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破線サークル
フラワーアレンジメント1

​ 世界を駆ける

   

番外編*拍手小話~十月三十一日と十一月十一日~

*過去の拍手お礼SS集

*イタズラ大好きイズくんのハロウィン*

 

 

 やっほ~い。俺様誰様王様イズ様なり☆
 いつもなのかはじめてかは知んねぇけど拍手ありがとうなり~。ぽふぽふぱ~ん。

 さて、問題。今日は十月三十一日。なーんの日でしょー。そう、ハロウィン。題名にもなってんだからわかるよな。まさに俺のためにある行事なり。つーわけで、今回は趣向を変えて俺で進めていくぜ。さ~て、お菓子お菓子~。

 


~アズフィロラ編~

 

「トリック・オア・トリぶッ!!!」

 

 初っ端から顔面に足蹴りを食らって飛んだ。
 お決まりっちゃお決まりだし『影』で防御してんだけど、反動はくんだよ。そんな俺の目の前には、まだまだお仕事中真面目苦虫顔チキン幼馴染過労死第一位のアズ。

「なんの用だ」

 

 地を這うような声と極限まで上がった眉。そして手には剣。関係なく床に座り込んだ俺は両手を差し出した。

「いや、だからお菓子ちょうだい」
「……いいだろ。受け取れ!」

 

 瞬間、抜刀された切っ先が俺の手の平目掛け──即、両手を引っ込めると影に潜る。切っ先が床を刺す音が響いた。

 

「や~ん!意地悪~!!」
「『宝輝解放──煉獄鳥』」
「や~~ん!!!」

 影の世界に赤く熱い炎が渦を巻き、炎の竜が現れる。
 さすがに十年も経てば『宝輝』抜かなくとも『宝輝解放』する魔力持ってやがんな。無駄な魔力使いやがって。北にボランティアで渡せよ。

 

「燃え死せっ!!!」

 

 んなツッコミする前に、とんずらするのが先だった。
 くっそ~、やっぱアズじゃ期待出来なかったか。ふーんだ、この礼はキッチリしてやるなり~。


 

※アズフィロラ帰宅

 

「な、なんだこれは……」
「王様が『報復なり~』とか言って屋敷中の壁に落書きを……油性ペンで」
「イヴァレリズーーーー!!!!」

 

 一軒目完了なり~~。


 

~ラガーベルッカ編~

「トリック・オア・トリート!」
「戸棚の上から二番目に入ってますよ」

 

 リビングソファでペラペラ本を捲るベルッカの声にイソイソと戸棚を開ける。お、チョコレート発見。『も~らい』のメモ紙をペタリと戸棚に張ると早速もぐもぐ。うんめぇ。
 リスのような頬袋を作りながらベルッカに訊ねた。

 

「びにゃに、かしょうしゃせんにゃら、どんにゃのふぁいいふぉちょおみょう?」
「そうですねー……ありきたりな魔女や悪魔っ娘でも充分可愛いですが」

 興味ある話のせいか、視線を本に向けたままでも会話してくれるベルッカとは意見合うから好きだぜ。ヒナのことだけだけど。
 ごっきゅん、と、溜めていたチョコを消化すると影を纏う。

 

「じゃあ、今度は俺とお前とで3pしようぜ」
「私は独り占めが好きなんですけどね」
「じょぶじょぶ。俺はパイズリで、お前は巨根一発の中出しで」
「ああ、それなら考えておきましょう」

 

 微笑むベルッカに『じゃば!』と手を振ると影の中に潜った。
 ニ軒目完了なり~~。

 


~カレスティージ編~

 

「トリック・オア・トリート!」
「…………」

 

 や~ん、なんでそんな冷たい目を向けるのかね。義理でもパパには愛想よくしようぜ。しかも昼だってんのに薄暗いし散らかってるし、喚起ぐらいしろよな。
 そんなことを思っていると布団から上体を起こしたカレスは枕辺りをゴソゴソし、俺の手に何かを乗せた。『ナオ』のチ○ルチョコ。わーい。

