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懐中時計

​番外編*四兄弟好き

*32話と最終話の間の話

 Liku、ではなく、Love。
 差異はないと思っていたのに、彼等が口にすると大きく異なると気付かされた。多様に使える『好き』と、一途な『愛』は別物だと。

 

 

 


「はいはい、退いてくださーい! 一緒に吸い取っちゃいますよー!!」
「ふふっ、レイちゃんが吸ってくれるなら大歓あああぁぁ~」

 

 笑顔で承諾したはじめさんに容赦なく掃除機をかける。
 時任家に戻って数日、私は大掃除に励んでいた。初訪問時よりはマシだが、籠から溢れた衣類や積み上げられたダンボール。なにより埃は許せず無心で進める。が。

 

「はじめさん、また筆が落ちてますよー」
「本当だ……えいっ」
「ふぎゃっ!」

 

 過去を再現するように転がっていた丸筆を呆れ半分で手渡すと、背後からスカートに筆を潜らせたはじめさんにショーツ底を突かれる。くすぐったさよりも腰がくねるのは日夜犯されている賜物か。

 

「ふふっ、イいね……パンツに染みができてる」
「言わないでくだっあぁぁ……!」

 

 羞恥で伸ばす手より先にショーツをズラされ命毛が秘部に触れると躊躇いもなく筆を挿し込まれる。

 

「っはん!」
「くぷくぷって音が聞こえるね……あ、出てきた……んっ」
「あっ、あぁ……!」

 

 抜き挿しの度に垂れる蜜を舐められる。異物と舌先、異なるモノは違和感を通り越して快楽だ。

 

「ふふっ。レイちゃん可愛い……気持ちイいんだね」
「っあ……はぃ……気持ひぃでンンっ!」

 

 素直な言葉が出ると振り向く。スカートから顔を出したはじめさん──ではなく、撮影している三弥さんと目が合った。

 

「ちょっ!? もっ、三弥さっああぁ!」

 

 気がそれた瞬間、筆の半分以上を押し込まれた。喘ぐ私に舌打ちが返される。

 

「せっかくイい画だったのに止めんじゃねぇよ」
「しょ、しょうがなっぁン、でひょ! へいうかンぁ、勝手に録ってるのはそっンン!?」

 

 文句は唇で塞がれる。すぐ離れたが、頬を膨らませる私に三弥さんは舌舐めずりした。

 

「無駄だって思い出したか? なら、ケイ兄を起こしに行くぞ。はじ兄、連れてきてー」
「Ok」

 

 二つ返事したはじめさんに筆を挿入されたまま抱えられ、二階へ上がる。
 絵の具の匂い、服の山、扉がない各々の聖域に頬が緩むが、足の踏み場がない部屋には重い溜め息が落ちた。つま先立ちでベッドに向かえば、部屋主である慶二さんが寝息を立てている。

 

 今日は土曜日。休日の彼は夕方まで寝るのがお決まりだが、外出予定のため早めに起こすことになっている。が、まだ時間ではない。寝かしてあげたい私を他所に足元の布団を捲った三弥さんは意地悪く笑いながら兄の股座を指す。

 

「ふふっ。やっぱりケイくんには朝フェラだよね」
「もう昼フェっちょちょちょ!」

 

 ツッコミより先にベッドに下ろされると三弥さんに頭を押さえ付けられる。鼻先には裸体の慶二さんから生える肉棒。慣れ親しんだ匂いに自然と伸びた舌先が亀頭を舐める。

 

「っ……!」

 

 反応に構わず舐め続けていると左右から異なる大きさの肉棒が差し出された。撮影する三弥さん、反対隣に座るはじめさんの笑みに迷いもなく握った私は扱きながら慶二さんのをしゃぶる。

 

「っ、ああぁ……零花さ……と、っぁあ」
「Morning、ケイ兄っあ……」
「ふふっ。レイちゃん、上手……僕も返すね」
「んぐっ、んっ、ふっ、ンン!」

 

 刺激に目を覚ました慶二さんは吸い上げにのけ反る。さらに私も筆どころかお尻に指まで挿し込まれ、反射で左右の肉棒を握り締めた。

 

「あっ、イいね……僕もしゃぶってもらいたい」
「俺もっ、そろそろ……っわ!」

 

