カモん!
番外編07*「うみの家族」
*最終話から数年後のお話。~~~~*=視点変わります
あったかくて、ふわふわなおふとん。
ずっとねていたい気持ちよさに何度か、ね返りすると、おいしそうなにおいに目めを小さく開ける。ウィンナーさんとたまごさんのにおいだ……!
目めが少しずつ開いてくると、カーテンの間からお日さまが見えた。
顔を横にすると同じベッドにパパとママがいないことに気づき、あわててペンギンさん時計を見る。ちっちゃい針は6をさし、おっきい針は1。
まだネムネムだけど起き上がり、お日さまにむかってペコリとおじぎした。
「お日さま……おはよう」
あいさつしていると、さゆう三つあみにしたかみも一緒に落ちてきた。ほどいていると、ドアがゆっくりと開き、顔だけのぞかせたママが笑顔を見せた。
「羽実(うみ)ちゃ~ん、おはようで~す」
「ママ~おはようです。パパまだ行ってないですか?」
おたがいに頭をさげるが、うみはまゆも下げる。
朝早いパパに“いってらっしゃい”を何度か言えなかったので今日はどうだろうと不安。すると、クルクルの長いかみを後ろでまとめ、白のエプロンを着たママがベッドの前でひざを折ると、頭をなでてくれた。
「海雲さんは小さい針が“7”の時に出ますから、全然大丈夫ですよ」
「もうちょっとしかない~ぜんは急げ~時はカネなり~」
「羽実……それ、寺置に習っただろ」
「パパ~!」
首を横にするママの後ろから、ため息をつくパパが顔をだす。
スリッパもはかずベッドからおりると、パパのもとにかけ寄った。“へ”の字の口の時もあるけど、やさしい笑顔で抱っこしてくれる。ほっぺにスリスリしていると、ママがまゆを下げた。
「羽実ちゃんはママよりパパ大好きなんですね……」
「ママも大好き~スリスリ~」
ママの方に体を向けると手をのばす。
同じように笑顔ママの手がうみに届くけど、パパにだっこ中のうみのほっぺと背のびしたママのほっぺは届かず、二人で“ん~”とひっしに顔を近付ける。
なかなか届かないでいると、パパがママのほっぺに近付けてくれて、やっとスリスリ。パパもママも笑顔になるが、とちゅうでママはほほをふくらませた。
「海雲さん、さっきの遊んでました?」
「……………………メシにするか」
「海雲さーーん!」
「パパ、ママ、ケンカはダメで『おっまえ、毎朝毎朝いい加減にしろってーーーーっっ!!!』
あわてて両手をふっていると大きな声がひびく。
その声のぬし、おとなりさんの方を三人で見ていると、ドタンバタンと毎日お約束のうるさい音。三人、顔を見合わせた。
「……羽実、隣の“寺置家”に比べたら俺達は可愛いもんだ」
「それに私達のはケンカじゃくて夫婦のスキンシップです」
「ママ、ウソいかり~?」
「はい?」
「もう……頭から抜けたんだろ。しかし、あいつらも毎朝飽きないな」
「まきたん今日も元気ですね」
「しーちゃんも大変だ……」
十階建てマンションの一番上は二部屋しかなくて、うみの家族と、おとなりのしーちゃんの家族が住んでます。
しーちゃんのママは、ママとお顔はソックリな、まきちゃん。そしてパパと一緒に働いている、まもちゃんがパパさん。あと、妹のりっちゃんの四人家族。うみの家よりも元気!
そんな元気しーちゃんちにパパとママは笑ってるけど、あんなに毎日ケンカしててだいじょうぶなのかな……?
* * *
「ケンカじゃなくて遊んでるだけですよ」
「あれ、遊んでる音なの?」
こかげの下で、しーちゃんこと“てらおき しおん”くんと一緒に、ようち園のすな場でおっきな四角の台を作る。しーちゃんの表情はパパやまきちゃんみたいに“へ”の口だけど、きれいな顔と、かたまでの黒かみはまもちゃんにソックリ。
しーちゃんとうみは同じ年で、ようち園もクラスも同じ。
妹のりっちゃんはまだ二才だから、おしごとのまきちゃんとまもちゃんのかわりにうみのママが家であずかってる。
ペタペタと台を作り終わると、その上にちっちゃな山を三つ作りながら朝のことを聞いてみた。けど、しーちゃんはいつも通り。
「父さんが言うに、母さんはすなおじゃないので“良い子”にさせる遊びをしているんだそうです」
「ホントに良い子になるの?」
「はい。あの声の後に十分ぐらい何かしたら、本当に母さんが白はたを上げますから」
「まもちゃんってまほう使いなのかな」
メガネのまもちゃんはママみたいに毎日ニコニコ笑顔。
そんな二人にパパとまきちゃんはいつもため息をついてる。にた者どうしに、うみのまゆが下がった。
「あまりにもママとまもちゃん、パパとまきちゃんがソックリだから、その二人が“ふうふ”っぽく思えちゃう」
「羽実が思ってるだけで、じっさいはありえませんよ」
山を作り終えるとハッキリとしたしーちゃんの声。
うみは台の前で指を動かし、しーちゃんは水で手をあらうとスコップでもようを入れる。
「りまがいつも『パパすき』と言ってますが、父さんは笑顔で『らいせで好きになってあげますね』って返事してますから」
「らいせっていつ?」
「自分が死んで、次に生まれた時」
その言葉になんて答えたらいいのかわからない。
それってつまり、まもちゃんかもしれないけど、ちがうかもってことでしょ?