「って、むっちゃ溶けてんじゃん!!!」
「そりゃ……ボクの頭の下にあったやつですから」
「いったいいつのだよ! 蟻がくるぜ!? 俺とお前の出会いのように!!!」
「殺せばいいと思う……」

 

 おっと、相変わらずサラリといいやがるヤツだな。そしてまた寝ちまったよ。
 健康にスクスク育ってくれたのはパパとしても嬉しいとこだけど、食中毒手前のをあげんのはどうかと思うのよ。よっし、ここは息子の体調を考え、衛生よくしてやろう。


 

※数分後、眩しさと寒さで起きたカレスティージ

 

「…………窓がない」
「ちーち。おそらにーくっしょんがーういてるー」

 

 三軒目完了なり~~。


 

~エジェアウィン編~

 

「トリック・オア・トリート!」
「あん? 自分で作れよ。ほら」
「え?」

 

 エプロンをしたアウィンにボウルと泡立て器を受け取る。
 中には既にクリーム状となったバターと溶き卵。つーか、よく見れば親子連れがワイワイなんか作ってるし。なんなのこれ?

 

「ハロウィンにちなんで料理教室やってんだよ」
「お前もやってんの?」
「父ちゃんが先生だよ」
「マジで?」

 

 瞬きをしながら黒板を見ると『アウィン先生の料理教室inハロウィン~かぼちゃパイとクッキー』と書いてある。まさか団長を辞めて先生職になるとは……まともなヤツー。
 溜め息を付きながら泡立て器でシャカシャカ混ぜると訊ねた。

 

「ちなみに、どんなのが出来上がんだ?」
「あん? これだよ」

 

 俺の問いに焦げ目が付いたカボチャ形のパイと、クリームとチョコのチェッカー型クッキーが乗った皿をアウィンが見せる。ふむふむと頷くと、混ぜ終えたボウルと交換。

 

「いっただき~!」
「「ああっ、泥棒ーーっっ!!」」

 

 クッキーを食べながら影に潜る。うん、美味い。ちゃんと俺は一仕事したし、礼分は貰うぜ。
 四軒目完了なり~。

 


~ヒューゲバロン編~

 

「トリック・オア・トリート!」
「ヒュウガく~ん、お菓子~持ってきて~」
「在庫切れです、父上」
「え?」

 

 給湯室から顔を覗かせた息子の言葉に俺の口角が上がる。
 同時にウキャキャ~と、悪魔耳と尻尾が出ると処理を終えた書類をばら撒いてやった。当然バロンの悲鳴が上がり、息子も頭を抱えている。ついでに裏に落書きしておこう。おっぱい、と。

 

 五軒目完了なり~。

 


~魔王編~

 

「トリック・オア・トリート!」
『主はバカか』

 

 両手を差し出す俺に尖がり耳に褐色の肌をした魔王は片眉を上げ、ヘビには威嚇される。誰であろうと関係ないなり。知ってるヤツんとこならどこへでも行くぜ。お袋に親父にトルリットにも。

『迷惑極まりないおとこだな』
「わかりきったこと言ってんじゃねぇよ。ほれほれ寄越せ」
『ふむ……ならばこれをやろう』

 俺の手に何かを乗せた魔王。
 ○○の○○○で○○○が乗って……。

 

「や~ん! グロイ~~!!」
『意外といけるかもしれぬぞ。たぶん』
「“たぶん”って言った~!!!」

 

 意地の悪い笑みを浮かべるクッソ可愛くねぇ魔王に舌打ちするとボリボリ取りあえず食う。チョコの味はすっけど、美味いかどうかと問われれば微妙。溜め息を付くと影に潜る──湯銭した大量チョコを魔王にぶっかけてから。

 

『黒王ーーーーっっ!!!!』

 