 先走りの汁が両手に垂れた瞬間、背中に回った両脚によって反転。仰向けになった私の喉奥まで肉棒が押し込まれる。

 

「んんんンン~っ!!!」
「ダメです……零花さんのお口は私のモノですよ」

 

 自然と涙が落ちる私に対して頭上からの声は上擦っている。顔は見えない。だが、脈動と声色が違う『Ok』に諦め半分期待半分で口を大きく開けば頭を撫でられ、激しいイラマ+二本扱きの目覚まし係と化した。

 

 精液と筆攻めで達した蜜によって洗濯が増えるのも時任家だと思い出させる。後先考えない自分も。

 


* * *

 


「Oh.レイカー! 会いたかったよー!!」
「ちょちょちょシロウさンンっ!?」
「あら、まあ。ジューンに似て熱烈だこと」
「脱いでイい?」
「店内はダメだって」

 

 訪れたのは以前お邪魔した宝石店。
 案内された部屋には既にシロウさんが到着しており、ハグとキスの嵐。慌てる私や兄弟の会話に構わず慶二さんが店主さんに挨拶する。

 

「大勢で押しかけてすみません」
「いいのよ、好みは人それぞれだし。ほら、末っ子以外は腕を出して。お嬢ちゃんのもパーツを足すなら預かるわね」
「は、はい」

 

 メジャーを取り出す店主さんに右腕に付けていたブレスレットを渡す。彼女に付いて行く兄たちよりも先に測り終えていたシロウさんに手招きされた私はソファに座る彼の膝に着席。満足気に頬擦りされながらテーブルに置かれた多色石が収まるケースを眺める。数字パーツとは別に色を付けたいと用意してもらったそうだ。

 

「Oh.やっぱり誕生石かな?」
「そうなるとシロウさんはダイアモンド……なんか、イメージと違いますね」
「オレのイメージカラーって?」
「そうですねー……」

 

 五郎校長にプレゼントしてもらったブレスレット。
 それを知ったシロウさんの『オレもお揃いしたいー!』に次いで『じゃ、みんなで買おうか』と、はじめさんの笑顔で決まった今日。私が思う色をシロウさんとキラキラ輝く宝石を当て嵌めていくと、ひとつの石を指した。

 

「やっぱり、黄色(イエロー)……近いのは琥珀ですかね」

 

 髪色よりも濃い陽性さと、黄金より親しみやすい琥珀。安直かもしれないがシックリきた私にシロウさんも笑顔になる。

 

「Ok、オレはこれにする! ついでに兄ズのも選ぼう」
「えっ!? そんな勝手に……結構お値段もするし」

 

 五郎校長に貰ったブレスレットはもちろん、色が付いた宝石は一粒でも中々のお値段。来年から社会人となる私からすれば高額だが、シロウさんは人差し指を振る。

 

「No Problem。兄ズもレイカに選んでもらうのが嬉しいだろうし、Money(お金)も惜しまないよ。少なくともオレはイチ兄の次に稼いでるからダイジョウブ!」

 

 売れっ子モデルだったことを思い出させる自信満々のウインクと長兄には及ばない謙虚さ(ギャップ)に笑いが零れると改めて宝石を見下ろす。

 

「じゃあ、遠慮なく。はじめさんは爽やかな緑な感じでエメラルドか、このコーネルピン?とかいうので、慶二さんは……て、シロウさん?」
「What's up(どうしたの)?」

 真面目に吟味していた指先が止まるばかりかジト目を向ける私に対してシロウさんは笑顔。というのも、彼の両手が服越しに胸を揉んでいるばかりか、アレが太股に当たっているのだ。膝に乗ったのは失敗だったと、再び後の祭りで項垂れる耳元で囁かれる。

 

「Ya、仕方ないよね。三日振りなんだから」
「そうですけど……場所をね?」
「No Problem。オレの好きなプレイ知ってるでしょ?」

 

 ワザとらしく腰を揺らすシロウさんに口篭るが『レ・イ・カ』と、甘美な声で呼ばれてはすぐに疼いてしまう。店長さんの他に従業員が二人、場所柄防犯カメラもあるだろうに自然と腰が上がり、くすりと笑ったシロウさんはズボンチャックを下ろした。同時に座り直したスカートの中、さらにショーツの隙間に硬い肉棒が挿し込まれる。

