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番外編*キスシリーズ「足の甲」

「ちぃ~、ちぃ~」
「もう、春ちゃん邪魔」
「あふっ!」

 

 容赦ない肘に胸を突かれた俺は畳に倒れ込む。笑顔で。
 久々に入れてもらえた千風の部屋。学校の課題がメインではあるが、やはり好きな子との二人っきりは嬉しくてちょっかいをかけてしまう。
 座布団代わりに踏まれたい、キッと睨まれたい、あわよくば笑顔で押し倒されて股間を握られたい。

 

「もうっ最っっ高!!!」
「一人で何アホしてんですか」

 

 想像だけでイける気持ちを表すように、ゴロゴロ転がる。
 そんな俺に構わずノートにペンを走らせる千風だが、ピタリと手を止めると片眉を上げた。そのまま固まっている様子に俺は頬を赤める。

 

「悩んでるちぃ、かわいっが!」

 

 笑顔の足蹴りを食らい、またゴロゴロ転がる。が、立ち上がる千風に目を輝かせると両手を広げた。

 

「さあ、苛立ち発散に俺を座布団に「しません」

 

 即答した千風はベッドの端に座る。
 放置された歓喜に身を震わせるが、すぐベッドまで転がって行くと、垂れ下がっている素足に抱きついた。ぶらぶら揺すられても笑顔な俺に、千風は溜め息を落とす。

 

「変態」
「知ってる」

 

 冷たい目にゾクゾクしながら頬を擦ると──足の甲に隷属のキスを落とした。

 

 小さなリップ音を鳴らし、視線を上げる。
 不快そうに見下ろされるのとは反対に笑みを浮かべると、肩を蹴られた。さらに仰向けに倒れ込んだところで股間を踏まれる。

 

「ああっ!」

 

 悦びの声を上げると、ズボン越しに膨れ上がったモノを容赦なく爪先で擦られる。頬を赤めたまま見上げると、千風は笑みを浮かべた。

 

「ドM」
「知ってる……ちぃがSなあああぁぁっ!」
「私はフツーです」

 

 片足だったのが両足で踏まれては捏ねられる。
 ズボンから取り出したくとも伸ばす手は足で弾かれ、いっそう股間を踏む回数が増えた。

 

「ああっ、あっ、あ……ちぃ……ダメ……気持ち……外に出した」
「私の部屋が汚れるからダメ。ズボンの中で出してください」
「あぁ……Sいぃぃっ!」
「私はフ……はひっ!?」

 

 達する直前、勢いよく片足を上げると、千風の股間を押す。突然のことに千風は両脚を閉じるが、構わず挟まれている足を動かした。

 

「やっ、ああぁ!」
「Mはそっちでしょ?」
「っ……冬ぅうんんっ!」

 

 ショーツ越しに擦る足を、千風は必死に両手で押さえる。
 恥ずかしさよりも悔しい目で“僕”を見下ろすのは、携帯の動画によって現れた”ふぅ“。くすりと笑いながら足を引っこ抜くと、素早く起き上がり、千風を押し倒した。

 

「ちょっ、あっ……!」

 

 キッと睨んでいた目が見開かれるのは、僕の指がショーツの中に潜り、秘芽を擦っているから。そのまま顔の横に座ると、ズボンから膨れ上がったモノを取り出し、赤くなっている頬を先端で突いた。

 

「ちょっ、バっカ!」
「相方の責任は相方が取るものでしょ。ほら……あーん」

 

 いっそう顔を赤めたふぅの口に先端を宛がう。
 当然頭を振られるが、擦っていた指を膣内に沈めると、吐息と共に開いた口に先端を挿し込んだ。

 

「ふんっ!」
「ちゃんとしゃぶれたら、気持ち良くしてあげますよ?」
「しょにょ前に、きゃんでやるぅ!」
「へー……じゃあ、これ以上奥にはいけませんね」

 

 不敵に笑うと、奥に沈めていた指を秘芽近くまで抜く。
 その浅い場所を指一本で擦ると、吊り上がっていたふぅの眉が落ちた。

 

「やぁ……」
「これだけでイけるふぅは、やっぱりMですね」

 

 そう言いながら擦るが、実際は足りないのだろう。
 自然にくねる腰が指を奥に招こうとしても、すぐ元の場所へ戻し、快楽もない刺激だけを送る。次第に息を乱しはじめたふぅは僕を見上げると、不貞腐れたように呟いた。

 

「ドS……」
「知ってる……っ!」

 

 笑うと、大きく口を開いたふぅは肉棒の半分ほどまで食いつく。
 ぐぷぐぷと厭らしい音を立てながら舌先で舐めては吸いつかれると、春が感じていた快楽が押し寄せてくる。

 

「っはあ……上手。じゃあ、ご褒美」

 

 頭を撫でながら浅いところを擦っていた指を三本に増やすと、一気に奥へと沈めた。   

 

「んんっ!」

 

 突然のことに驚きながらも、怒りとは違う歓喜に似た表情でふぅはしゃぶり続ける。気付けば根本まで食いつき、口からドロドロと唾液を零す厭らしさに、肉棒に集まった熱が噴き出した。

 

「ふんんんっっ!!!」
「っ……!」

 

 吸えきれない白濁に、ふぅは顔を離す。と、すかさず口付けた。
 白濁と唾液が混じった口付けはなんとも言えないが、快楽だけは確かにある。だが、それは”二人“だけ。
 口付けながら胸を揉むと、ブラからはみ出し、尖りを主張する乳首を引っ張った。

 

「ああっ!」
「ん、”ちぃ“……今度は“俺達”がイこう」

 

 気持ち良く達した冬とふぅとは違い、裏側にいた俺とちぃはお預け気分。
 尖った乳首のように俺の肉棒も上を向き、ちぃの腰を持ち上げると挿入した。

 

「あああぁぁっ!」
「ああっ、イい……最っ高」

 

 充分蜜で解された膣内を進むと子宮の奥を突く。
 すると、普段文句を言うちぃは俺の首に両手を回すと耳元で囁いた。

 

「もっと……もっと突いてぇンンっ!」
「あは……良いよ。いっぱいいっぱい好きなとこ突いてあげるから言って……!」

 

 甘い囁きは命令。隷属者は従うだけ。
 いや、従いたい。必要とされたい。どんな命令でも快楽へと変える幼馴染の命令ならなんだって叶えてあげる。真っ白に弾けた世界の中だって──。

 

 

 


「春ちゃん課題やってー!」
「俺もわかんないんだってー! 冬、出てこーい!!」


 

 叶えてあげたくとも出来ないこともあるよね。
 それで罵られるのも最っ────。

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