 知らないなーり。お前が悪いなーり。
 六軒目完了なり~。

 


~ヒナタ編~

 

「トリック・オア・トリート!」
「ほら」

 

 チョコケーキを貰った。終了。

 

「や~ん、つまんない~」
「な、なんだ!ちょっ……!!」

 

 ケーキを貰わず後ろからヒナの胸を鷲掴みし、膝に乗っけると揉み揉み。
 お、今日も良い柔らかさに弾力。出産してからバストアップもしたし、厭らしく揺れる揺れる。

 

「こらっ! ちゃんと渡したのに、なぜイタズラされねばならん!!」
「イタズラじゃくて愛情表現だって~、愛キャッチ☆」
「気色悪いこというな……んっ」

 首筋に吸い付きながら両手を服の中に潜り込ませ、生の乳房を揉む。服の上からとは違う柔らかさにツンと尖りはじめる乳首。ついでに耳孔に舌を這わせればいっそうヒナの嬌声が上がった。

 

「あんっ……はあっ」
「ヒナ、チョコちょうだい」
「こ、この状態でか……あっ」
「そ、ヒナの指でチョコ付けて、俺に食べさせんの。早く」

 

 片手をヒナのズボンの中に入れ、秘部を擦るとビクリと身体が動く。愛液もトロリと出た。くすくす笑っていると顔を赤くさせたヒナはゆっくりとチョコを指に付け、俺の口元に持ってくる。

「ほら……あーん……」

 

 言葉付きとは、どこの男に言われてんだか苦笑するが、舌を伸ばし、指先を舐めるとパクリと指ごと口に入れる。同時に乳首を摘むと母乳が零れ、ビクリとまたヒナの身体が揺れた。服から手を抜くと白いミルクの付いた指を舐める。

 

「んっ……甘い」
「ちょっ、イズ……んっ」

 

 さらに頬を紅潮させたヒナに口付ける。
 甘いチョコと自身が零した甘いミルクが混ざったものを渡すように。

 

「ふ……んんっあん」
「ん……ヒナ、まだまだ足りねぇぜ……今度はコッチに付けて舐めてやろうか」
「バカ……っあ」

 

 秘部に指を入れ、グチュグチュと掻き回す。
 感じているせいか、また乳房を揉めば母乳は零れ、愛液も増える。敏感な身体から漂う甘い匂い。それに誘われるかのように笑みを浮かべた俺はヒナを押し倒し跨った。

 んじゃま、美味いお菓子とイタズラの二重で可愛がってやるかね。
 薬指の宝石に口付けると、そのまま美味しくいただくことにした────。


※以下、ヒナタ視点です


 

*十一月十一日~アズフィロラ編~*

 

「「…………」」

 

 冷たい眼差しを向けるのはフィーラとアサヒ。その目はポ○キーを見ている。特に茶色い部分。何を言いたいかなど十年共にいればわかる私は赤ではない、緑の箱を取り出した。

 

「うむ、チョコ嫌いの貴様にはプリ○ツをやろう!」
「知っておきながらなぜ先にチョコを出した」
「母様、いじわるです……」
「定着したノリというものがあるだろ。ほら、アサヒ。あーん」

 

 ため息を付く二人を他所に、アサヒにポ○キーを差し出す。
 フィーラに似て少々甘い物嫌いなところがある子だが、このぐらいは大丈夫だ。礼を言ってポリポリ食べるアサヒに私もクッキー側から食べていくと、ピタリと止まったアサヒとフィーラが私を凝視。その間にアサヒまで辿り着いた私は“ちゅっ”と口付け。

「かかか母様っ!?」
「イヴァレリズでも乗り移ったか!? ドラバイトで除霊か!!?」
「失礼なヤツらだ。これぞポ○キーゲーム」

 

 首を傾げる二人に今度はフィーラの口にプリ○ツを差し込む。そして反対側をパクリした私はポリポリ。当然フィーラは顔を赤くさせ、プリ○ツを離した。

 