 

「ニイ兄は青系(ブルー)ぽくない?」
「そう……ぁん……ですね……っラピスラズリ……とかぁ」

 

 前屈みになって宝石を選ぶシロウさんは大袈裟なほど腰を動かし、秘部と肉棒を擦らせ素股を愉しむ。じれったいのは数時間前の快感が残っているせいか、私も腰をくねらせれば頭上から僅かながらの呻きが聞こえ、視線が重なった。
 呼吸の速さと瞳孔の奥に見える欲情に唇も重なれば腰が浮き、秘部に亀頭が挿し込まれるのを感じると自分から腰を落とした。

 

「あふっ、あっあ……」
「っあぁ……Ok……イいね……じゃあ、サン兄は赤系(レッド)かなぁ……レイカのナカや乳首みたいな」
「言い方あぁ……」

 

 小刻みに腰を上下に動かすシロウさんは服の下から両手を潜らせるとブラジャーの隙間から乳房を揉む。長い指先に先端を擦られるだけでも充分なのに、首筋まで舐められてはナカを締めながらのけ反った──先に映るのは笑顔と呆れと不快、三者三様の兄三人。

 

 固まる私と覆う影にシロウさんも違和感を覚えたのか、振り向けば快楽とは真反対の悲鳴を響かせた。

 


* * *

 


「ったく、ヤるのはイいけど撮らせろって言ってんだろ」
「このぐらいですか?」
「ふふっ、レイちゃんのおマ〇コさん丸見え~」
「Oh.jewel(宝石)の方がちょっと濃いかな?」
「比べんでやがあああぁぁ~!」

 

 宝石店から移動した先はラブホテル。
 『NO』を聞いてもらえるはずもなく、キングベッドがある広い部屋で既に全員全裸。私に至っては慶二さんの膝に座り、両脚を開脚させられていた。明々とした電気の下、丸見えの秘部を当たり前のように撮影する三弥さんはシロウさんが持つ赤の宝石(ルビー)にⅢのパーツが付いた真新しいブレスレットと交互に見る。

 

「まあ、シまくったら同じ色になんじゃね?」
「えいっ」
「ひゃうっ!」
「Oh、オレのを挿入た後だから余裕だね」
「私からは見えないので、後で動画観せてくださいね」
「ちょっ、待っああ、あ、あぁぁ!」

 

 色を近付けるためか、はじめさんとシロウさんの指が挿し込まれた。
 緩急付けて抜き挿しさせるシロウさんとは違い、はじめさんは最奥まで押し込むばかりか『あ、手首まで入った』と口笛を吹く。ナカで不規則に暴れる指と乳房を揉む慶二さんにのけ反ると、跨った三弥さんがブレスレットを差し出した。意地悪な笑み付きで。

 

「せっかくだし、お前が付けてくれよ」
「こ、この状態で?」
「俺っぽいだろ? それとも夜景が綺麗なレストランとかで……おい、犯すぞ」

 

 慶二さんとシロウさん同様微妙な顔をしてしまうのは家で制服コス+妹キャラでする図しか浮かばないからだ。女子的には憧れるシチュエーションも、この兄弟となると違和感しかない。ひとりだけ笑っているはじめさんが未だ指を止めないように、不機嫌そうに巨根で乳房を突く今のやり方が三弥さんぽくて自然と笑いが込み上げてきた。

 

「ホント、私たちって女性向けじゃなくて男性向けにしかなりませんね」
「俺は永遠恥ずかしがって焦らす女より、さっさと股開くお前が好きだから良いんだよ」

 

 皮肉に赤めた頬を膨らませるが、顔を寄せる三弥さんの舌舐めずりに観念すると、受け取ったブレスレットを彼の手首に付ける。同時に重なる唇は荒々しく、口内で舐め回された。

 

「んふっ、んっ……はぁ」
「ふふっ、充分ナカは解れてるよ」
「っはあ……Thank you、はじ兄」
「ほら、零花さんももっと広げましょう」

 

 蜜にまみれた指を舐めるはじめさんの笑顔に慶二さんが私の両脚をさらに広げる。秘部から垂れる愛液に構わず、この世で一番大きいと思える亀頭を宛がわれた。恐怖などない。あるのはその先の歓喜だけで、染みついた台詞を口にした。

