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懐中時計

​番外編*1月1日*はじめ誕生日

*はじめ視点

 師走も走り、除夜の鐘が鳴り響く。
 それよりも『Happy New Yeahなり~』と、覚えのある声に振り向いた。

「はじめさん!」
「兄さん」
「はじ兄!」

 

 音声ではない、生の声に呼ばれた僕はテレビから背後に目を移す。
 並ぶのは家性婦であり恋人のレイちゃんと、ひとり足りないが弟ケイくんとミツくん。見合った三人は『せーの』と声を合わせた。

 

「「「Happy Birthday!」」」

 

 普通なら『今日は』0時と出る言葉はテレビと同じだ。でも違う。新年よりも僕を選んでくれたことに同じ笑顔が零れた。

 

「ありがとう……レイちゃん、ケイくん、ミツくん」

 

 早くも心が歓喜に湧くと三人を抱きしめる。
 突然のことに慌てたり呆れたり恥ずかしがられるが、止まらない気持ちと身体は勝手に弟たちの頭を撫で、恋人に口付けた。

 

 今日は一月一日、元旦。そして、僕の誕生日だ。

 


* * *

 


「Oh.イチ兄! Happy Birthday&Happy New Yeah&Good Morning!!」
「ふふっ……ありがとう、シロくん。あと、おかえりとおはよう。あけましておめでとう」
「言うこと多っ! ていうか、新年ぐらい服を着てください!!」

 

 朝六時。帰宅していたのか、風呂上がりの末弟シロくんと抱き合う。
 そんな僕らの全裸は見慣れているはずなのに、ツッコミをしたレイちゃんの顔は真っ赤。シロくんと見合うと、二人で彼女を抱き上げた。

「誕生日だから僕の好きにさせて? だからレイちゃんも裸になろう? ね?」
「なにが『ね?』で『だから』ですか! 誕生日と私が裸になるのは関係ないでしょ!?」
「No no、すぐセックスするんだから裸が一番だよ」
「ふふっ……レイちゃんのお腹を僕たちの精液でいっぱいにできるなんて、最高のプレゼントだね」
「言い方あああぁぁぁんっ!!!」
「新年からお元気ですね……」
「ふわぁ……あ? ノッポいたのか」

 

 暴れるレイちゃんに口付けながらショーツの間から挿し込んだ指で秘部をイジっていると、二階からケイくんとミツくんが降りてきた。
 眠た気ながらもレイちゃんの口に指を挿し込んだり柔らかな胸を突いたりする。ケイくんは全裸、ミツくんは下半身丸出しと、いつもの格好で。

 

「わ、わひゃりまひた! そげのままでええけ、先に挨拶とお節を食べるに!! エッチはその後!!!」
「「「「Ok」」」」

 

 涙目で、口と秘部からは蜜が零れる。
 とても可愛い方言(お願い)に了承すると、くすくす笑いながら指に付いた蜜を舐めあげた。一番美味しい彼女には敵わないが、大切な恋人と弟たちと迎える誕生日とお正月は人生で一番イい日だ。


 日が傾いた頃。豪勢なお節とお酒に賑わっていたリビングは寝息に包まれていた。こたつで心地良さそうに眠る弟たちを眺めていると、食器を片付けたレイちゃんが呆れ顔でやってくる。

 

「静かになったと思ったら……」
「こたつってすごいよね……横になったら眠くなっちゃうんだもん」
「その割りに、はじめさんには効果ないんですね」
「ふふっ……だんだん眠くなっていくみんなの顔を見てたら可愛くて覚めちゃった」

 

 こたつの天板に頬杖をついたまま笑う僕に、ケイくんとミツくんの眼鏡を外したレイちゃんは目を瞬かせる。が、苦笑を零しながら上体が半分以上出ているシロくんにブランケットを掛けた。

 

「はじめさんって本当三人が好きですよね~」
「うん、好きだよ。でも、今はレイちゃんが一番好きで愛してる」

 

 微笑むと、レイちゃんが固まる。
 その顔は真っ赤で、小刻みに震えながらブランケットを握りしめた。

 

「だ、だんだん……」
「みんなを気遣ってくれるのはもちろん、お節とは別に僕の誕生日用のごはんも作ってくれるなんて、レイちゃんは世界一優し「それははじめさんやがあああぁぁっ!!!」

 

 勢いよくブランケットを頭から被される。
 すぐ外してくれたが、顔どころか耳まで真っ赤のレイちゃんに小首を傾げた。

 

「どうしたの? 熱いの?」
「ええ……褒められすぎて恥ずか死します」
「えっ、褒められると死んじゃうの? レイちゃんのダメなところなんてひとつもないし、いっぱいいっぱい愛んっ」

 

 焦る口を口で塞がれる。
 とても小さな唇だが柔らかく、軽やかな口付けなのに高揚感に包まれた。離れたレイちゃんは胸板に顔を埋めるが『レイちゃん?』と囁けば、紅葉を散らした顔を見せる。視線は合わないが、僅かに濡れ震えている唇が開いた。

 

「はじめさん……は……兄弟想いで優しくて……笑顔が素敵で……画も本人みたいに綺麗で」
「ふふっ、ありがとう」

 

 小声でも充分に聞こえる賞賛に嬉しくなる。御礼の代わりに頭を撫でるが、レイちゃんは続けた。

 

「引き篭ってるのに筋肉ついてるし……硬いし……でも、私を包んでくれる時は暖かくて……柔らかく感じるのは……」

 