「うむ、私の勝ちだな」
「ルールを言ってからしてくれ……」
「単純に両端を食べていって、離した方の負けだ」
「それ、おたがいに離さなかったらどうなるんですか?」
「さっきのアサヒのようにキスをすることになる。まあ、合コン類の遊びだから……」

 

 “合コン”を知らないアサヒが首を傾げるが、フィーラが私の顎を持ち上げる。顔を近付けるフィーラに動悸が激しく鳴ると鼻と鼻がくっついた。

 

「ヒナタ」
「な、なんだ……?」
「そんなにキスがしたいのなら、菓子に頼らず口で言え」
「え……あ、んっ」

 

 笑みを向けるフィーラの口付けが落ちるが一瞬で離れた。寂しい顔をしてしまったのか、また笑みを向けるフィーラは親指で唇をなぞる。

 

「ほら、またしたいならなんだ……?」
「うう~~~……っ」

 

 その優しさと意地悪な笑みと声に私の陥落は早かった。旦那達の中で一番甘美な口付けをしてくれる男なのだから。

 

 アサヒが隠れてポ○キーを食べていたとしても────。


 

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*十一月十一日~ラガーベルッカ編~*

 

「ほら、みんな。あーん」
「「「「あーん」」」」

 

 暖炉で暖まる家でソファに座る四人。
 小さな口、セツ、キョウカ、ルルには甘いチョコ棒『ポ○キー』を差し込む。そして大きな口、ベルにはつぶした粳米を棒に巻き付けた『きりたんぽ』を突っ込んだ。

 

「げほっげほっ! なぜに私だけきりたんぽ……」
「? 十一月十一日はきりたんぽの日だからだ。ついでに晩御飯」
「そ、それで突っ込むのは、いささかイジメのように思えますが……そして熱いです」

 

 顔を引き攣らせながらも笑みを向けるベルに子供達はパキポキとポ○キーを食べる。
 うむ、そうか。さすがのベルでも、ふーふーして突っ込まねばならなかったか。それはすまなかった。うんうんと頷く私にベルの両手が伸びると抱きしめられる。顔を上げた先には満面の笑みを浮かべたベル。だが怖い。

 

「ヒナタさん」
「な、なんだ?」
「そんなに突っ込んでもらいたいなら今すぐ突っ込んであげますよ」
「え……あ、んっ」

 

 不適な笑みを向けるベルは膝に乗せた私の下腹部をズボン越しに自身のモノで擦る。刺激に身じろいでいると腰を浮かされ、彼のズボンから肉棒が取り出された。

 

「あ……ベル」
「大きいの、差し上げましょうね」

 

 満面の笑みと同時にショーツも下ろされた秘部に肉棒が挿入され、甲高い声を上げる。旦那達の中で一番大きなモノを持つ男のだからだ。

 自分の分のきりたんぽを持って子供達は当にリビングを出て行ったことなど知らず────。

 


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*十一月十一日~カレスティージ編~*

 

 カランコロンと音を立てながらラズライトの大通りをスズナと手を繋いで歩く。スズナの反対の手を繋ぐスティは首を傾げながら自身の足元を見つめた。

 

「なんで……下駄の新調したんですか?」
「ん? 十一月十一日は下駄の日だからだ」
「下駄の日……?」
「うむ、下駄の足跡が『11 11』に見えることから付いたらしくてな。今日からまた新しい下駄で一年よろしくと言うわけだ」

 

 笑顔の私に立ち止まったスティは地面に付いた下駄の足跡をスズナと屈んで見つめる。その姿は十年経っても可愛いくて微笑ましい。するとカランコロンの音と共に抱きしめられた。

 

「ヒナさん……」
「な、なんだ……?」
「“可愛い”って言っても思ってもダーメですよ……」
「え……あ、んっ」

 