それ、五才のうみが聞いてもわからないのに、りっちゃんに言ってもわからないよ。
首を横にしていると先生の呼ぶ声が聞こえ、周りのみんながクラスにもどって行く。うみも手をあらって道具をかた付けるけど、しーちゃんはまだかきながら話す。
「だから父さんにとって母さん以外と“ふうふ”はありえません。羽実だって、みっちゃん姉さんと海雲おにいさまが、ちがう人と一緒にいるなんてうかばないでしょ?」
「…………そうだね」
パパとママはいつもなかよし。たまにパパがつかれてママがあやまってる時あるけど、すぐ笑顔。うん、パパとママ以外はありえない! それがうみの家族!! 変なこと考えてごめんなさい!!!
大きく頭を下げるが、しーちゃんは自分にじゃないとわかっているのかサクサク手だけを進める。すると、うみ達が最後になったのか、先生が近付いてくるのが見えた。
「しーちゃん、いこう」
「…………よっし、行きましょう」
「し、紫苑くん、羽実ちゃん……これは…!」
「「お城」」
しーちゃんがスコップの先でまどやドア、三つの山にはやねのもようを入れ、うみが指で木やお花を周りにかいて“お城”が完成。先生がぼうぜんとしている間にスコップや道具が入ったバケツをしーちゃんと一緒に持って歩き出す。
「“ふうふ”になるには、コブタさんがドキューンとうった相手じゃないとダメなんだよね!」
「え、半日ぼれした相手じゃないんですか?」
そんなうみ達の会話を先生は首を横にしながら聞いていた。
“ふうふ”ってむずかしいけど、一番は大好きな人どうしじゃないとダメってことだよね。パパがママだけって言うように、いつかうみもパパみたいなカッコイイ人と会えるかな──。
~~~~*~~~~*~~~~*~~~~
「これはまた……すごい物を作ったな」
「ですよねですよね! 私も見た時は感動しましたよ!!」
時刻は夜の十一時を過ぎ、羽実ちゃんは良い子に一人おねん寝が出来ました。
お風呂上りの海雲さんはソファに座り、隣に座った私は写メを見せる。
それは今日、羽実ちゃんと妹まきの息子、紫苑くん二人が作ったお城。
まきたんの仕事が終わるまで娘のりまちゃんを預かって家事をする私は今や専業主婦です。そんなりまちゃんを抱え、羽実ちゃんと紫苑くんを幼稚園に迎えに行くと、先生が感動した目で砂のお城を見せてくれた。
立派なお城に私もすぐ写メって、まきたんに送ったけど『誰の血だろ……』と、微妙なテンション。でもすごいのは本当なので、いっぱいいっぱい二人を褒めましたよ! 紫苑くん、お秘書さんに似て器用ですね!!
「性格も……まんま寺置に似たな。しかし来世と言ったり、気付けば隣に住んでたり、わけのわからんヤツだ」
「私達より先に籍を入れたり、突然引越し蕎麦を持ってこられた時はビックリしましたね。お秘書さん、ホントまきたん大好きですか……んっ」
妹夫婦に笑みを浮かべていると口付けを受ける。
小さいけれど何度も離れては唇に付け、息が荒くなってくると今度は深く口付け、奥まで舌が入ると身体が疼きはじめた。
「んっ……ふぁんんっ」
「ん……好きの気持ちなら……負ける気はないがな」
「あんっ……」
小さな笑みを向けたまま私から携帯を取り上げた海雲さん。
頬が熱くなりながらも求められるがまま口付けを再開すると、パジャマの前ボタンを外される。ブラが露になると大きな手が入り込み、胸を揉みしだいだ。
同時にズボンとショーツの中にも手が入り、秘部を撫でられる。
「んあっ……あっ」
「やっぱり……ん……出産して……感度、良くなってるな」
そう笑いながら撫でるのは、五年前まで羽実ちゃんがいたお腹。
はじめての育児は戦いでした。羽実ちゃん、夜泣きが続き、かな様からは『まんま、ちんちくりんじゃない』とお褒めの言葉もいただく小怪獣さん。でも、まきたんも少し早い時期に出産していたし、海雲さんやお秘書さん、お母さん達の手伝いのおかげで元気に育ちました。
ただ、その間はキスぐらいしか出来なかったため、最近するようになった身体がとても敏感。擦るだけですぐ秘部からは愛液が溢れ、既にぐっしょりと海雲さんの手を濡らしていた。
顔が真っ赤になるが、構わず彼は数本の指を膣内に入れると、ブラから取り出した胸の先端に吸い付く。
「んっ、ぅんん……あぁ」
「ん……まだ、少し出るな」
「あぅ……飲んじゃああぁっ」
「……甘い」
