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番外編*キスシリーズ「鼻梁」

「はひ~暑い~」

 暑さで目覚める。ボーとする頭で時計を見ればまだ朝の五時過ぎ。
 いつもなら『わくわく農業紀行』のため早起きしますが、今日は放送のない土曜日。店もお休みなので、アイスを食べて寝直そうと身体を起こした。が。

 

「(はひっ!?)」

 

 全身に痛みが走り、ふーちゃんとハモる。
 特に痛みが激しい腰を支えながら振り向くと固まった。そして思い出す。昨夜アイスを餌に拉致られたこと、啼かされまくったこと、素っ裸でいるここが“彼”の家でベッドだということを。

 

(ていうか、こいつ……)
「はひー、息できてるんですかね?」

 

 呆れた様子のふーちゃんのように隣を見下ろす。
 同じく裸でも下半身はタオルケットで隠れ、ガタイの良い背中を見せつけるようにうつ伏せで寝ている帝王様。顔まで枕に埋めていることに生きているか心配になり、ツンツンと頬を突いた。

 

「帝王様ー、生きてますかー?」

 

 返答なし。今度はぐにーと強めに頬を押してみた。若干、日頃の恨みも込めて。

 

「んん゛っー……」
「あ、生きてた」

 

 唸りに安堵しながら頭を守っていると、仰向けになる帝王様。
 眉間に皺が寄っているが、その目が開く様子はない。脳内でふーちゃんと目を合わせると顔を覗かせた。

 

「帝王様ー、帝王様ー」
「……っんだー」
「イタズラして良いですかー?」
「ああ゛ぁ……?」

 

 まだ目覚めてないのか眠いのか、帝王様の反応は鈍い。ジッと見下ろしていると、薄く開かれた目と目が合い、滅多にない姿に動悸が少しずつ速くなる。

 堪えるように顔を近付けると、鼻梁に──キスを落とした。

 

 帝王様は寝惚けた様子で瞬きしている。
 胸板まで顔を落とした私は、女とは少し違う胸の先端を舐めた。一瞬、小さな呻きが聞こえたが、舐めるのはやめない。さらに反対の先端を指で弄ると、さすがに頭を捕まれた。
 視線を上げた先には睨む帝王様。

 

「てめぇ……何、Sになってんだ」
「私はフツーで……ちょ!」

 

 携帯を手に取った総一郎は動画モードにし、“あたし”へと替わる。
 突然のことに慌てるが、総一郎の口元に意地悪な弧が描かれているのがわかり、苛立ちからタオルケットと一緒に肉棒を握った。

 

「っ……おい、ふー」
「何よ、Sなことされたいんじゃないの?」

 

 余裕を見せながら両手で肉棒を扱くと、総一郎の手が伸びる。それよりも先に、タオルケットごと肉棒に食いついた。

 

「っち……!」

 

 舌打ちなど気にせず、いつもとは違う感触と味を楽しむ。
 少し厚いタオルケットに隠れた肉棒を口で感じるのは難しいが、両手で絞るように刺激すればビクビクと脈を打つ。さらに強めに食いつけば総一郎の額から汗が流れてきた。けれど、口元には笑みがある。

 

「された分を返されんのは……当然のことだよな、“ちー”?」
「はひ……ああぁ!」

 

 動画停止に“私”へ替わり、肉棒から口を離す。と、大きな両手に乳房を掴まれた。容赦なく揉み込まれるばかりか先端を引っ張られる。

 

「ああぁん……胸はダメ……ですんん!」
「の、割りには……てめぇもまだ離してねぇじゃねぇか」

 

 弱い胸を攻撃され喘ぐが、彼がいうように肉棒を扱く手も止まらない。次第に大きくなる肉棒にお腹の奥がゾクゾクしてくると、上体を起こした帝王様に肉棒から手を外された。

 

「あ!」
「くくっ、寂しい声だしてんじゃねぇよ……こっちがいいんだろ」

 

 いつも通りの笑みを浮かべた帝王様はタオルケットも退かす。
 現れたのは浅黒く聳り立った肉棒。血管が浮き出ているばかりか、亀頭から滲み出ているモノに唾を飲み込むと、私の乳房を持ち上げた帝王様は自身の肉棒を谷間に挟まさせた。

 

「っあ……熱いんんっ」
「っ……欲張りが」

 

 躊躇うことなく肉棒に食いつき、胸で揉み込む。
 熱くて太いのに、舐めることも頭を動かすのも止まらない。そればかりか速さを増すばかりで、髪を撫でていた帝王様は苦しそうに言った。

 

「出す……ぞっ」
「はぃんん゛ん゛っ!」

 

 頭を捕まれると、熱い滾(たぎ)りが喉奥に注がれる。
 量の多さに口から零れた白液が乳房にねっとりとついた。脈を打つ肉棒を舐める私の頭を撫でながら、帝王様は携帯を手に取る。

「……じゃ、トドメは“ふー”だな」
「良いな……よくないんんっ!」

 

 替わった“あたし”は文句を言うが、引っ張り上げられた上、口付けられた。侵入してきた舌よりも自分の口内に残る味の方が濃い。
 絡み合っている内に秘部には亀頭が食い込まれ、咄嗟に彼の首へと腕を回した。

 

「素直じゃねぇか『蓮火様』」
「うるさいんんっあああぁぁっ!」

 

 くすりと笑われると、容赦ない挿入と快楽が襲う。

 

「ああぁ……んんっ、激しンンっ!」
「そりゃ……“愛玩(おもちゃ)”にされた……お返しだからな……っ!」
「は、あ、あぁぁあーーーーっっ!!!」

 

 先ほど以上の大きいモノが“あたし達”を支配する。
 でも、嬉しそうに美味しそうに彼を飲み込み、卑猥な音を響かせていた。早朝でも何度でも、ただ身体は彼色に染まるだけ──。


 

 

 

「アイスなら、てめぇが爆睡してる間に全部食った」
「(はひいいいぃぃーーーーっっ!?)」

 彼色に染まるのはまだ早いようです────!

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