 

「あっ……お兄ちゃ……早く奥まで挿入て……犯してください♡」
「はっ、よーくできました──っ!」
「ああぁぁンっ!!!」

 

 解されていたはずなのに隙間もないほどナカを埋め尽くした肉塊に一瞬で達する。だが、打ち付けられる気持ち良さをもっと味わいたくて必死に意識を保ちながら慶二さんの腕にしがみついた。

 

「あっ、ひんっ……あ、ああぁ」
「Oh、オレもシたいシたい~!」
「シロウくんは先ほどシたでしょ。なので私です」

 

 三弥さんの携帯で動画を撮るシロウさんは口を尖らせるが、律儀にも青の宝石(ラピスラズリ)とⅡのパーツが付いたブレスレットを手渡す。

 

「てことで零花さん、私にも付けてください」
「む、むひでっあん、ああぁ……」

 

 頭上でブレスレットを揺らされるが、さすがに三弥さんとシている時に付けるなど難易度が高すぎる。早くも順番を間違えたと後悔するが、顔を覗かせた慶二さんは眉を落とした。

 

「私も三弥くんと同じぐらい零花さんを愛しているのに、零花さんにとって私は三弥くんにまで達してないとおっしゃるんですね?」
「がががが頑張ります! 頑張って付けます!! 付けさせてください!!!」

 

 皮肉に寒気がしたのは私だけではないのか、三弥さんの動きも緩やかになる。なんとか慶二さんの手首に付けると、微笑と共に唇を何度も舐めては口付けられた。

 

「んっ……愛してますよ、零花さん」
「ひゃい……んっ……は……あー」

 

 大きく口を開いた私に一瞬目を瞠った慶二さんはくすりと笑うと膝立ちになり、寝転がった私の頭を掴んだ。

 

「はい、喉奥までお願いします──ねっ」
「んんン゛ン゛ン゛っ!」

 

 興奮した声に合わせ肉棒が口に押し込まれる。
 昼フェラ時よりも力がある手と腰の激しさに苦しくて嘔吐くが、喉奥に当たる度にはにかむ慶二さんが嬉しくて、されるがまま受け入れた。

 

「はあ……零花さん、イいですよ……」
「ふふっ、ミツくんもケイくんも愉し……シロくん?」
「Boo! オレもオレも~!!」
「んんんっ!?」

 

 限界だったのか、携帯をはじめさんに手渡したシロウさんが乳房に顔を埋める。谷間で顔を擦りながら揉んでは両乳首を引っ張られる刺激に、股と口を締めてしまった。

 

「「っ!!!」」

 

 呻いた三弥さんはナカに、慶二さんは口内で射精し、引っこ抜かれた上下の口から熱い精液が散った。肩で息する私に|黄の宝石《琥珀》にⅣのパーツが付いたブレスレットを見せるシロウさんは笑顔で慶二さんの精液を舐め取ると唇を重ねる。

 

「んっ、ふ……はあ……ほら、オレのも付けて? オレはレイカのって首輪」
「首輪って……もぅ、恋人でしょぅ?」
「Oh Yeah!」
「おら、ノッポ。付けてもらいてぇなら一分ジッとしとけ」

 

 思考が半分快楽の海に流されているせいか、恥ずかしい言葉も簡単に出てしまい、犬耳が見えるシロウさんに抱きしめられる。が、三弥さんの指摘にピタリと動きが止まり、その間になんとかブレスレットを付けた。はにかみに私も嬉しくなるが、なぜか慶二さんに俯せにされ胸板に埋まる。

 

「私が先だと言ったでしょう」
「what!? イラマは違うの!?」
「当然でしょう。零花さんの涎と精液にまみれた興奮チ〇ポを挿入てこそ私です」
「そ、そうですけど言い方ああぁああンっ!」

 

 教師とは何か考える前に肉棒が挿入された。
 三弥さんので広くなっている上、ナカもモノも濡れきっているせいか障害もなく何度も最奥を突かれる。

 

「あっ、あ、ああぁ……!」
「Boo……イいもん。オレ、お尻挿入るから」
「あ、僕もレイちゃんのお尻の穴開けた~い」
「いいひゃたンンンっ」
「こら妹、俺んのも忘れんなって」