指で摘まれると白い液体が滲み、強く吸い付かれると彼の口内に母乳が流れる。
妊娠でささやかだった胸は少し大きくなったが、羽実ちゃんに吸い取られたのか、また縮んだ気がします。先端から口を離すと垂れた乳汁を舌で舐め取られる。その刺激だけでも全身が熱く後ろに倒れそうになるが、首元に顔を埋めた海雲さんは耳元で甘く囁く。
「今度はみきが食べるか……?」
「ふぇ……っ!?」
力を無くしていると手を取られ、辿った場所には彼の大きくなったモノ。
首元を舐められながら耳元で『どうする?』と訊ねられると秘部の愛液がジワジワ零れる。虚ろな瞳で彼のソコを見ながら喉を鳴らすと、小さく口を開いた。
「ほ……しいです」
「良い子だ……床に座れ」
口付けると、言われるがままソファから床に座り直す。
次いで彼の股の間に入ると、ズボンから出てきたのは雄雄しく勃起した肉棒。先端からは少し白液も垂れ、動悸を激しくさせながら握った。
最初は軽く擦るだけだったが、頭上から海雲さんの呻きが聞こえ、我慢出来ず身を乗り出す。ちょっとは大きくなった胸の間に肉棒を挟むと、口元に持ってきて──パクリと咥えた。
「んっ、あぁぁ……いいぞ、みき」
「ふぁい……んっ、あっ……まだ大きくんんっ!」
咥えてもまだ大きく硬くなる肉棒を舐めては舌で転がす。と、海雲さんの手が私のズボンを脱がし、後ろから秘部に指を入れた。
“ぐちゅぐちゅ”と水音を鳴らす卑猥な音に、咥える肉棒に強く吸い付くと『ぐっ!』と大きな彼の声と同時に口内で白液を出される。
「んんんんっ……ぷあっ!!!」
勢いある射精に私の口内も限界だったのか、口から離すと白液が垂れ、胸元にも落ちる。そんな私を見下ろす海雲さんは苦笑しながら白液を指で取るが、その指をまた私の口内に入れた。
「かいひゅんひゃん……んっ」
「妙なエロさも一緒に出たな……ついでに下の愛液も」
「ああぁっ……」
彼の手に立たされると抱きしめられる。が、ショーツを下ろされた脚には愛液が流れていた。ソファに背を預けた彼の耳元で囁く。
「奥で……めちゃくちゃにして……ください……」
「……言われずとも、溜まってたのはみきだけじゃないからな……んっ」
舌で白液を舐め取られると、口付けながら彼に跨る。
両腰を持たれ、ゆっくり下ろされると、心待ちするかのように動悸が激しくなった。そんな私を楽しそうに見下ろす海雲さんは頬に口付ける。
「頑張って……声は落とせよ」
「ふゃ……」
「良い声を響かせると……羽実がまた起きる」
「ひゃうっ……あんっ」
秘部に先端が当たりゾクゾクするが、動悸は別の音を鳴らす。
ぐっすり寝た羽実ちゃん、実は二.三回ほど起きてきたことがある。殆どはボーとしていたので何も覚えてませんでしたが、来年には小学生。さすがに記憶も……でも気持ち良い声が……。
「まあ、見られた時は……おしべとめしべの作り方を教えるか」
「うぇ……あああぁぁっんん!!!」
小さく笑う彼に一瞬気を抜いていたせいか、突然挿入された刺激に身体が歓声を上げる。声を押し止めようにも両腰を揺す振られ、肉棒が出たり入ったりを繰り返す。
「はああぁぁん……海雲さんの……熱くて……大きくてんんんっ!」
「気持ち良い……だろ?」
「ああぁ……あああーーーーぁっ!!!」
狭くなっていた膣内は広さを取り戻し、すべての彼を包むと締めつける。熱い白液が散らされた。
「みき……まだだ……もっと」
「ひゃあぁあああーーーーっ!!!」
繋がったままソファに押し倒されると、肉棒がいっそう奥に入り込む。
口付けを繰り返しては胸も吸われ舐められ、また白液を奥底まで流し込まれた。その刺激と快感に私は絶頂する──。
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次の朝、目めを開けるとママがまだベッドでねてた。
ううん、起きてるけど、こしが痛くて動けないって泣いて……なんだろ?
そんなママにおふとんをかけ、リビングに向かうと、ソファのカバーの色が変わってたりとクエッションがいっぱいのナゾ。そして、そのナゾをとかない限り、起きれないママのかわりに台所に立ったパパの真っ黒な野菜いためが出てくる。
うみはこのナゾをといてみせましょう! 未来の朝ごはんのために!! ママ、いつもありがとう!!!
そのナゾをまもちゃんに話すと、笑顔でおしべとめしべの話をされた。
まもちゃん、わかんない────。