top of page
家性婦
00話*「家政婦募集」
『家政婦募集』
ふと目にした、大学の掲示板。
サークルメンバー募集やお知らせなど様々なチラシが無造作に貼られ大きく主張するなか、端のまた端。他のチラシに半分以上隠れている小さなメモ用紙に目を留めた。
「家政婦……」
誰もいない夕暮れの廊下で呟く。
そっとメモを手に取ると窓から差し込む夕陽が影を伸ばし、次第に私に合わせて動いた。切迫詰まっていたのもあるが、不思議と惹かれた募集主がいる場所に駆け足を響かせながら向かう。
その選択が正解か不正解かはわからない。
でも私は行ってしまったのだ。
「Oh、それは“家性婦”ちゃんの仕事だね」
「家のことも俺ら兄弟のことも」
「すべて貴女に面倒を見てもらいますよ」
「ふふっ……もちろん、それ以上の愛を僕たちは返す……Ok?」
異なる声はどれも甘く、口付けと共に快楽が与えられる。白濁まみれの私を見下ろす四人は愉悦を含んだ笑みを浮かべ、目に映る私もまた、はにかんで応えた。
「Yes……っ!」
求められることに悦び、快楽を返す。何度も何度も。
あの日、偶然見つけたメモの先がこうなるなんて思いもしなかった。でも、たどり着いてしまった。
彼ら、兄弟のもとへ────。
bottom of page