 カランコロン音を立てながら路地裏に入ると着物の隙間に手を入れられ、ショーツを指が擦る。禁句用語に慌てて謝ろうとしたが時既に遅し。長い指が膣内に沈み、ゆっくりと掻き混ぜられる。

 

「あ……スティ」
「ヒナさんも……新しい蜜……出しましょうね」

 

 黒の笑みと同時に指が奥を突き、甲高い声は唇に吸い込まれた。旦那達の中で一番巧い手と指を持つ男に。

 

 後ろではスズナがカランコロン音を鳴らして遊んでいた────。


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*十一月十一日~エジェアウィン編~*

 

「さあ、行くぞアウィン! アンナ!!」
「なんでサッカーなんだよ……」

 

 晴天の空の下、教会前で赤いハチマキを手首に巻いた私とアウィンとアンナ。他八名の子供達。目先には青のハチマキを手首に巻いたパレッド達、十一名。

 

「十一月十一日はサッカーの日だからだ!」
「なんで?」
「十一人VS十一人だからだ!」

 

 威張る私にアウィンとアンナは呆れた眼差しを向けていたが、試合開始! 負けはせんぞ!!

 

 青空から夕日に変わった頃、既にぐったりな私はアウィンにおぶられ自宅に帰ってきた。アンナも夢の中で、揃ってソファに下ろされる。

 

「ったく、張り切りすぎだっつーの。歳を考えろよな」
「う~、そんなおばちゃんと貴様は結婚したのか」
「……冗談だよ……ったく」
「え……あ、んっ」

 

 覆いかぶさったアウィンは頬に口付けると服を脱がしていく。まだ風呂に入っていないせいか汚いというのに構わず舐め、舌が臍にくるとピクリと身体が跳ねた。

 

「あ……アウィン」
「綺麗な嫁さんに……すぐ戻してやんよ」

 

 どこか意地悪な笑みと同時に臍を舐め、ショーツを外した秘部も舐めると、最奥まで舌を伸ばす。旦那達の中で一番歓喜する舌を持つ男に。

 

 なのに、隣で眠るアンナはまったく起きなかった────。


 

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*十一月十一日~ヒューゲバロン編~*

 

「ほれ、ヒュウガ」
「バレッタ、ですか?」
「急に~どうしたの~~?」

 

 数度瞬きするヒュウガは両手に収まったバレッタを見つめ、判子を押していたバロンも首を傾げる。

 

「十一月十一日はお揃いの日だからな。私と貴様はバレッタを持っているというのに、ヒュウガだけないのは寂しいだろ」

 

 笑みを浮かべたまま、おかっぱのヒュウガの髪をまとめるとパチリとバレッタで留める。なんとも言えない様な表情をヒュウガはするが、小さな会釈と礼を言うと書類を持って出て行った。すると後ろからバロンに抱きしめられ、彼の膝に乗ったままソファに座る。
 その笑みはなんだか怖くて理由を訊ねた。

 

「いや~ヒュウガくんのって、ヒナタちゃんが買って来たの?」
「う、うむ」
「でも、キミがしてるのはイヴァレリズからの贈り物だよね」

 

 細められた金色の双眸に肩がビクリと揺れる。
 仰る通り、私が今している白と赤薔薇のプリザーブドが付いたバレッタは、イズが西のフルオライト旅行で買ってきたものだ。

 

「それを付けて“お揃い”は違うんじゃないかな~」
「す……すまあ、んっ」

 

 耳朶を甘噛みしながら片手で私の両手を後ろにまとめる男は、片方の手で私と自身のバレッタを外した。するとバレッタの留め具で露になった胸の先端を挟もうとする。

 

「あ……バロン…」
「いけない子は……お仕置きだよね」

 

 満面の意地悪な笑みと同時にバレッタで先端を挟まれ声を上げる。その声は当然唇に吸い取られた。旦那達の中で一番ドSな男に。

 

 扉の外でヒュウガが静かに書類を積み重ねていくことなど当然知らない────。

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