 ゆっくりとレイちゃんの手が胸板に触れる。
 手の平は僅かに震えているように感じるが、視線を合わせた彼女ははにかんでいた。

 

「はじめさんがたくさん私を……愛してくれてるからですかね?」
「……っ!」

 

 身体中が熱くなる。
 暖房器具、外側からの熱ではなく内側から発される熱。

 

 彼女が言った数々は今までも賞賛されたことがある。でも、彼女に言われると天にも昇る心地だ。いつものように『ありがとう』と返せないのは、嬉しくて喉が詰まっているから。
 その証拠に気付いたレイちゃんは気恥ずかしそうにこたつ布団を上げた。

 

「はじめさん……勃ってますよ?」
「ふふっ……バレちゃった」

 

 隠れていたモノが、大きく聳え勃っているモノが露になる。
 それはレイちゃんの手に包まれるどころか扱かれ、僕もまた彼女の上着を捲ると下着を外し、大きな乳房を両手で揉み込んだ。

 

「んっ……レイちゃんのおっぱい……いつも大きくて柔らかくて……乳首が吸ってって言ってて可愛い」
「ひゃっぁ……はじめさんのだって……もっと強く扱いてって言ってて可愛い」

 

 互いに頬を赤め笑いながら僕は乳房にしゃぶり付き、レイちゃんは扱きを速めた。卑猥な吸引音や蜜音に構わず、ぷっくり尖った先端を舌先で転がしては引っ張る。と、嬌声を上げたレイちゃんが亀頭を摘まんだ。

「っああ……!」

 

 僕もまた呻くと、びゅるびゅると白濁が宙を飛んだ。
 息を切らしながら仰向けで寝転んだ先には、白濁が付いた手を美味しそうに舐めるレイちゃん。

 

「んっ……はじめさんの精液……美味ひぃ」
「嬉しい……じゃあ、いっぱい御馳走するからマ〇コ広げて?」
「もうっ……今日ははじめさんの誕生日なんですから、御馳走するのは私です」

 

 そう頬を膨らませながらも、躊躇いもなくショーツを脱いだレイちゃんは膝立ちで跨る。顔の上に。
 真上から落ちてきた蜜が頬を濡らすと熱が増し、秘部に指を挿し込んだ。ぐるぐる回す度にナカは濡れ、蜜が落ちてくる。

 

「ひゃあああぁ……もうっ……遊ぶはじめさんも好きですけど……ちゃんあああぁぁんんっ!」

 

 勢いよく腰を引き寄せると秘部に顔を埋める。
 熱く甘い愛液が止め処なく溢れ、舌先で舐めては逃さないよう吸い上げた。レイちゃんは身体を揺らすが、その顔は快楽に染まっている。

 

「んんっ……レイちゃんのマ〇コ汁は絶品だね……毎日飲みたい」
「あああぁっ……毎日あげまあぁっ……!」

 

 吸い付きの強さにレイちゃんはのけ反り、潮が噴き出す。
 当然僕にも掛かったが、構わず舐めながら上体を起こすと、胸板に寝転がった彼女を抱き寄せた。肩で息をしているレイちゃんの目は虚ろ。だが僕を見ていることがわかり、涎を零す唇に口付けた。

 

「んっ……レイちゃんの御馳走……美味しかったよ」
「よひゃった……ああっ」

 

 はにかみが驚きに変わるのは腰を浮かせた股間に亀頭を宛がったからだ。
 秘部からはまだ愛液が溢れ、白濁に濡れた亀頭と混ざり合う。小刻みにレイちゃんの身体が震えているが、それは歓喜だと、僕と同じだと理解しているモノ同士は迷いもなく重なった。

 

「っ~~!!!」

 

 挿入と共にレイちゃんの目が見開かれる。だが自然と腰を揺らしては最奥へと導いた。

 

「っはぁ……レイちゃんのナカ……今日も僕を歓迎してくれてるね……嬉しいな」
「ひゃうっ、あっ……はじめしゃんのも……好きなとこばかり突いひぇ……うれひっんんん!」

 

 両手を背中に回し抱きしめると繋がりが深くなる。息を切らしながら視線を重ねると微笑んだ。

 

「レイちゃん可愛い……愛してるよ」
「もうっ……上手なんやけ……でも……私も愛してます」

 

 真っ直ぐな目と偽りのない言葉に熱と感度が最高潮に達すると口付けた。同時に形となった愛がナカで噴き出す。

 新年よりも誕生日よりも、褒められ愛し合うことがこんなにも嬉しいなんて知らなかった。狂ったように求め囁いてしまうのは彼女だからだろうが、しばらくハマってしまいそうだ──。

 

 


 

 

「ケイくん、いつも僕たちのことを考えてくれてありがとう。身体には気を付けてね……あ、ミツくんの新刊読んだよ。女の子がすごく可愛くエッチに描けて羨ましいな。シロくんは本当にイい子でカッコイイ弟ですって、つい出版社の人に自慢しちゃうんだ……あ、レイちゃん。その髪形も可愛いね」
「はじ兄ヤメテ……マジでハズい……!」
「Noooo! なんで誕生日のイチ兄に褒められまくってるの!? でも嬉しい!!!」
「零花さん、何かしました?」
「いや……いつも通りのはじめさんっすわ……」

 

 褒める前に思ったことが口に出てしまう。なのにみんなの顔は真っ赤で小首を傾げそうになるが、気にせず微笑んだ。

 

 だって僕の恋人と弟たちはとてもイい子だから────。

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