 

 目前で膝立ちになった三弥さんに巨根を口に押し込まれると、シロウさんとはじめさんが秘部を解した時のように尻穴を指で弄っては抜き挿しさせる。どこがどこからの刺激かわからない間に広げられた尻穴も肉棒で塞がれた。

 

「っ~~!!!」
「Oh……さすがに……っあ、お尻はまだ……狭いね」
「家帰ったら……ポール詰め込んで馴らすかっあぁ出る……」
「色々な玩具をお持ちなんですねっ……はあ、私も……っ!」

 

 頭と腰を違う手に掴まれると脈動と共に白濁が放出された。
 三穴同時攻めだけで既に達していたのに、貪欲な身体は流れ込んでくる精液を悦ぶように痙攣する。力ない私を抱き起こしたシロウさんはお尻に挿入したまま口付け、左右に座った慶二さんと三弥さんに乳房をしゃぶられる。喘ぎながら視線を送るのは笑顔で携帯を弄っている長男。

 

「はじ……め……しゃん」
「ん? なーに、レイちゃん……Wow、トロトロだね。ふふっ、閃きそう」
「あんっ」

 

 携帯を置いたはじめさんは優しく口付けてくれるが、その手は弟たちの精液が溜まった秘部に挿し込まれる。弄られる度に愛液と白濁が落ちるが、私は必死に首を横に振った。

 

「はじめ……さんの……あん、も……欲しいです」
「うん、いいよ……レイちゃんが選んでくれた物でレイちゃんに縛られるなら大歓迎。みんなと一緒ならもっと」

 

 柔らかな微笑と共に緑の宝石(コーネルピン)とⅠのパーツが付いたブレスレットを迷いなく手渡され、覚束ない手で付ける。下着も服も好まない金色の裸王の手首で輝く物は違和感があるのに特別な気がして、はにかんでしまった。そんな私に再び口付けたはじめさんは弟たちの手で開脚させられた秘部に焦らすことなく挿入する。

 

「あああぁあンっ!」
「ん……シロくんチ〇ポが抉じ開けてくれて、ミツくんチ〇ポが広げてくれて、ケイくんチ〇ポがよく濡らしてくれたおかげですごく気持ちイいね」
「いいひゃたああぁ! みなさんもっ、あん、なんで照れてるんですかああぁンンンっ!!」

 

 満面笑顔の卑猥発言に異議を申したい私とは反対に弟三人の頬は赤く、どこか嬉しそうだ。

 

「Oh、イチ兄に言われるとなんかムズ痒いんだよね」
「まあ、褒められてるのは本当ですしね」
「結局はじ兄には敵わないんだよ……わかんだろ?」
「……Yes」

 

 溜め息混じりの返事にはじめさんは小首を傾げるが、すぐ笑顔になると口付けながら腰を打ち付ける。
 やることなすこと文句を言っても毒気を抜かれ許してしまうのは人徳だろうが、私にとっては四兄弟全員が当てはまる。与えられる快楽がLikuではなくLoveだと知ってしまったから、どんなセックスも言葉で拒否しても身体がYesと悦んで受け容れるほど兄弟に甘ちゃん──否、四兄弟好き(Love)なのだ。

 

 そんなわけで、今日も佐々木 零花という私だけを愛してくれる愛しい兄弟に溺れるのであった。

 

 


「はじ兄が動画全部消しちまったっから、また最初からヤるぞ」
「Ok、今度はオレからね! あ、オニギリ食べてからでイい?」

「レイちゃん、おマ〇コさん見せて~」
「大学に行く予定ができたので、校内セックスでもイいですか?」

 

 翌日。帰宅した家で遅めの朝食を食べながら尻用の玩具を持つ三男、ご飯粒を付けている四男、両手に筆を持つ笑顔の長男、解雇など微塵も考えない次男の視線がソファに横たわる私に向けられる。が、許すにも限度はあるようで、小花とⅠからⅣのパーツが新しく付いたブレスレットが揺れるほど震える私は、渇ききった喉も腰痛も他所に怒りと嘆きが混ざった声を響かせた。


「こんのっ馬鹿たれ(だらくそ)共がああぁあ~~っ!!!」


 時任四兄弟は今日も卑猥でセックス三昧で、片付け含め家性婦は大変に────。

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