって? おやおや、可愛らしいことを言いますね……そんな日はありませんよ。私が生涯愛するのは貴女だけです。その証拠に、ありったけの愛を囁きながら身体に刻んであげますね……朝までずっと」


 

カレスティージ
「好き……大好き……愛してる……全部全部……嫌いなとこなんてない……全部ボクのモノ。ボクを映す瞳も、触れる肌も、溢す吐息も……今日今からこれからずっと……ボクのモノ。奪うヤツがいれば殺す、逃げれば捕まえる、泣いたら……快楽の海に沈めてあげる。ボクがいるから大丈夫……何も怖くない。だからずっとずっと……一緒にいてね?」


 

エジェアウィン
「あ、改まって言うのは恥ずかしいけどよ……ま、まあ、いつも感謝してるぜ。危なっかしいとこはあるけど、そこがまたお前らしいっつーか……ありがとよ。お前が傍にいるだけでオレもすげー嬉しいし、昨日よりもっと好きになる。ま、まあ、今となっちゃ“愛してる”だけどよ……これからもよろしくな」

 


ヒューゲバロン
「愛ね~キミは~言葉より~身体に~伝えた方が~悦ぶんじゃない~……ふふふ、冗談だよ。一度しか言わないから、よーく聞きな…………愛してるよ。恥ずかしがってる顔も、肌を隠そうとする仕草も、嬉しさで溢す愛液も、啼く声も……え? 苛めてるって? ふふふ、当然さ。その顔で求めてくるキミが何より僕は好きだからね。ほら、欲しいものを言ってごらん。上手に言えたら……ご褒美あげるよ」

 


イヴァレリズ
「や~ん、俺様誰様王様に愛を言わせるなら、その分の御奉仕するなりよ。え、胸でって? や~ん、聞いてくるなんてえっろ~い。あーはいはい。あのな、俺はお前の全部が好きなんだよ。膨らませた頬も、潤んだまま睨む瞳も、疼いている腰を動かしているとこも……だからヤらせろよ。お前のナカを俺でいっぱいにして、真っ白にしてやる。王なんか関係ない、お前だけの男としてな」

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